訪問看護の加算辞典(2026年6月改定対応)

医療保険の訪問看護療養費と介護保険の訪問看護費について、加算・療養費・減算の金額、算定単位、届出の要否、2026年6月改定での扱いを、厚生労働省の告示本文から転記して一覧にしました。名称をクリックすると、算定要件・注意点・関連する加算と解説記事が見られます。

収録項目

51医療保険 29 / 介護保険 22

2026年6月に新設

5訪問看護医療情報連携加算・包括型訪問看護療養費・訪問看護遠隔診療補助料 など

2026年6月に見直し

10管理療養費・複数名・乳幼児・ベースアップ など

基準日

2026年6月1日最終更新 2026-10-08

まず押さえること: 医療保険と介護保険で加算は別体系

訪問看護は、利用者の状態(要介護認定、別表第7の疾病、特別訪問看護指示書、精神科訪問看護かどうか)で医療保険と介護保険のどちらで提供されるかが決まり、加算もその体系に従います。医療保険は「円」、介護保険は「単位」(地域区分の単価を掛けて請求)で、同じ名称の加算でも金額・要件は別物です。使い分けは医療保険と介護保険の使い分けで整理しています。

医療保険(訪問看護療養費)

分類加算・療養費金額算定単位届出2026年6月
本体・管理訪問看護基本療養費(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)5,550円 ほか1日につき不要見直し
精神科訪問看護基本療養費5,550円 ほか1日につき要見直し
訪問看護管理療養費(通常型・機能強化型1〜4)7,710円 ほか月の初日は月1回、2日目以降は1日につき要見直し
包括型訪問看護療養費30分以上60分未満 7,010円 ほか1日につき(訪問時間の合計と単一建物居住利用者の人数で区分)要新設
体制24時間対応体制加算6,800円 ほか月1回要変更なし
緊急訪問看護加算2,650円 ほか1日につき不要変更なし
重症・専門特別管理加算(医療保険)5,000円 ほか月1回要変更なし
精神科重症患者支援管理連携加算8,400円 ほか月1回要変更なし
専門管理加算(医療保険)2,500円 ほか月1回要変更なし
訪問の形長時間訪問看護加算(医療保険)5,200円週1日(厚生労働大臣が定める者は週3日)を限度不要変更なし
乳幼児加算1,400円 ほか1日につき不要見直し
複数名訪問看護加算(医療保険)4,500円 ほか1日につき(イ・ロは週1日、ハは週3日を限度)不要見直し
難病等複数回訪問加算4,500円 ほか1日につき不要見直し
夜間・早朝訪問看護加算(医療保険)2,100円 ほか1日につき不要見直し
深夜訪問看護加算(医療保険)4,200円 ほか1日につき不要見直し
連携・退院退院時共同指導加算・特別管理指導加算(医療保険)8,000円 ほか退院・退所につき1回(別表第7・第8の利用者は、複数日に指導した場合に2回)不要変更なし
退院支援指導加算6,000円 ほか退院日の翌日以降の初回訪問時に1回不要変更なし
在宅患者連携指導加算3,000円月1回不要変更なし
在宅患者緊急時等カンファレンス加算2,000円月2回まで不要変更なし
看護・介護職員連携強化加算(医療保険)2,500円月1回不要変更なし
訪問看護医療DX情報活用加算50円月1回要変更なし
訪問看護医療情報連携加算1,000円月1回要新設
訪問看護情報提供療養費1,500円 ほか区分ごとに月1回など不要変更なし
訪問看護遠隔診療補助料2,650円月1回要新設
看取り訪問看護ターミナルケア療養費25,000円 ほか死亡した利用者につき1回不要変更なし
遠隔死亡診断補助加算(医療保険)1,500円ターミナルケア療養費への加算要変更なし
賃上げ・物価訪問看護ベースアップ評価料(Ⅰ)(Ⅱ)1,050円 ほか月1回((Ⅰ))要見直し
訪問看護物価対応料60円 ほか1日につき不要新設
地域特別地域訪問看護加算(医療保険)50%を加算所定額に対する割合不要見直し

介護保険(訪問看護費)

分類加算・療養費単位数算定単位届出2026年6月
本体・管理訪問看護費(介護保険)314単位 ほか1回につき(定期巡回・随時対応型との連携は1月につき)不要変更なし
体制緊急時訪問看護加算600単位 ほか月1回要変更なし
看護体制強化加算550単位 ほか月1回要変更なし
サービス提供体制強化加算(訪問看護)6単位 ほか1回につき(定期巡回連携型は月1回)要変更なし
重症・専門特別管理加算(介護保険)500単位 ほか月1回要変更なし
専門管理加算(介護保険)250単位 ほか月1回要変更なし
訪問の形複数名訪問加算(介護保険)254単位 ほか1回につき不要変更なし
長時間訪問看護加算(介護保険)300単位1回につき不要変更なし
早朝・夜間・深夜の加算(介護保険)所定単位数の25%を加算 ほか1回につき所定単位数に対する割合不要変更なし
連携・退院初回加算350単位 ほか月1回不要変更なし
退院時共同指導加算(介護保険)600単位退院・退所につき1回(特別な管理を必要とする利用者は2回)不要変更なし
看護・介護職員連携強化加算(介護保険)250単位月1回不要変更なし
口腔連携強化加算50単位月1回要変更なし
看取りターミナルケア加算(介護保険)2,500単位死亡月に1回要変更なし
遠隔死亡診断補助加算(介護保険)150単位死亡月に1回要変更なし
賃上げ・物価介護職員等処遇改善加算(訪問看護)1.8% ほか所定単位数に対する割合要新設
地域特別地域訪問看護加算(介護保険)15%を加算1回につき(定期巡回連携型は月につき)所定単位数に対する割合要変更なし
中山間地域等における小規模事業所加算10%を加算1回につき(定期巡回連携型は月につき)所定単位数に対する割合要変更なし
中山間地域等に居住する者へのサービス提供加算5%を加算1回につき(定期巡回連携型は月につき)所定単位数に対する割合不要変更なし
減算同一建物居住者に係る減算(介護保険)所定単位数の90% ほか1回につき所定単位数に対する割合不要変更なし
高齢者虐待防止措置未実施減算所定単位数の1%を減算所定単位数に対する割合不要変更なし
業務継続計画未策定減算所定単位数の1%を減算所定単位数に対する割合不要変更なし

2026年6月改定で変わった項目(15項目)

区分加算・療養費保険2026年6月改定での扱い
新設訪問看護医療情報連携加算医療新設。
新設包括型訪問看護療養費医療新設。
新設訪問看護遠隔診療補助料医療新設。
新設訪問看護物価対応料医療新設。
新設介護職員等処遇改善加算(訪問看護)介護新設(2026年6月サービス提供分から)。
見直し訪問看護基本療養費(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)医療(Ⅱ)を見直し。同一日の人数区分に10〜19人・20〜49人・50人以上を設け、10人以上は月の算定日数(月20日目まで・21日目以降)で額が変わる形に。(Ⅱ)を算定する訪問は30分以上を標準とし20分を下回らないことと、同一敷地内の建物も同一建物とすることを明記。週4日以上算定できる対象に在宅難治性皮膚疾患処置指導管理を受けている人を追加。(Ⅰ)(Ⅲ)の額は変更なし。
見直し精神科訪問看護基本療養費医療(Ⅲ)を見直し。同一日の人数区分に10〜19人・20〜49人・50人以上を設け、10人以上は月の算定日数(月20日目まで・21日目以降)で額が変わる形に(訪問看護基本療養費(Ⅱ)と同じ見直し)。(Ⅰ)(Ⅳ)の額は変更なし。
見直し訪問看護管理療養費(通常型・機能強化型1〜4)医療月初日の額を引き上げ、機能強化型4を新設。2日目以降は1・2を統合し、単一建物居住利用者の人数と訪問日数で細分化。
見直し乳幼児加算医療通常区分を1,300円→1,400円に引き上げ(超重症児等の1,800円は据え置き)。
見直し複数名訪問看護加算(医療保険)医療同一建物内の算定人数に応じた5段階の評価に見直し(改定前は「同一建物3人以上」の1段階のみ)。
見直し難病等複数回訪問加算医療同一建物内の算定人数(5段階)と訪問日数による評価に見直し。
見直し夜間・早朝訪問看護加算(医療保険)医療同一建物内の算定人数と訪問日数による評価に見直し(1〜2人の場合は2,100円で据え置き)。
見直し深夜訪問看護加算(医療保険)医療同一建物内の算定人数と訪問日数による評価に見直し(1〜2人の場合は4,200円で据え置き)。
見直し特別地域訪問看護加算(医療保険)医療対象を拡充(移動30分以上かつ往復+提供時間2時間30分以上の場合を追加)。
見直し訪問看護ベースアップ評価料(Ⅰ)(Ⅱ)医療(Ⅰ)を780円→1,050円(継続的賃上げは1,830円)に引き上げ、対象職員を拡大。2027年6月にさらに引き上げ。

改定前後の額は、各項目のページの「注意点」「2026年6月改定での扱い」にも載せています。2027年6月にさらに変わる額は2027年6月の変更点トラッカーへ。

加算を「取れているか」を点検する

加算は制度を知っているだけでは収益になりません。取りこぼしが起きやすい点です。

よくある質問

医療保険と介護保険の加算を、同じ月に両方算定できますか?

要介護認定を受けた人の訪問看護は原則として介護保険ですが、特別訪問看護指示書による訪問看護、別表第7の疾病等の人への訪問看護、精神科訪問看護は医療保険になります。そのため同じ月に両方の保険の訪問看護がありえます。ただし24時間の体制の評価はどちらか一方で、介護保険で緊急時訪問看護加算を請求した月は、医療保険の24時間対応体制加算は算定できません。

別表第7・別表第8の一覧 →・緊急時訪問看護加算 →

24時間対応体制加算と緊急時訪問看護加算は同じものですか?

役割は似ていますが、医療保険と介護保険の別の加算です。医療保険の24時間対応体制加算は月6,800円(看護業務の負担軽減の取組を行っている場合)または6,520円、介護保険の緊急時訪問看護加算は訪問看護ステーションで(Ⅰ)600単位・(Ⅱ)574単位(月1回)です。

24時間対応体制加算 →・緊急時訪問看護加算 →

処遇改善加算は医療保険の訪問看護にも付きますか?

介護職員等処遇改善加算は介護保険の加算で、訪問看護費に1.8%(1000分の18)を加算します。医療保険の訪問看護の賃上げは訪問看護ベースアップ評価料が担い、2027年6月に額が引き上げられます。

介護職員等処遇改善加算 →・訪問看護ベースアップ評価料 →

加算の金額の根拠はどこで確認できますか?

医療保険は「訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法」(告示67号)、介護保険は「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準」(告示19号)の訪問看護費の項です。この辞典は両方を告示本文から転記しており、各項目のページに告示上の位置を載せています。

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出典(医療保険): 訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法(平成20年厚生労働省告示第67号・現行)、訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第74号)、令和8年度診療報酬改定の概要【訪問看護ステーション向け】(厚生労働省保険局医療課)、訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(令和8年3月5日保発0305第19号)、訪問看護ステーションの基準に係る届出に関する手続きの取扱いについて(令和8年3月5日保医発0305第9号)。 出典(介護保険): 指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第19号・現行)、厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第95号・現行)、厚生労働大臣が定める基準に適合する利用者等(平成27年厚生労働省告示第94号・現行)、令和8年度介護報酬改定 別紙1 指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準【令和8年6月施行】、指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(訪問通所サービス、居宅療養管理指導及び福祉用具貸与に係る部分)及び指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について(老企第36号)の令和6年3月15日改正通知。 金額・要件は2026年6月1日施行の内容です。算定にあたっては最新の告示・通知と地方厚生局・都道府県の案内をご確認ください。全項目をCSVでダウンロード(UTF-8。引用・転載の際は出典の明記をお願いします)。