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訪問看護の運営指導・監査|個別指導の選ばれ方・全国一斉調査・不正請求

訪問看護ステーションへの指導・監査を、医療保険の個別指導と介護保険の運営指導に分けて整理。1件当たり平均額で選ばれる個別指導、2026年1月からの全国一斉調査、ホスピス型住宅をめぐる報酬返還の指導、紹介の対価の禁止まで、実際に訪問看護を運営する編集部がまとめました。

訪問看護の指導・監査は、医療保険と介護保険の両方から来る

訪問看護ステーションの多くは、医療保険(健康保険法)と介護保険(介護保険法)の両方で指定を受けています。そのため行政の指導・監査も、2つの制度から来ます。医療保険では地方厚生(支)局が個別指導などを行い、介護保険では指定をした自治体が運営指導を行います。どちらでも見られるのは、日々の記録と請求の根拠です。

医療保険の個別指導は「1件当たり平均額」で選ばれる

2025年4月に訪問看護ステーションの指導要綱が改正され、同年9月の通知で選定の取扱いが示されました。個別指導の対象は、次の2つに当てはまる事業所から、1件当たり平均額の高い順に選ばれます。

  • 訪問看護療養費請求書の1件当たり平均額が、その都道府県の平均額を超えている
  • 都道府県内のステーション総数の上位おおむね1%に入っている

不正を疑われたからではなく、単価が高いこと自体が選ばれる理由になります。指導は原則として指導月以前の連続した2か月分の請求書に基づいて行われ、実施日は1週間から10日前に通知されます。広域に展開する事業者には、国・厚生局・都道府県による共同指導という枠もあります。→ 訪問看護の個別指導、対象は上位1%

介護保険の運営指導

介護保険の運営指導は、指定の有効期間(6年)内に少なくとも1回が目安です。このほかに、講習会形式の集団指導が年1回程度あります。記録書の不備、加算算定の根拠、人員配置基準の充足などが指摘されやすい項目です。→ 実地指導・運営指導で指摘されやすい7項目

2026年1月からの全国一斉調査と、ホスピス型住宅

2026年1月、厚生労働省は健康保険法に基づき、訪問看護への全国一斉の調査を始めました。対象はホスピス型の有料老人ホームの入居者や、精神障害者を対象とする訪問看護ステーションで、8つの地方厚生局・支局が47都道府県でそれぞれ少なくとも1か所ずつ実施しています。→ 訪問看護に全国一斉調査が入った

2026年9月30日には、ホスピス型有料老人ホームを運営する上場大手2社に対し、厚生労働省が入居者への訪問看護の不適切な請求について報酬の返還を指導したと、共同通信が報じました。厚労省は7月に2社の社長を呼び、自主点検と返還を求めたとされています。→ ホスピス型住宅の大手2社に報酬返還の指導

紹介の対価で利用者を集めることは禁止された

2026年6月の改定で、指定訪問看護の運営基準に、経済上の利益の提供による誘引の禁止が新設されました。紹介事業者などに金品などを渡して利用者の紹介を受けることは認められません。→ 利用者誘引規制の実務ガイド

指導の前に点検すること

個別指導では、2か月分の請求と、それに対応する記録が突き合わされます。2026年度の改定で、訪問看護記録書には実際の訪問の開始時刻と終了時刻を書くことが求められるようになりました。加算を算定した根拠、指示書の有効期間、人員基準の充足もあわせて確認します。→ 訪問看護記録の書き方・記録の保存期間

本特集では、個別指導と運営指導の仕組み、全国一斉調査とホスピス型住宅をめぐる動き、利用者誘引の禁止、指導の前の自己点検まで、実際に訪問看護ステーションを運営する編集部が整理します。

ホスピス型住宅の大手2社に報酬返還の指導——厚労省が7月に社長を呼び自主点検を要求、1月からの全国調査を受けてのサムネイル画像
訪問看護

ホスピス型住宅の大手2社に報酬返還の指導——厚労省が7月に社長を呼び自主点検を要求、1月からの全国調査を受けて

2026年9月30日、共同通信が報じました。ホスピス型有料老人ホームを運営する東証プライム上場の大手2社に対し、厚生労働省が入居者への訪問看護で不適切な診療報酬の請求があったとして、健康保険法に基づき報酬を返還するよう指導したという内容です。厚労省は7月に2社の社長を呼び、自主点検と返還を求めたとされています。2026年1月から実施している全国調査の結果です。

訪問看護に全国一斉調査が入った——ホスピス型住宅の不正請求と、まっとうな事業所が背負う代償|28億円の不正請求の疑い、医師の4割が受けた不適切要求、そして報酬設計の転換のサムネイル画像
訪問看護

訪問看護に全国一斉調査が入った——ホスピス型住宅の不正請求と、まっとうな事業所が背負う代償|28億円の不正請求の疑い、医師の4割が受けた不適切要求、そして報酬設計の転換

2026年1月、厚生労働省が訪問看護に対する全国一斉の調査を始めました。対象は、ホスピス型の有料老人ホームの入居者や、精神障害者を対象とする訪問看護ステーションです。背景には、大手事業者による不正・過剰な請求の発覚があります。28億円超の不正請求の疑い、医師の約4割が受けた不適切な要求。何が起き、国はどう動き、そしてまっとうに運営してきた事業所は何を背負うことになるのか。構造から分析します。

訪問看護の個別指導、対象は1件当たり平均額の上位1%——単価が高いこと自体が選定理由になるのサムネイル画像
訪問看護

訪問看護の個別指導、対象は1件当たり平均額の上位1%——単価が高いこと自体が選定理由になる

訪問看護療養費請求書の1件当たり平均額が高い事業所を、高い順に選んで個別指導する。そういう仕組みが2025年度から動いている。選定基準は二つで、都道府県の平均額を超えていること、そしてステーション総数の上位おおむね1%に入っていること。不正を疑われたからではなく、単価が高いという理由で指導の対象になる。広域展開する事業者には共同指導という別の枠組みもある。

訪問看護の実地指導・運営指導対応|指摘されやすい7項目と整備すべき体制のサムネイル画像
訪問看護

訪問看護の実地指導・運営指導対応|指摘されやすい7項目と整備すべき体制

訪問看護ステーションへの実地指導(運営指導)は、近年厳格化の傾向にあります。2026年6月改定で「適正な手続きの確保」が明確に義務化され、サンウェルズ事件以降の業界全体の意識変化もあり、実地指導への対応力が経営の生命線となっています。指摘されやすい7つの項目と整備すべき体制を率直に整理しました。

訪問看護の「利用者誘引規制」が本格導入|2026年6月改定と疑義解釈で明確化された紹介料禁止ルールの実務ガイドのサムネイル画像
訪問看護

訪問看護の「利用者誘引規制」が本格導入|2026年6月改定と疑義解釈で明確化された紹介料禁止ルールの実務ガイド

2026年6月の診療報酬改定と厚生労働省の疑義解釈により、訪問看護ステーションが紹介事業者などに金品を提供して利用者の紹介を受ける行為が明確に禁止されました。有料老人ホーム・ホスピス型施設に併設する訪問看護ステーションを中心に、実務影響は広範囲に及びます。この規制の内容、対象範囲、実務対応をQ&A形式で整理します。

紹介の対価に、金品を渡してはならない——運営基準に明文化された誘引の禁止|規制ができたということは、行われていたということでもあるのサムネイル画像
訪問看護

紹介の対価に、金品を渡してはならない——運営基準に明文化された誘引の禁止|規制ができたということは、行われていたということでもある

2026年度の改定で、指定訪問看護の運営基準が改められました。特定の主治医や事業者への誘導の禁止、経済上の利益の提供による誘引の禁止が、明文で義務づけられています。利用者への値引きによる勧誘も、紹介の対価として金品を渡すことも認められません。医療機関側にも対応する規定が設けられました。何が禁じられ、事業所は何を確認すべきかを整理します。

訪問看護の「行政の目」がつながった日——医療保険と介護保険、指導監査情報の相互連携が2026年4月に開始|運営指導実施率16.2%・返還11.5億円が映す現在地のサムネイル画像
訪問看護

訪問看護の「行政の目」がつながった日——医療保険と介護保険、指導監査情報の相互連携が2026年4月に開始|運営指導実施率16.2%・返還11.5億円が映す現在地

2026年7月15日、厚生労働省が令和8年度全国介護保険担当課長会議の指導室資料を公表しました。全8ページの小さな資料の第1項に置かれたのは、訪問看護をめぐる医療保険と介護保険の「情報連携」。2026年4月1日から、二つの制度の指導監査結果が相互に流れ始めています。この静かな一手の中身と、令和6年度の運営指導実施率16.2%・返還11.5億円という数字が映す背景を、HokanPress編集部が整理してお届けします。

【進行中】訪問看護全国一斉調査、4月時点の進捗と今後の影響|経営者が今やるべき自己点検のサムネイル画像
医療制度

【進行中】訪問看護全国一斉調査、4月時点の進捗と今後の影響|経営者が今やるべき自己点検

2026年1月から始まった訪問看護ステーションへの全国一斉調査が、4月時点で着実に進行している。ホスピス型住宅や精神科訪問看護を中心に、不正・過剰請求の実態解明が進む中、適正運営してきたステーションにも自己点検の重要性が増している。

ホスピス型住宅の訪問看護で「過剰請求」が起きる構造|2026年6月改定が業界の闇にどう切り込んだかのサムネイル画像
訪問看護

ホスピス型住宅の訪問看護で「過剰請求」が起きる構造|2026年6月改定が業界の闇にどう切り込んだか

2025年に表面化したホスピス型住宅併設の訪問看護による過剰請求問題。特別調査委員会の試算で約28億円規模の不適切請求の疑いが示され、業界全体への信頼が揺らぐ事態となりました。なぜこうした問題が構造的に起きるのか、2026年6月改定はそれにどう対応したのか。HokanPress編集部が、業界の構造と制度改革を整理しました。

訪問看護の過剰提供規制、2026年から何が変わるかのサムネイル画像
医療制度

訪問看護の過剰提供規制、2026年から何が変わるか

2026年6月施行の診療報酬改定で、訪問看護に対する過剰提供規制が大幅に強化される。早朝・深夜の意図的な訪問、頻回訪問による高額請求、精神科特化型ステーションの運用など、問題視されてきた事例と新たな規制内容を、現場経営者として解説する。

有料老人ホームの「登録制」は、併設訪問看護の事業モデルを三方向から囲む——難病・医療ニーズ対応のホームは大半が対象、施行は2028年6月まで|包括型療養費・紹介禁止の次に来た住宅側の規制のサムネイル画像
訪問看護

有料老人ホームの「登録制」は、併設訪問看護の事業モデルを三方向から囲む——難病・医療ニーズ対応のホームは大半が対象、施行は2028年6月まで|包括型療養費・紹介禁止の次に来た住宅側の規制

2026年6月に成立した改正社会福祉法等で、中重度の要介護者や医療ニーズを持つ人を受け入れる有料老人ホームは届出制から登録制へ移る。7月29日の厚労省検討会は、難病や複合的ニーズを持つ人を対象とするホームも登録の対象とし、既存ホームの大半が該当するとの考えを示した。ホスピス型住宅に訪問看護を併設する事業モデルは、2026年度改定の包括型療養費、有料紹介の禁止に続き、住宅側からも規制を受けることになる。経営者が確認すべき点を整理する。

よくある質問

訪問看護の個別指導の対象は、どう選ばれますか?

訪問看護療養費請求書の1件当たり平均額が都道府県の平均を超え、かつ都道府県内のステーション総数の上位おおむね1%に入る事業所から、平均額の高い順に選ばれます(2025年4月の指導要綱の改正と同年9月の通知)。前年度までの4年間に共同指導・監査・都道府県個別指導を受けた事業所や、1か月の請求件数が10件未満の事業所は、候補から外してよいとされています。→ 訪問看護の個別指導、対象は上位1%

介護保険の運営指導は、どのくらいの頻度で来ますか?

指定の有効期間(6年)内に少なくとも1回が目安です。講習会形式の集団指導は年1回程度あります。指摘されやすい項目と当日の準備は→ 実地指導・運営指導対応

全国一斉調査の対象は、どんな事業所ですか?

ホスピス型の有料老人ホームの入居者や、精神障害者を対象とする訪問看護ステーションです。健康保険法に基づき2026年1月から、8つの地方厚生局・支局が47都道府県で少なくとも1か所ずつ実施しています。→ 訪問看護に全国一斉調査が入った、4月時点の進捗は全国一斉調査、4月時点の進捗

利用者を紹介してもらったお礼を渡してもよいですか?

2026年6月の改定で、指定訪問看護の運営基準に経済上の利益の提供による誘引の禁止が新設され、紹介の対価として金品などを渡して利用者の紹介を受けることは禁止されています。→ 利用者誘引規制の実務ガイド・紹介の対価に、金品を渡してはならない

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