2026年6月29日の介護給付費分科会で、厚生労働省は訪問看護の「現状と課題」として「リハビリテーションの提供が主体の事業所も一定数あると推察される」と明記しました。訪問看護ステーションの訪問単位数に占める理学療法士等の割合は、要介護で29.8%から34.1%へ上昇。委員からは「本来のあるべき姿から乖離」との発言も出ています。2024年改定で減算が入り、それでも増え続けた数字を、2027年度改定はどう扱うのか。資料の数字から読み解きます。
離職率83.3%、赤字約1,200万円。ITmediaビジネスオンラインが報じた訪問看護ステーションは、現役看護師の代表がYouTubeで独学し、自作アプリで業務を組み替えることで、利益率10%超、離職率7.7%へ立て直した。注目すべきはツールの中身ではない。市販の電子カルテを入れても離職が止まらない事業所が多いなかで、なぜこの事例では止まったのか。訪問看護のDXが離職に効く条件を、構造から分析する。
2026年8月13日からの大雨は「令和8年8月千葉豪雨」と命名され、厚生労働省は8月中に複数の事務連絡を発出しました。主治医と連絡が取れなければ指示書の有効期間を過ぎても算定できる。避難所での訪問看護も算定できる。介護報酬は8月分を概算で請求でき、届出期限は9月15日。災害時に訪問看護へ適用される特例は、平時に読んでおかなければ使えません。何が発動したのかを整理します。
日本看護協会の調査で、既卒採用者の離職率は16.1%でした。新卒8.4%、正規雇用全体11.0%に比べて突出しています。訪問看護は既卒採用が中心ですから、最も辞めやすい層を採用していることになります。訪問看護の離職率は病院より高く、一方で看護職員5人以上の事業所は離職率が低い。辞める理由の共通項と、定着に効く手を整理します。
訪問先に駐車場がない。近くにコインパーキングもない。都市部の訪問看護で、駐車は毎日つきまとう悩みです。実は道路交通法に基づく駐車許可という制度があり、2025年7月から運用が全国で統一されました。確認範囲は「おおむね100メートル以内」、許可証の有効期間は原則1年以上。申請の手続きと、それでも停められない場所についてお伝えします。
2026年度の改定で、指定訪問看護の運営基準が改められました。特定の主治医や事業者への誘導の禁止、経済上の利益の提供による誘引の禁止が、明文で義務づけられています。利用者への値引きによる勧誘も、紹介の対価として金品を渡すことも認められません。医療機関側にも対応する規定が設けられました。何が禁じられ、事業所は何を確認すべきかを整理します。
9月は世界アルツハイマー月間、認知症月間です。2024年1月に施行された認知症基本法は、認知症の人を支援の対象としてではなく、自らの意思で生活を営む主体として位置づけました。そして保健医療サービスを提供する者の責務も条文に定めています。基本計画が掲げる「新しい認知症観」とは何か、訪問看護に何が求められているのかを整理します。
2024年度から、すべての介護サービス事業所に虐待防止の取り組みが義務づけられました。委員会の開催、指針の整備、研修の実施、担当者の選任。一つでも欠ければ減算の対象になります。同時に訪問看護師には、家庭で虐待を発見したときの通報義務があります。制度としての義務と、現場での判断の両面から整理します。
訪問看護記録に書かれた「転倒する可能性が高い」という一行が、裁判で他事業者の責任を認定する根拠に使われた判例があります。看護職は一つの事故で民事・刑事・行政の三つの責任を負い、過失は予見義務と結果回避義務で判断されます。記録は算定の根拠であると同時に、法的な証拠でもある。訪問看護の法的責任を、判例と実務の両面から整理します。
中央社会保険医療協議会に示された資料によれば、医療保険による訪問看護の利用者の主傷病は「精神及び行動の障害」が47.4%で最多でした。年々増加しています。ところが手厚い体制を評価される機能強化型ステーションでは、精神科訪問看護の利用者割合が20%未満という事業所が多い。数字が示す構造のねじれと、その先にあるものを分析します。
在宅酸素療法を受けている方の自宅で起きた火災は61件、うち58件が死亡事故だったと報告されています。原因の43%は喫煙でした。一方で厚生労働省は、正しく使えば火災にはならないので過度に恐れず医師の指示どおりに吸入してほしい、とも呼びかけています。火気管理の実際と、酸素とともに暮らすために訪問看護が支えていることをお伝えします。
東証プライム上場のLITALICOは2023年に訪問看護会社2社をグループ化し、2025年にそのうち1社を譲渡、1社をグループ内で吸収合併しました。参入から3年足らずでの整理です。訪問看護ステーション数は2年で約2割増えた一方、介護事業者の倒産は小規模に集中しています。資本の出入りから、業界がどの局面にあるのかを読み解きます。
訪問看護は日本独自の仕組みではありません。世界各国に在宅で看護を提供する仕組みがあります。ただし形はかなり違います。オランダには管理者を置かずに在宅ケアの6割を担う組織があり、スウェーデンでは高齢者の9割が自宅で暮らし、アメリカには公的な介護保険がありません。三か国と比べたときに見えてくる、日本の訪問看護の特異点を整理します。
厚生労働省の調査によれば、訪問看護ステーションの1事業所あたり月間収入は約347万6,000円、収支差率は10.3%です。残る利益は月におよそ36万円。そして同じ調査で、38.2%が赤字と報告されました。なぜこれほど薄いのか、そしてどう抜け出すのか。赤字には3つの型があり、型によって打つべき手が変わります。自己診断の方法と、撤退の判断基準まで論じます。
看護師一人の採用に、人材紹介会社への手数料が100万円規模でかかります。ところが無料で使える採用の仕組みは、思いのほか知られていません。全国47都道府県のナースセンターは職業安定法に基づく無料職業紹介事業であり、事業所から看護師へ直接オファーを送ることもできます。ハローワークには職員が事業所を訪ねて求人票を助言する制度もあります。無料チャネルの実力と、求人票の書き方を論じます。
脳卒中で入院した方の多くが、3か月足らずで自宅に戻ります。回復期リハビリ病棟の平均入院日数は約78日。つまり退院は、回復が終わってからではなく、途中で訪れます。だから在宅での継続が、その後の生活を大きく左右します。再発率の高いこの病気で最も大切な血圧の記録、そして片麻痺という喪失とどう向き合うか。訪問看護の現場からお伝えします。
2026年7月1日から9月30日まで、セーフティネット保証5号の対象業種に「8342 看護業」が指定されました。業況が悪化している業種を国が指定し、その業種の中小企業が信用保証を受けやすくする制度です。収支差率10.3%と報じられる一方で、4割近くが赤字という現実がある訪問看護。国の指定が意味するところと、資金繰りに使える制度の内容を整理します。
訪問看護を使いたいと思っても、どこに相談すればよいのか分からないという声をよく聞きます。実は相談先は、その方の状況によって変わります。介護保険を使っているならケアマネジャー、入院中なら病院の退院支援室、どこにもかかっていなければ地域包括支援センター。相談から実際の訪問開始まで、何をどの順に進めるのかを5つのステップで整理しました。
厚生労働省が、訪問看護の質を評価する仕組みの検討に向けて実態調査を開始しました。2026年度の老人保健健康増進等事業として実施され、2027年度の介護報酬改定の基礎データにもなります。当メディアでは報酬の評価軸が回数から機能へ移りつつあることをお伝えしてきました。次に来るのは質です。稼働ステーションが2万件を超えたいま、何が起きようとしているのかを分析します。
在宅で療養する方の多くが、便秘に悩んでいます。訪問のたびに「何日出ていない」という話を伺いますが、実は回数だけを追いかけても、うまくいきません。専門医が勧めるのは、便の形を記録することです。適度な硬さの便が出ていれば、周期が長くても問題ない場合があります。たかが便秘と見過ごせない理由、摘便に頼らない排便コントロール、そして尊厳を守るケアについてお伝えします。
関連カテゴリ