訪問看護の 経営|収支・黒字化・ 人材・ 制度の 実践ガイド
訪問看護ステーションの経営を、収支差率・利益率・人件費などの実データで解説。黒字化・人材確保・2026年診療報酬改定への対応まで、実際に訪問看護を経営する編集部が実践的にまとめた訪問看護経営の完全ガイドです。
訪問看護の経営の現状と黒字化のポイント
訪問看護ステーションの経営は、平均では黒字です。厚生労働省の令和7年度介護事業経営概況調査によると、訪問看護の収支差率は10.3%(令和6年度決算)で、介護サービスの中では高い水準にあります。ただし前年度の11.9%からは下がっており、赤字の事業所も38.2%あります。経営がうまくいくかどうかは、平均値ではなく、自分の事業所が黒字と赤字のどちら側にいるかで決まります。
訪問看護の経営の現状
| 項目 | 令和5年度決算 | 令和6年度決算 |
|---|---|---|
| 収支差率 | 11.9% | 10.3% |
| 収入に対する給与費の割合 | 68.7% | 70.1% |
| 1事業所あたりの収入(月) | 331万8千円 | 347万6千円 |
赤字の事業所は38.2%、黒字の事業所は61.8%です(令和6年度決算)。出典は厚生労働省「令和7年度介護事業経営概況調査」で、収支差率は税引前・物価高騰対策関連補助金を含まない値です。平均の読み方は令和7年度調査で見る収支の構造で整理しています。
訪問看護の経営が難しいと言われる理由
- 人件費が重い: 収入の70.1%が給与費です。看護師の採用と定着が、そのまま収支を左右します。
- 人員基準の壁: 看護職員を常勤換算で2.5人以上置く必要があり、小規模な事業所では1人の退職で基準を満たせなくなります。
- 利用者は紹介で決まる: 利用者はケアマネジャーや医療機関からの紹介で決まり、待っていても増えません。→ 訪問看護に営業が不可欠な理由
- 人が辞めると止まる: 厚生労働省の調査研究では、廃止の理由で最も多いのが「従業員確保が困難」(22.7%)、次いで「管理職が退職した」(17.6%)でした。
収益の仕組み
訪問看護の収入は、医療保険の訪問看護療養費と、介護保険の訪問看護費の2本立てです。どちらで算定するかは、要介護認定の有無、別表第7の疾病、特別訪問看護指示書などで決まります。→ 医療保険か介護保険かを決める順序。加算の金額と要件は加算辞典で確認できます。
黒字化のポイント
平均の収支差率が10%を超えていても4割近くが赤字である以上、差を生むのは運営です。訪問件数、利用者数の純増減、看護師1人あたりの訪問件数、給与費の割合を毎月並べ、停滞の原因を特定するところから始めます。→ 売上が伸びない7つの原因と対策、収支差率10%でも潰れる——数字で経営する技術
廃業・倒産の実態
2025年度に廃止した訪問看護ステーションは960件、廃止率は5.1%でした(全国訪問看護事業協会)。原因と対策は倒産・廃業の実態と対策で整理しています。
本特集では、収支の実像、給与費の重さと看護師不足、PT/OT/ST訪問の適正化やDX効率化など2027年度改定に向けた制度の動き、そして経営者自身のバーンアウト防止まで、実際に訪問看護ステーションを経営する編集部が実データで解説します。
実地指導・運営指導 セルフチェックリスト
指摘されやすい7項目と整備すべき5つの体制
実地指導で指摘されやすい7項目を、訪問看護を実際に運営する編集部がチェックリスト化。指導通知が来る前のセルフ点検に。
訪問看護ステーションを選ぶ時のポイント|1万8,042事業所から後悔しない選び方を独立系メディアが解説
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訪問看護訪問看護の収支差率10.3%・事業所数1万8,042で過去最多|厚労省調査が示した「高収益」の実像
厚生労働省の「令和7年度介護事業経営概況調査」で、訪問看護ステーションの令和6年度収支差率が10.3%と示されました。全介護サービス平均4.7%の倍以上の水準です。同時に、事業所数は前年比9.9%増の1万8,042事業所と過去最多を更新。しかし、この数字は業界の一面に過ぎません。
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訪問看護経営者のバーンアウト(燃え尽き)は、業界の隠れた深刻課題である。FOOTAGEが2026年に整理した経営課題ランキングでは、10位に「経営者のバーンアウト」が明記された。管理者の疲弊と離職を業界が問題視する中、「壊れる経営者」と「続く経営者」を分ける経営構造の違いを、宮木が5つの視点で分析する。
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全国訪問看護事業協会の調査で、2023年度の訪問看護ステーションの新規開設は2,437件と初めて2,000件を超え、廃止も当時最多の701件に達しました。参入と撤退が同時に活発化する業界の姿は何を示しているのか。HokanPress編集部が、業界の二極化の実態を丁寧に整理します。
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訪問看護ステーションの月間平均売上300万円、訪問1回あたり単価8,490円、看護師1人あたり月商61万円、収支差率6.2%、給与費の割合74.6%——厚生労働省の令和5年度介護事業経営実態調査(令和4年度決算)が示す業界の経営指標を、宮木が徹底解説します。数字が語る訪問看護経営の実像とは。
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訪問看護ステーション数が約15,700か所を超え過去最多を更新した。在宅医療シフトの追い風で開設ラッシュが続く一方、廃業率も上昇している。急増の裏で進む業界の二極化と、これから生き残る事業者の条件を整理する。
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訪問看護ステーションは増え続けています。それなのに、廃業する事業所も過去最高の水準です。2025年度の廃止は960件で、前年から約8%増えました。需要は高まっているはずなのに、なぜこれほど潰れるのでしょうか。看護師2.5人という人員基準の壁、採用難と離職の悪循環、利用者が集まらない現実、資金繰りと経営ノウハウの不足——訪問看護が廃業に至る原因を、HokanPress編集部が整理してお届けします。
訪問看護訪問看護の企業ランキング2026——売上を公表している上場企業と、全国20,051ステーションの構図|最大手でも市場シェアは数%、業界の主役は今も中小事業所
訪問看護の業界に、どんな企業がいて、どれくらいの規模なのか。意外と知られていません。売上を公表している上場企業を並べると、首位のアンビスホールディングスが売上491億円(2025年9月期)、ソフィアメディが98事業所(2025年3月末)、リカバリーインターナショナルが38拠点。一方で全国の訪問看護ステーションは20,051か所(2026年4月1日現在)あり、その大半を中小事業所が占めます。公表データで業界の構図を整理し、大手でも市場シェアが数%にとどまる理由を解説します。
訪問看護訪問看護の実地指導・運営指導対応|指摘されやすい7項目と整備すべき体制
訪問看護ステーションへの実地指導(運営指導)は、近年厳格化の傾向にあります。2026年6月改定で「適正な手続きの確保」が明確に義務化され、サンウェルズ事件以降の業界全体の意識変化もあり、実地指導への対応力が経営の生命線となっています。指摘されやすい7つの項目と整備すべき体制を率直に整理しました。
訪問看護月商347万円で、残る利益は36万円——訪問看護の38.2%が赤字になる構造と、抜け出すための3つの診断|立ち上げ期の赤字か、構造赤字か、流出赤字か
厚生労働省の調査によれば、訪問看護ステーションの1事業所あたり月間収入は約347万6,000円、収支差率は10.3%です。残る利益は月におよそ36万円。そして同じ調査で、38.2%が赤字と報告されました。なぜこれほど薄いのか、そしてどう抜け出すのか。赤字には3つの型があり、型によって打つべき手が変わります。自己診断の方法と、撤退の判断基準まで論じます。
訪問看護訪問看護の27.2%が赤字、12.1%が持ち出しで訪問している——日本看護協会の実態調査651事業所|特別地域加算の算定は2.9%
日本看護協会が「令和9年度介護報酬改定等に向けた訪問看護実態調査」の報告書(2026年3月付)を公表しています。651事業所の回答です。2024年度の収支差率は27.2%が赤字。介護保険の利用限度額を超え、利用者負担か事業所の持ち出しで訪問したケースがあった事業所は12.1%。特別地域訪問看護加算を算定しているのは2.9%。9月16日の分科会で訪問看護の二団体が示した要望と、重なる論点が並んでいます。
訪問看護訪問看護経営者の年収、リアルはいくらか——「400万〜1,000万」の相場が語らない4割の赤字|平均月商300万円で役員報酬をどう決めるか、期首3か月の壁
訪問看護ステーションの経営者は、いくら受け取っているのか。多くの記事は400万円から1,000万円という相場を挙げます。ただしその数字は、黒字の事業所を前提にしたものです。最新の調査では訪問看護の38.2%が赤字でした。経営者の年収は給料ではなく、利益から決まります。平均的な事業所の数字で試算し、役員報酬の制約と、年収を左右する分岐点まで、HokanPress編集部が整理します。
訪問看護訪問看護が、国の資金繰り支援の対象に——「看護業」がセーフティネット保証5号の指定業種に|2026年7月、中東情勢を背景とした臨時指定。売上減の事業者は別枠で最大2億8千万円の信用保証
2026年7月、訪問看護に関わる見落とせないニュースがありました。中小企業庁が、資金繰り支援制度「セーフティネット保証5号」の対象業種に、訪問看護ステーションを含む「看護業」を指定したのです。中東情勢の影響を踏まえた臨時の指定で、売上が減少した事業者は、別枠で最大2億8千万円の信用保証を受けられます。制度の中身、対象となる要件、そして活かし方までを、HokanPress編集部が整理してお届けします。
よくある質問
訪問看護ステーションの利益率はどのくらいですか?
厚生労働省の令和7年度介護事業経営概況調査では、訪問看護の収支差率は10.3%(令和6年度決算・税引前・物価高騰対策関連補助金を含まない)で、前年度の11.9%から1.6ポイント下がりました。ただし赤字の事業所が38.2%あり、平均値だけでは実態は分かりません。分布の読み方は令和7年度調査で見る収支の構造と収支差率10.3%の実像で解説しています。
経営でいちばん重いコストは何ですか?
人件費です。厚生労働省の令和7年度介護事業経営概況調査では、収入に対する給与費の割合は70.1%(令和6年度決算)で、看護師の確保と定着がそのまま収支を左右します。看護師不足の構造はNHKクローズアップ現代が示した看護師不足の構造で整理しています。
2027年度改定で経営に影響しそうな論点は?
PT/OT/STによる訪問の適正化、財政審建議のDX活用による効率化、質の評価の導入などです。→ PT/OT/ST訪問の適正化議論、財政審建議とDX効率化。論点の全体像は2027年度改定の特集へ。
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運営指導(実地指導)に備えて何を点検すればよいですか?
厚生労働省の運営指導マニュアルが定める「確認項目」と「確認文書」を、そのまま自己点検できる運営指導セルフチェック表(Excel・無料)を用意しています。介護保険の21項目と医療保険の運営基準の確認点、指定取消しの事由の条文つきです。指摘されやすい点は実地指導・運営指導対応の記事で整理しています。
















