訪問看護の別表第7・別表第8
別表第7は「厚生労働大臣が定める疾病等」(末期の悪性腫瘍や神経難病など20)、別表第8は「特別な管理を要する状態等」(5号)です。どちらも特掲診療料の施設基準等(平成20年厚生労働省告示第63号)の別表で、医療保険の訪問看護では、週3日の上限の例外、難病等複数回訪問加算、特別管理加算などの条件になります。2026年6月の改定で、別表第8に在宅難治性皮膚疾患処置指導管理が加わりました。最終更新: 2026年10月9日。
別表第7
20疾病・状態別表第8
5号(第一号〜第五号)条件になる算定ルール
11医療保険(訪問看護療養費)別表第7(厚生労働大臣が定める疾病等)
| # | 疾病等 | 範囲 |
|---|---|---|
| 1 | 末期の悪性腫瘍 | |
| 2 | 多発性硬化症 | |
| 3 | 重症筋無力症 | |
| 4 | スモン | |
| 5 | 筋萎縮性側索硬化症 | |
| 6 | 脊髄小脳変性症 | |
| 7 | ハンチントン病 | |
| 8 | 進行性筋ジストロフィー症 | |
| 9 | パーキンソン病関連疾患 | 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、パーキンソン病(ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ3以上で、生活機能障害度がⅡ度またはⅢ度のものに限る) |
| 10 | 多系統萎縮症 | 線条体黒質変性症、オリーブ橋小脳萎縮症、シャイ・ドレーガー症候群 |
| 11 | プリオン病 | |
| 12 | 亜急性硬化性全脳炎 | |
| 13 | ライソゾーム病 | |
| 14 | 副腎白質ジストロフィー | |
| 15 | 脊髄性筋萎縮症 | |
| 16 | 球脊髄性筋萎縮症 | |
| 17 | 慢性炎症性脱髄性多発神経炎 | |
| 18 | 後天性免疫不全症候群 | |
| 19 | 頸髄損傷 | |
| 20 | 人工呼吸器を使用している状態 |
別表第8(特別な管理を要する状態等にある者)
| 号 | 状態 |
|---|---|
| 第一号 | 在宅麻薬等注射指導管理、在宅腫瘍化学療法注射指導管理、在宅強心剤持続投与指導管理、在宅気管切開患者指導管理を受けている状態にある者、または気管カニューレ・留置カテーテルを使用している状態にある者 |
| 第二号 | 在宅自己腹膜灌流指導管理、在宅血液透析指導管理、在宅酸素療法指導管理、在宅中心静脈栄養法指導管理、在宅成分栄養経管栄養法指導管理、在宅自己導尿指導管理、在宅人工呼吸指導管理、在宅持続陽圧呼吸療法指導管理、在宅自己疼痛管理指導管理、在宅肺高血圧症患者指導管理、在宅難治性皮膚疾患処置指導管理を受けている状態にある者2026年6月改定で「在宅難治性皮膚疾患処置指導管理」を追加 |
| 第三号 | 人工肛門または人工膀胱を設置している状態にある者 |
| 第四号 | 真皮を越える褥瘡の状態にある者 |
| 第五号 | 在宅患者訪問点滴注射管理指導料を算定している者 |
別表第7・第8が条件になる算定ルール(医療保険)
| ルール | 対象 | 根拠 |
|---|---|---|
| 週4日以上の訪問(週3日の上限の例外) | 週3日を超えて訪問看護が必要な、別表第7・別表第8の利用者。週4日目以降は高い額を算定 | 基準告示(告示103号) 第2の1、留意事項通知 第2の1(1) |
| 難病等複数回訪問加算(1日2回・3回以上) | 別表第7・別表第8の利用者、または特別訪問看護指示書が交付された利用者 | 告示67号 区分番号01 注7、基準告示(告示103号) 第2の1 |
| 複数の訪問看護ステーションの利用 | 別表第7・別表第8の利用者は2か所まで、週7日の訪問看護が計画されている場合は3か所まで(それ以外は原則1か所) | 留意事項通知 第2の12(1)ウ |
| 入院中の外泊時の訪問(訪問看護基本療養費(Ⅲ)) | 別表第7・別表第8の利用者、在宅療養に備えた外泊にあたり訪問看護が必要と認められた者。入院中1回(別表第7・第8の利用者で外泊が必要と認められた者は2回) | 基準告示(告示103号) 第2の2、留意事項通知 第2の3(1) |
| 長時間訪問看護加算 | 別表第8の者、15歳未満の超重症児・準超重症児、特別訪問看護指示書による訪問を受けている者。週3日まで算定できるのは15歳未満の超重症児・準超重症児と、15歳未満で別表第8の者 | 基準告示(告示103号) 第2の3 |
| 乳幼児加算(1,800円の区分) | 超重症児・準超重症児、別表第7・別表第8に該当する6歳未満の利用者(それ以外の6歳未満は1,400円) | 基準告示(告示103号) 第2の4、告示67号 区分番号01 注11 |
| 複数名訪問看護加算 | 1人での訪問が困難な利用者のうち、別表第7・別表第8の者、特別訪問看護指示書による訪問を受けている者など(看護職員がその他職員と同時に訪問し、1日の回数に応じて算定する区分(注12のニ)は、別表第7・第8・特別訪問看護指示書の者に限る) | 基準告示(告示103号) 第2の5、留意事項通知 第2の10(1) |
| 特別管理加算 | 別表第8の者。別表第8の第一号に当たる場合は5,000円、それ以外は2,500円 | 基準告示(告示103号) 第2の6・7 |
| 退院支援指導加算 | 退院日に療養上の退院支援指導が必要な利用者のうち、別表第7・別表第8の者、退院日の訪問看護が必要と認められた者 | 基準告示(告示103号) 第2の8 |
| 訪問看護情報提供療養費1・2 | 1は別表第7・別表第8の者、精神障害を有する者またはその家族等、18歳未満の児童。2は18歳未満の超重症児・準超重症児と、18歳未満で別表第7・第8に当たる児童 | 基準告示(告示103号) 第2の10・11 |
| 包括型訪問看護療養費の対象者 | 別表第7・別表第8の者、特別訪問看護指示書による訪問を受けている者 | 基準告示(告示103号) 第2の12 |
医療の別表第8と、介護保険の特別管理加算の対象の違い
介護保険の特別管理加算は、別表第8ではなく告示94号第六号の「厚生労働大臣が定める状態」が対象です。ほぼ対応していますが、文言が違う箇所があります。
| 医療(別表第8) | 介護(告示94号 第六号) | 違い |
|---|---|---|
| 第一号 | イ(特別管理加算(Ⅰ)) | 同じ内容(在宅麻薬等注射・在宅腫瘍化学療法注射・在宅強心剤持続投与・在宅気管切開患者の各指導管理、気管カニューレ・留置カテーテル) |
| 第二号 | ロ(特別管理加算(Ⅱ)) | 医療の別表第8には「在宅人工呼吸指導管理」と「在宅難治性皮膚疾患処置指導管理」があるが、介護のロには無い |
| 第三号 | ハ(特別管理加算(Ⅱ)) | 同じ内容(人工肛門・人工膀胱) |
| 第四号 | ニ(特別管理加算(Ⅱ)) | 同じ内容(真皮を越える褥瘡) |
| 第五号 | ホ(特別管理加算(Ⅱ)) | 医療は「在宅患者訪問点滴注射管理指導料を算定している者」、介護は「点滴注射を週3日以上行う必要があると認められる状態」 |
よくある質問
別表第7と別表第8の違いは?
別表第7は「厚生労働大臣が定める疾病等」で、末期の悪性腫瘍や神経難病など20の疾病・状態です。別表第8は「特別な管理を要する状態等にある者」で、在宅での指導管理や気管カニューレ・留置カテーテル、人工肛門・人工膀胱、真皮を越える褥瘡などの5号です。どちらも特掲診療料の施設基準等(平成20年厚生労働省告示第63号)の別表で、訪問看護では週4日以上の訪問や難病等複数回訪問加算などの条件として、多くの場合「別表第7・第8のいずれか」の形で使われます。別表第7・第8のうち、特別管理加算と長時間訪問看護加算に関係するのは別表第8だけです。
根拠: 基準告示(告示103号) 第2、留意事項通知 第2の1(1)
要介護認定を受けている人でも、医療保険の訪問看護になるのは?
要介護被保険者等の利用者について訪問看護療養費を算定できるのは、①特別訪問看護指示書による訪問看護、②別表第7の疾病等の者への訪問看護、③精神科訪問看護基本療養費を算定する訪問看護の場合です。別表第8はこの中に含まれていないため、要介護者等が別表第8の状態にあっても、それだけでは医療保険になりません。介護保険側では、訪問看護費の対象外(医療保険の給付対象)として、末期の悪性腫瘍と、告示94号第四号の疾病等(別表第7から末期の悪性腫瘍を除いたものと同じ疾病・状態)が定められています。
根拠: 基準告示(告示103号) 第4の1、告示19号 訪問看護費 注1、告示94号 第四号、老企第36号 第2の4(6)
2026年6月の改定で何が変わった?
別表第8の第二号に「在宅難治性皮膚疾患処置指導管理を受けている状態にある者」が加わりました。これにより、在宅難治性皮膚疾患処置指導管理を受けている利用者も、訪問看護基本療養費等を週4日以上算定できる対象になりました。別表第7の疾病等に変更はありません。
根拠: 留意事項通知 第2の1(1)
特別管理加算の5,000円と2,500円は、どう分かれる?
医療保険の特別管理加算は別表第8の者が対象で、別表第8の第一号(在宅麻薬等注射指導管理などを受けている状態、気管カニューレ・留置カテーテルを使用している状態)に当たる場合は5,000円、第二号〜第五号に当たる場合は2,500円です。介護保険の特別管理加算は告示94号第六号の状態が対象で、イが(Ⅰ)500単位、ロ〜ホが(Ⅱ)250単位です。医療と介護で対象の状態の書き方が一部違う点は、下の対応表を見てください。
根拠: 基準告示(告示103号) 第2の6・7、告示94号 第六号・第七号、告示19号 訪問看護費 注13
出典: 別表第7・第8の文言は、特掲診療料の施設基準等(平成20年厚生労働省告示第63号)の別表を、訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(令和8年3月5日保発0305第19号)の第2の1(1)と、令和8年度診療報酬改定の概要【訪問看護ステーション向け】の新旧対照から転記しました。算定ルールとの対応は訪問看護療養費に係る訪問看護ステーションの基準等(平成18年厚生労働省告示第103号・現行)の第2・第4、介護保険の対応は厚生労働大臣が定める基準に適合する利用者等(平成27年厚生労働省告示第94号・現行)の第四号・第六号によります。算定にあたっては最新の告示・通知と地方厚生局・都道府県の案内をご確認ください。最終更新: 2026年10月9日。