医療保険(訪問看護療養費) / 本体・管理

訪問看護基本療養費(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)

医療保険の訪問看護で、訪問した日ごとに算定する基本の療養費です。同一建物居住者以外は(Ⅰ)、同一建物居住者は(Ⅱ)、入院中の外泊時は(Ⅲ)を算定し、(Ⅰ)は看護師等の訪問で週3日目まで5,550円、週4日目以降6,550円です。

金額・単位数

5,550円(Ⅰ)保健師・助産師・看護師・週3日目まで(ほか8区分)

算定単位

1日につき区分番号01(告示67号)

届出

不要要件を満たせば算定可

2026年6月改定

見直し2026年6月1日施行の内容

金額・区分

区分金額
(Ⅰ)保健師・助産師・看護師・週3日目まで5,550円
(Ⅰ)保健師・助産師・看護師・週4日目以降6,550円
(Ⅰ)准看護師週3日目まで 5,050円 / 週4日目以降 6,050円
(Ⅰ)理学療法士・作業療法士・言語聴覚士5,550円
(Ⅰ)(Ⅱ)緩和ケア・褥瘡ケア・人工肛門/人工膀胱ケアの専門の研修を受けた看護師(他の看護師等と共同して訪問・月1回)12,850円
(Ⅱ)同一建物居住者・保健師・助産師・看護師同一日に2人 5,550円・6,550円 / 3〜9人 2,780円・3,280円 / 10〜19人 2,760円・2,660円 / 20〜49人 2,710円・2,610円 / 50人以上 2,610円・2,510円
(Ⅱ)同一建物居住者・准看護師同一日に2人 5,050円・6,050円 / 3〜9人 2,530円・3,030円 / 10〜19人 2,520円・2,420円 / 20〜49人 2,470円・2,370円 / 50人以上 2,370円・2,270円
(Ⅱ)同一建物居住者・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士同一日に2人 5,550円 / 3〜9人 2,780円 / 10〜19人 2,760円・2,660円 / 20〜49人 2,710円・2,610円 / 50人以上 2,610円・2,510円
(Ⅲ)入院中の在宅療養に備えた外泊時8,500円

主な算定要件

  • 主治医(保険医療機関の保険医、または退所時の介護老人保健施設・介護医療院の医師)から交付された訪問看護指示書と訪問看護計画書に基づき、指示書の有効期間内(6か月が限度)に訪問すること
  • (Ⅰ)は同一建物居住者以外の利用者、(Ⅱ)は同一建物居住者(同じ建物・同一敷地内の建物に住む他の利用者にも同じ日に訪問する場合の利用者)に算定する
  • 利用者1人につき週3日が限度(訪問看護基本療養費(Ⅰ)(Ⅱ)と精神科訪問看護基本療養費(Ⅰ)(Ⅲ)、(Ⅱ)は包括型訪問看護療養費も合わせて数える)。別表第7・第8の利用者は週4日以上算定でき、週4日目以降は高い額を算定する
  • 専門の研修を受けた看護師による12,850円の区分は、届出をしたステーションの看護師が、他のステーションの看護師等または在宅療養を担う医療機関の看護師等と共同して同一日に訪問した場合に月1回。同じ日に訪問看護管理療養費は算定できない
  • (Ⅲ)は入院中の人が在宅療養に備えて1泊2日以上外泊する際の訪問で、入院中1回(別表第7・第8の利用者は2回)

注意点

  • (Ⅱ)の額は、同一日に2人と3〜9人の区分が「週3日目まで・週4日目以降」、10人以上の区分が「月20日目まで・月21日目以降」の順です
  • 同一建物居住者の人数は、同じ日に訪問看護基本療養費・精神科訪問看護基本療養費・包括型訪問看護療養費を算定する利用者を合わせて数えます
  • 同一の利用者に保険医療機関が在宅患者訪問看護・指導料、同一建物居住者訪問看護・指導料、精神科訪問看護・指導料を算定した月は、原則として訪問看護療養費を算定できません(別表第7・第8の利用者、退院後1月以内などの例外があります)
  • 主治医が情報通信機器を用いた診療を行い、訪問時にその診療の補助をする場合も算定できます。ただし、診療の補助だけを行う場合は算定できません

2026年6月改定での扱い

(Ⅱ)を見直し。同一日の人数区分に10〜19人・20〜49人・50人以上を設け、10人以上は月の算定日数(月20日目まで・21日目以降)で額が変わる形に。(Ⅱ)を算定する訪問は30分以上を標準とし20分を下回らないことと、同一敷地内の建物も同一建物とすることを明記。週4日以上算定できる対象に在宅難治性皮膚疾患処置指導管理を受けている人を追加。(Ⅰ)(Ⅲ)の額は変更なし。

よくある質問

(Ⅰ)と(Ⅱ)は、どう使い分けますか?

同一建物居住者かどうかで分かれます。同一建物居住者とは、同じ建物(同一敷地内の建物を含む)に住む他の利用者にも、そのステーションが同じ日に訪問看護を行う場合の利用者で、(Ⅱ)を算定します。それ以外の利用者は(Ⅰ)です。

通知は例として、養護老人ホーム・特別養護老人ホーム・軽費老人ホーム・有料老人ホーム、マンションなどの集合住宅等に住む複数の利用者や、短期入所生活介護・小規模多機能型居宅介護(宿泊サービス)・認知症対応型共同生活介護などを同じ建物で受けている複数の利用者を挙げています。(Ⅱ)の人数は、同じ日に訪問看護基本療養費・精神科訪問看護基本療養費・包括型訪問看護療養費を算定する利用者を合わせて数えます。

根拠:告示67号 区分番号01 注1・注3、留意事項通知 第2の1(1)・2(1)(2)

週3日の上限と、週4日以上算定できる利用者は?

(Ⅰ)と(Ⅱ)(専門の研修を受けた看護師による区分を除く)は、精神科訪問看護基本療養費(Ⅰ)(Ⅲ)を算定する日と合わせて、利用者1人につき週3日が限度です((Ⅱ)は包括型訪問看護療養費の日も合わせます)。特掲診療料の施設基準等の別表第7・別表第8に当たる利用者は週4日以上算定でき、週4日目以降は看護師等6,550円・准看護師6,050円を算定します(理学療法士等は5,550円のまま)。

  • 別表第7: 末期の悪性腫瘍、多発性硬化症、重症筋無力症、スモン、筋萎縮性側索硬化症、脊髄小脳変性症、ハンチントン病、進行性筋ジストロフィー症、パーキンソン病関連疾患(進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、パーキンソン病(ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ3以上で、生活機能障害度がⅡ度またはⅢ度のもの))、多系統萎縮症、プリオン病、亜急性硬化性全脳炎、ライソゾーム病、副腎白質ジストロフィー、脊髄性筋萎縮症、球脊髄性筋萎縮症、慢性炎症性脱髄性多発神経炎、後天性免疫不全症候群、頸髄損傷、人工呼吸器を使用している状態
  • 別表第8: 在宅麻薬等注射指導管理・在宅腫瘍化学療法注射指導管理・在宅強心剤持続投与指導管理・在宅気管切開患者指導管理を受けている状態、気管カニューレ・留置カテーテルを使用している状態、在宅自己腹膜灌流・在宅血液透析・在宅酸素療法・在宅中心静脈栄養法・在宅成分栄養経管栄養法・在宅自己導尿・在宅人工呼吸・在宅持続陽圧呼吸療法・在宅自己疼痛管理・在宅肺高血圧症患者・在宅難治性皮膚疾患処置の各指導管理を受けている状態、人工肛門・人工膀胱を設置している状態、真皮を越える褥瘡の状態、在宅患者訪問点滴注射管理指導料を算定している人

根拠:留意事項通知 第2の1(1)(2)・2(3)

(Ⅱ)の「月20日目まで」「月21日目以降」は、どう数えますか?

同一日の同一建物居住者が10人以上の区分では、週ではなく月の算定日数で額が変わります。通知は、同一建物居住者の人数と、訪問看護基本療養費(Ⅱ)(専門の研修を受けた看護師による区分を除く)・精神科訪問看護基本療養費(Ⅲ)・包括型訪問看護療養費の合計算定日数によって、「月20日目まで」と「月21日目以降」を区分するとしています。2人と3〜9人の区分は、従来どおり「週3日目まで」「週4日目以降」です。

根拠:告示67号 区分番号01 2、留意事項通知 第2の2(1)

(Ⅱ)を算定する訪問の時間のルールは?

同じ建物の利用者には短時間の訪問を重ねやすいため、通知は次の扱いを定めています。

  • 算定に適切な時間の訪問を行い、それを訪問看護記録書に記載して算定する。適切な時間とは30分以上を標準とし、少なくとも20分を下回らないこと
  • 前回の訪問の終了から2時間未満の間隔で、20分以上30分未満の訪問を行う場合(緊急の訪問を除く)は、それぞれの時間を合算して1回として扱う
  • 1人の看護師等の訪問に続けて別の看護師等が訪問する場合も、時間を合算する。合算した中に准看護師の訪問が含まれれば(Ⅱ)の准看護師の区分、理学療法士等の訪問が含まれれば(Ⅱ)の理学療法士等の区分を算定する

なお、(Ⅰ)(Ⅱ)とも、1回の訪問は30分から1時間30分程度が標準です。

根拠:告示67号 区分番号01 注3、留意事項通知 第2の2(4)、第4の2

特別訪問看護指示書が出たときは?

急性増悪等で一時的に頻回の訪問が必要として特別訪問看護指示書が交付された利用者(別表第7・第8の利用者を除く)は、週3日の制限にかかわらず、交付の日から起算して14日以内の訪問について算定できます。月1回(気管カニューレを使用している状態の人と、真皮を越える褥瘡の状態の人は月2回)に限り、14日が限度です。

指示書の交付日を含む週と、交付日から14日目の日を含む週は、指示期間中に算定した日を除いて週3日が限度です。頻回の訪問が必要な理由を記録書に記載します。

根拠:告示67号 区分番号01 注6、留意事項通知 第2の4(1)(2)

(Ⅲ)(外泊時の訪問)を算定できるのは?

入院中の人が在宅療養に備えて一時的に外泊する際に訪問した場合で、入院中1回に限り算定できます(別表第7・第8の利用者で外泊が必要と認められた人は入院中2回まで)。外泊は1泊2日以上のものをいいます。対象は、別表第7・第8に当たる人と、在宅療養に備えた一時的な外泊にあたり訪問看護が必要と認められた人です。同じ日に訪問看護管理療養費は算定できません。

根拠:留意事項通知 第2の3(1)(2)

計算例: 週4日訪問した1週間の(Ⅰ)は?

別表第7に当たる利用者(同一建物居住者ではない)に、看護師が週4日訪問した場合、週3日目までの3日が5,550円、4日目が6,550円で、1週間の訪問看護基本療養費(Ⅰ)は23,200円です(5,550円×3+6,550円)。

訪問看護管理療養費や各加算は別に算定します。別表第7・第8に当たらない利用者は、週3日が限度です。

根拠:告示67号 区分番号01 1、留意事項通知 第2の1(1)

回答は厚生労働省の告示・通知・Q&Aの本文から作成しています。告示67号=訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法(平成20年厚生労働省告示第67号・現行)、留意事項通知=訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(令和8年3月5日保発0305第19号)。

出典: 訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法(平成20年厚生労働省告示第67号・現行)、訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第74号)、令和8年度診療報酬改定の概要【訪問看護ステーション向け】(厚生労働省保険局医療課)、訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(令和8年3月5日保発0305第19号)、訪問看護ステーションの基準に係る届出に関する手続きの取扱いについて(令和8年3月5日保医発0305第9号)。告示上の位置: 区分番号01(告示67号)。金額・要件は2026年6月1日施行の内容で、当メディアが告示本文から転記しました。算定にあたっては最新の告示・通知と地方厚生局・都道府県の案内をご確認ください。最終更新: 2026-10-08。