イングランドの地域看護師は、2009年度からの15年で43%減った。患者ニーズの増加を加味すれば実質55%減、常勤換算で約4,200人にあたる。同じ期間に需要は24%増え、2040年までにさらに34%増える見込みである。イギリスは「病院から地域へ」を国家戦略に掲げてきた。その戦略を担うはずの職種が、戦略を掲げている間に半減した。日本の訪問看護は増え続けているが、安心できる話ではない。
インフルエンザが8月に流行入りしました。全国の定点当たり報告数が1.11となり、流行開始の目安の1.00を超えています。1999年以降では2009年に次いで2番目の早さで、去年より5週間ほど早い。訪問看護は1日に何軒もの家に入る仕事です。まだ暑いこの時期に、何を始めておくといいのか。訪問の順番、車の中の使い方、体調が悪いときの判断まで、今日からできることを書きます。
日本看護協会の調査によると、病院に勤務する看護師の基本給月額は2012年から2024年の12年間で5,868円、約2.3%しか増えていない。一方で税込給与総額は約8.5%増えた。上がったのは手当である。訪問看護の給与は、もともと訪問件数とオンコールの手当で積み上がる構造だ。基本給が動かないまま手当で組み立てる給与が、看護師のキャリアにどう効くのかを考える。
為替は153円台から156円台、中東情勢を受けて原油は高止まり。医薬品は9月10日時点で限定出荷971品目、供給停止910品目にのぼる。訪問看護は輸出も輸入もしない業種だが、世界情勢は確実に届いている。物品の価格、薬の入手、燃料と移動、そして人材。4つの経路を整理し、公定価格という仕組みのなかで事業所に何ができるのかを考える。
9月10日、介護給付費分科会で2027年度改定に向けた関係団体等意見交換会の1回目が開かれた。3回に分けて行われ、1回目は居住系・施設系・医療系を除く介護系居宅サービス。訪問看護は第2回か第3回になる。1回目で訪問介護の団体が示した論点は、地域を面的に支える事業所と集合住宅中心の事業所では事業構造が違う、というものだった。訪問看護が同じ問いを受けるのは確実だ。10月から12月が具体論の期間で、12月には方向性が固まる。改定の地図を整理する。
訪問看護ステーションの求人倍率は4.54倍。病院の500床以上が1.93倍ですから、施設種別のなかで飛び抜けています。この数字は「訪問看護は引く手あまた」の根拠として使われがちですが、同じ調査の別の数字を見ると、求人数は横ばいで、求職者が13万人台から6万人台へ半減していました。倍率を押し上げたのは分母の減少です。数字の読み方と、事業所・看護師それぞれにとっての意味を整理します
2026年6月に新設された訪問看護医療情報連携加算(月1回1,000円)は、ICTを用いた連携体制を掲示し、原則としてウェブサイトにも掲載することが施設基準です。ウェブサイト掲載には9月30日までの経過措置があり、10月1日以降に未掲載のまま算定を続けると施設基準を満たさなくなります。届け出ている事業所が今月中に確認すべき5項目を短く整理します。
訪問看護ステーションの経営課題を語る記事の多くは、コンサルティング会社が自社の経験則をもとに書いている。日本健康医学会誌に2026年に掲載された質的研究は、自ら起業して管理者になった看護師10名への面接から、困難を5カテゴリ、対処を7カテゴリ、望まれる支援を7カテゴリに整理した。手持ち資金を感覚で決めていた。共同経営者と経営感覚が合わなかった。任命した管理者の姿勢で依頼が途絶えた。研究が拾った証言を、廃止理由の統計と重ねて読む。
2026年6月の改定で、精神科訪問看護基本療養費の同一建物区分は5段階に細分化された。10人以上の建物では、算定の数え方そのものが週から月に切り替わる。しかも人数は精神科の利用者だけでなく、一般の訪問看護と包括型の利用者を合算して数える。グループホームや高齢者住宅を複数回るステーションでは、建物ごとに異なる数え方が同居する。GAFは機能強化型4の届出要件に組み込まれ、評価の記録が報酬に直結した。精神科特化型の事業モデルに何が起きているかを整理する。
ケアプランデータ連携システムが2027年1月を目途に介護情報基盤へ統合され、介護保険資格確認等WEBサービスへ移行します。専用ソフトは不要になり、年額21,000円の利用料もなくなる。ただし移行後も使う事業所は事前登録が要り、介護ソフトが標準仕様に対応していなければ連携できません。訪問看護ステーションが年内に確認しておくべき項目を、7月29日の厚生労働省通知をもとに整理します。
薬カレンダーを開けて、火曜日のポケットに薬が残っている。訪問看護師なら何度も見てきた光景です。2026年度改定で、服薬状況と残薬の確認が運営基準に明記され、把握した内容を訪問看護記録書に記入して保存することが求められるようになりました。主治医だけでなく薬局にも伝えることが望ましいとされています。残薬から何が読み取れるのか、どう聞き、どう書き、誰に渡すのかを整理します。
2026年度診療報酬改定で、訪問看護記録書に実際の訪問開始時刻と終了時刻を記録することが求められるようになりました。同時に、適切な訪問時間は30分以上を標準とし、20分を下回る場合は算定できない取扱いが示されています。前回訪問から2時間未満で20分以上30分未満の訪問を行う場合は、原則として所要時間を合算して1回。記録した時間が、そのまま算定の可否を決めます。3つの数字の意味と、現場の運用で確認すべき点を整理します。
BCPは策定して終わりではない。運営基準は研修と訓練の定期的な実施を求めており、実施した記録がなければ未実施と同じ扱いになる。しかし研修資料を一から作ろうとして止まっている事業所は多い。必要なのは分厚い資料ではなく、45分で回せる型と、記録に残すべき3点である。訪問看護ステーションでそのまま使える研修の構成と、実施記録の書き方を示す。
糖尿病診療ガイドライン2024は、足の定期観察を少なくとも年1回、ハイリスクの人にはさらに高頻度で行うことを推奨しています。でも在宅の高齢者は、視力が落ち、腰が曲がり、自分の足の裏を見られません。年1回の外来では足りない部分を、週1回や2回の訪問が引き受けることになります。毎回の訪問で必ず見る4か所、靴下を脱いでもらう声のかけ方、そして症状の出ない低血糖の見つけ方を、現場の順番で整理します。
2026年度診療報酬改定で、機能強化型訪問看護管理療養費に4が新設されました。月初日9,030円。精神科訪問看護で支援ニーズの高い利用者を受け入れ、24時間対応と地域連携の体制を整えたステーションを評価する区分です。1〜3と比べて何が違うのか。最大の違いは、常勤看護師等4名以上という規模の低さと、ターミナルケアの実績を問わない点にあります。要件を一覧で比較し、どの事業所が取りに行けるのかを整理します。
訪問看護師の年収は平均549万8,716円。日本看護協会の2024年度調査の数字です。病院より高いという話も、夜勤がないから低いという話も、どちらも聞きます。どちらが本当なのでしょうか。基本給、手当、賞与、オンコール、時間外。給与明細の項目ごとに調査の数字を並べ、病院から訪問看護へ移るときに何が増えて何が減るのかを、私自身の経験も交えて整理します。2026年に入った処遇改善加算の話も含めます。
ガソリンは補助金で170円に抑えられ、補助がなければ200円を超える。自転車には2026年4月から青切符が導入された。訪問看護は移動が業務の一部である以上、移動手段の選択は経営判断だ。ただし試算すると燃料費が収支に与える影響は小さい。重いのは車両の固定費と事故のリスクである。車・自転車・バイクを経済性と事故リスクの両面から比較し、事業所の立地と訪問密度に応じた選び方を整理する。
介護事業者の倒産は2025年に176件と過去最多を更新し、2026年上半期はデイサービスが過去最多の水準にあります。しかしこの統計に訪問看護は含まれていません。産業分類上、訪問看護は「老人福祉・介護事業」ではなく「医療業」に属し、病院や診療所を対象とする医療機関の倒産統計にも入りません。一方、厚生労働省の分科会資料は2024年度の廃止届886件、休止届355件を示しています。訪問看護は倒産しないのではなく、統計の外で退出しています。数字を重ねて構造を読み解きます。
2026年6月に成立した改正社会福祉法等で、中重度の要介護者や医療ニーズを持つ人を受け入れる有料老人ホームは届出制から登録制へ移る。7月29日の厚労省検討会は、難病や複合的ニーズを持つ人を対象とするホームも登録の対象とし、既存ホームの大半が該当するとの考えを示した。ホスピス型住宅に訪問看護を併設する事業モデルは、2026年度改定の包括型療養費、有料紹介の禁止に続き、住宅側からも規制を受けることになる。経営者が確認すべき点を整理する。
2026年6月29日の介護給付費分科会で、厚生労働省は訪問看護の「現状と課題」として「リハビリテーションの提供が主体の事業所も一定数あると推察される」と明記しました。訪問看護ステーションの訪問単位数に占める理学療法士等の割合は、要介護で29.8%から34.1%へ上昇。委員からは「本来のあるべき姿から乖離」との発言も出ています。2024年改定で減算が入り、それでも増え続けた数字を、2027年度改定はどう扱うのか。資料の数字から読み解きます。
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