在宅で療養する方の多くが、便秘に悩んでいます。訪問のたびに「何日出ていない」という話を伺いますが、実は回数だけを追いかけても、うまくいきません。専門医が勧めるのは、便の形を記録することです。適度な硬さの便が出ていれば、周期が長くても問題ない場合があります。たかが便秘と見過ごせない理由、摘便に頼らない排便コントロール、そして尊厳を守るケアについてお伝えします。
訪問看護には三つの入口があります。医師の指示書、ケアマネジャーのケアプラン、そして病院の退院支援室です。前二回で扱った二つと比べ、退院支援には固有の特徴があります。動き出しが早く、依頼される利用者の医療依存度が高いことです。入退院支援加算の要件により、病院は入院後3日もしくは7日以内に動き始めます。第三の入口の構造を整理します。
訪問看護は、医師の指示書とケアマネジャーのケアプランという二つの入口を通らなければ、介護保険の利用者に届きません。前回は医師会との関係を扱いました。今回はもう一方の入口、ケアマネジャーとの関係です。依頼先は固定化する、訪問看護師は怖いと思われることがある、そしてケアマネは医療を学びたがっている。公開資料と現役ケアマネの発信から、構造を整理します。
訪問看護ステーションの経営者は、いくら受け取っているのか。多くの記事は400万円から1,000万円という相場を挙げます。ただしその数字は、黒字の事業所を前提にしたものです。最新の調査では訪問看護の38.2%が赤字でした。経営者の年収は給料ではなく、利益から決まります。平均的な事業所の数字で試算し、役員報酬の制約と、年収を左右する分岐点まで、HokanPress編集部が整理します。
話すだけで記録が完成する時代へ——訪問看護のAI記録は実用段階に入った|報告書作成が最大42%短縮、無料サービスも登場。導入前に決めるべき三つのこと
「私は訪問看護に向いているでしょうか」。転職を考える看護師から、いちばん多く聞かれる問いです。求人媒体の記事は、たいてい前向きな答えで終わります。けれど正直に言えば、この仕事には合う合わないが確かにあります。一人で判断する重さ、他人の家に上がるということ、オンコールの緊張。向いている人と向いていない人の条件を率直にお伝えしたうえで、その多くが環境と訓練で変わる理由もお話しします。
訪問看護ベースアップ評価料を算定しているステーションは、毎年8月に賃金改善の報告書を提出します。ところが2026年は例年と違います。令和8年度改定で事前提出の賃金改善計画書が廃止され、新たに中間報告書が設けられたため、今月は令和7年度分の実績報告書と令和8年度分の中間報告書の2本を出すことになります。期限は8月31日。様式も年度ごとに別です。提出の要点を整理してお届けします。
訪問看護の収益は、看護師の勤務時間のうちどれだけを訪問に充てられるかで決まります。当メディアでは以前、稼働率を「見る」ことの大切さをお伝えしました。今回はその実践編です。稼働率を下げる三つの穴——移動・キャンセル・記録——を、どう塞ぐか。同じ団地は連続で回る、キャンセルは記録して傾向をつかむ、空き枠はあらかじめ設計しておく。明日から着手できる具体策を、手順に沿って整理します。
「延命治療はどうされますか」。病状が急変してから初めてそう問われ、何も聞いていなかったご家族が凍りつく場面を、私は現場で何度も見てきました。人生の最終段階では約7割の人が自分で意思決定できない状態になるといわれます。だからこそ元気なうちに、大切にしたいことを繰り返し話しておく。それがACP、人生会議です。縁起でもない話ではなく、今日からの暮らしをよくする対話であることを、現場の視点でお伝えします。
訪問看護は個人情報を持って外を歩く事業です。タブレット、スマートフォン、紙の記録。利用者の病歴を含むそれらの情報は、法律上最も厳格に扱うべき「要配慮個人情報」にあたります。2022年施行の改正個人情報保護法により、漏えいすれば件数を問わず国への報告と本人への通知が義務になりました。車上荒らしでPCを盗まれた病院が過失責任を問われた判例もあります。労務・車両に続く第3の経営リスクである情報管理を、宮木が解説します。
2026年度のいま、全国の都道府県が「新たな地域医療構想」の策定を進めています。2040年を見据えた地域医療の設計図であり、2027年度から動き出します。訪問看護にとって画期的なのは、対象がこれまでの病床中心から外来・在宅医療・介護との連携まで広がり、在宅の担い手が初めて構想の正面に組み込まれたことです。何が変わるのか、訪問看護にどう関わるのか、事業者はいま何をすべきかを整理します。
訪問看護ステーションの新規開設は年2,437件と過去最高を記録しました。参入の熱は高い一方で、開業には法人設立から指定申請まで独特の手続きがあり、順序を誤ると開業日は何か月も遅れます。人員基準2.5人の確保、事前協議、そして資金計画。相場として語られる「1,000万円」が本当に足りるのかを検証したうえで、着手から指定まで最短120日とされる道のりの全体像と急所を宮木が解説します。開業の成否は申請書を出す前にほぼ決まっています。
精神科訪問看護を提供する、あるいはこれから始めるうえで避けて通れないのが算定要件の理解です。2026年6月の改定では「20分を下回る訪問は算定できない」という規定や精神科特化の機能強化型が導入され、要件の正確な把握はこれまで以上に経営と実務を左右します。精神科訪問看護基本療養費の算定要件を、指示書・GAF・従事者・訪問回数と時間の観点から、通知の文言に基づいて整理します。
「通院が難しくなってきた。先生に家へ来てほしい」。そう考えたとき、実は医師が自宅に来る仕組みは二つあります。計画的に定期訪問する訪問診療と、急変時に臨時で駆けつける往診です。そして日常の療養を支えるのが、看護師による訪問看護。三つは名前が似ているようで、役割がはっきり分かれています。それぞれの違いと費用の目安、組み合わせ方、利用の始め方を、HokanPress編集部が整理してお届けします。
介護職員等処遇改善加算は2012年度の創設以来、一貫して訪問看護を対象外としてきました。「医療職中心のサービスであり、介護職の処遇改善という趣旨になじまない」という整理です。その構造が2026年6月、ついに転換しました。期中の臨時改定により、訪問看護にも加算率1.8%の処遇改善加算が新設されたのです。14年越しの転換が何を意味するのか。算定の要件と実務、医療保険側との二本立ての整理、そして残された課題を、宮木が解説します。
訪問看護は移動なしには成り立ちません。スタッフは毎日何度も車や自転車で利用者宅へ向かいます。その移動中の事故で賠償責任を負うのは、運転していた本人だけではありません。使用者責任と運行供用者責任という二つの法理により、事業所も損害賠償の当事者になります。マイカーの業務使用を黙認している場合も同じです。さらに白ナンバー5台以上の事業所にはアルコールチェックが義務化されています。労務と並ぶ経営の盲点である車両管理を、宮木が解説します。
利用者さんの家という密室で、一人でケアを行う訪問看護。その現場で、精神的暴力を経験した訪問看護師は52.7%、セクシュアルハラスメントは48.4%、身体的暴力は45.1%にのぼります。約半数が、何らかの被害を経験しているのです。我慢するしかないと思われがちなこの問題に、いま国や自治体、業界団体が動き始めています。カスハラの実態と、看護師を守る仕組みについて、現場の視点でお伝えします。
訪問看護の業界に、どんな企業がいて、どれくらいの規模なのか。意外と知られていません。売上を公表している上場企業を並べると、首位のアンビスホールディングスが売上363億円、ソフィアメディが98事業所、リカバリーインターナショナルが38拠点。一方で全国の訪問看護ステーションは18,754か所あり、その大半を中小事業所が占めます。公表データで業界の構図を整理し、大手でも市場シェアが数%にとどまる理由を解説します。
「訪問看護に興味はあるけれど、オンコールが不安で」。転職を考える看護師から、最も多く聞かれる声です。夜中に何度も呼ばれるのではないか、翌日の勤務に響くのではないか。実際のところ、どうなのか。厚生労働省の調査では、実際の出動は月0〜2回が約75%を占め、多くは電話対応だけで解決しています。当番の頻度、鳴る回数、手当の相場、そして負担の少ない職場の見分け方を、数字と現場の実感でお伝えします。
訪問看護には、医療保険と介護保険という二つの入り口があります。どちらが適用されるかは、年齢や要介護認定だけでは決まりません。別表第7に該当する疾病か、別表第8の状態か、特別訪問看護指示書が出ているか。その組み合わせで判断されます。そして保険が変われば、訪問できる回数も、利用できる事業所の数も変わります。実務者にも家族にも分かりにくいこの仕組みを、判断の順序に沿って整理します。
2026年1月、厚生労働省が訪問看護に対する全国一斉の調査を始めました。対象は、ホスピス型の有料老人ホームの入居者や、精神障害者を対象とする訪問看護ステーションです。背景には、大手事業者による不正・過剰な請求の発覚があります。28億円超の返還、医師の約4割が受けた不適切な要求。何が起き、国はどう動き、そしてまっとうに運営してきた事業所は何を背負うことになるのか。構造から分析します。
「訪問看護に移ると、夜勤手当がなくなって給料が下がるのでは」。転職を考える看護師から、よく聞かれる不安です。公的な統計では、看護師全体の平均年収は524万7,200円。では訪問看護師はどうかというと、出典によって約400万円から550万円と、幅が大きく出ます。理由は、事業所ごとの手当の設計に差があるからです。給料の内訳、手取りの目安、そして求人票で見るべき点を、HokanPress編集部が整理します。
柔道整復、いわゆる整骨院の業界で、いま何が起きているか。多部位への逓減が強化され、長期・頻回の施術は減額され、明細書の要件も厳しくなりました。そして療術業の倒産は、2025年度に過去30年で最多を記録しています。公定価格で運営する事業が、拡大の後に適正化を受け、淘汰へ向かう。同じ構造を持つ訪問看護に、この流れは何を示すのか。整骨院に起きたことを手がかりに、訪問看護のこれからを分析します。
「もう一度、口からごはんを食べたい」。訪問看護の現場で、利用者さんやご家族から、そう願われることがあります。年を重ね、あるいは病気で、飲み込む力が衰えると、食べることが難しくなり、その「飲み込みにくさ」は、ときに誤嚥性肺炎という形で命に関わります。「口から食べる」ことを支える訪問看護と、誤嚥性肺炎をどう防ぐかについて、現場の視点でお伝えします。食べることは、生きる喜びそのものだからです。
訪問看護の加算は、改定のたびに姿を変えてきました。新設される加算、引き上げられる点数、そして厳しくなる要件と減算。その一つひとつに、国が訪問看護に何を期待しているかというメッセージが込められています。専門管理加算の新設、ターミナルケア加算の引き上げ、機能強化型の拡充、そして同一建物への逓減。数年間の推移から読み取れる五つの傾向と、これから訪問看護がどこへ向かうのかを、HokanPress編集部が分析します。
訪問看護の収支差率は、令和6年度で10.3%と、介護サービスのなかでも高い水準にあります。数字だけを見れば経営は容易に見えますが、現実には廃止や休止に至る事業所が後を絶ちません。収益性が高くても、経営が続くとは限らない。その分かれ目にあるのが「数字で経営できているか」です。稼働率、人件費率、加算算定率。看護師出身の経営者が避けがちな数字と向き合い、黒字で事業を続ける技術を、宮木が論じます。
一人暮らしの高齢者が、急速に増えています。内閣府の推計では、2050年に65歳以上の一人暮らしは約1,084万人に達します。介護してくれる家族がそばにいない在宅療養が、これから当たり前になっていく。この変化は、訪問看護の役割を根本から重くします。家族という支えがない分、専門職による見守りが、その人の在宅生活を左右するからです。独居高齢者の急増が訪問看護に何を求めるのかを、宮木が分析します。
「訪問看護」と「訪問介護」。名前がよく似ているため、同じサービスだと思っている方も少なくありません。けれど、この二つはできることが根本的に違います。一方は医療、もう一方は生活の援助です。在宅での療養を支えるうえで、両者の違いを正しく知ることは、必要なサービスを適切に選ぶ第一歩になります。訪問看護と訪問介護の違い、使い分け、そして併用について、HokanPress編集部が整理してお届けします。
看護師を一人採用するのに、80万円から125万円。訪問看護の経営者にとって、人材紹介会社に支払う手数料は、それほど重い負担になっています。人手が足りず、紹介会社を頼らざるをえない一方で、その手数料が、報酬で運営する事業所の利益を、静かに削っていきます。国も適正化に動き始めました。人材紹介手数料の問題の実態と、経営者が取るべき打開策を、宮木が論じます。
自宅でリハビリを受けたいと思ったとき、実は二つの異なるサービスがあります。「訪問看護からのリハビリ」と「訪問リハビリテーション」です。どちらも理学療法士などが自宅でリハビリを行う点は同じですが、指示を出す医師も、組み合わせられるケアも、得意とする場面も異なります。利用者やご家族、ケアマネジャーもしばしば混同する両者の違いと、使い分けの目安を、HokanPress編集部が整理してお届けします。
日本医療機能評価機構の集計で、2025年の医療事故は6,118件、ヒヤリハットは117万件を超えました。医療安全への関心が、改めて高まっています。では、利用者の家に多くは一人で入り、処置や判断を行う訪問看護には、どんな安全上のリスクがあるのか。病院とは違う、訪問看護ならではの難しさがあります。起こりやすい誤薬・転倒・医療機器の事故と、それを個人の注意ではなく仕組みで防ぐ方法を、HokanPress編集部が整理します。
訪問看護の業界は、大規模化の時代に入っています。倒産が過去最多を更新し、人手不足と物価高が小規模事業所を圧迫するなか、国も事業の協働化・大規模化を促しています。生き残りのために規模を大きくする、その具体的な手段として注目されるのが、サテライト(出張所)の設置です。指定を分割するのとは違い、実績を合算して高い報酬を取り、本体の高い単価を広げ、人員のハードルを下げられる。拡大戦略としてのサテライトの実像を、メリットと注意点の両面から論じます。
「訪問看護と病院、どっちが楽なの?」「どっちが大変?」。看護師の方から、よくこう聞かれます。私は急性期の病院で数年働いたあと、訪問看護に移ったので、両方の現場を自分の体で知っています。先に結論を言えば、「どちらが楽」とは簡単には言えません。両方に、違う種類の大変さと、違う種類の魅力があるからです。勤務時間、仕事の内容、身体と心の負担、給料、教育、やりがい。両方を経験した立場から、正直に比較します。
2026年8月、高額療養費制度が見直され、月々の医療費の自己負担の上限額が引き上げられます。医療費が高額になりがちな在宅の重症者にとって、そして、その人たちを支える訪問看護にとって、この見直しは無縁ではありません。医療保険で訪問看護を使う人ほど、上限に達しやすいからです。高額療養費の負担増が訪問看護に何をもたらすのかを分析し、今後起こりうることを想定し、いま訪問看護にできることを考えます。
訪問看護の経営は、報酬だけで成り立つわけではありません。国や自治体は、事業所を支える制度を数多く用意しています。適切な加算、返済不要の補助金、有利な融資。知っていれば活用でき、知らなければ、その分だけ取りこぼしてしまう。「得する」というより、「知らないと損をする」制度です。訪問看護の経営者・事業者が活用できる主な制度を、加算、賃上げ支援、設備投資、資金繰り、人材確保という切り口で、整理してお届けします。
訪問看護の現場で、意外に軽視されがちな力があります。利用者や家族に、必要なサービスを「提案する」力です。利用者の多くは、自分に何が必要かを正確には分かっておらず、遠慮して言わないことも少なくありません。その隠れたニーズを見立て、根拠とともに分かりやすく伝える。提案の巧拙が、利用者の暮らしと、事業所への信頼を左右します。現場マネージャーの視点から、提案の型とスタッフの育て方を、宮木が解説します。
同じ訪問看護ステーションでも、都心で運営するのと地方で運営するのとでは、経営のあり方がまるで違います。都心は利用者が集まりやすい半面、家賃も人件費も高く、競合がひしめく。地方は利用者が少なく移動も長い一方、固定費は軽く、競合も少ない。需要、コスト、競合、人材、そして地域加算などの制度の面から、都心と地方の訪問看護経営の違いを、比較して整理します。開業や経営戦略を考える方に向けた分析です。
「地方は看護師が足りない」。多くの人がそう思っています。けれど、データは少し違う姿を映します。人口あたりの看護師数が最も多いのは高知県、最も少ないのは埼玉県。その差は2.1倍で、人口比で多いのは、意外にも地方でした。この看護師の地域偏在は、訪問看護と、地域で暮らす人が受けられる在宅医療に、深く影響します。偏在の実像と、経営への影響を、宮木がデータから読み解きます。
訪問看護の現場では、医師の往診を待つあいだに、利用者の状態が悪化し、入院に至ることがあります。この「医師を待つ時間」を越える制度が、特定行為研修です。手順書に基づいて、看護師が一定の医療行為を、医師の個別の指示を待たずに行える。訪問看護の高度化の切り札になりうる仕組みです。制度の中身、訪問看護での意義、担い手不足の現実、そして経営者が向き合うべき選択を論じます。
訪問看護師の仕事は、処置をすることだけではありません。私がいつも大切にしているのは、「気づくこと」です。家に上がり、その人の暮らしを見て、前回との小さな違いに気づく。その気づきが、悪化を防ぎ、ときに入院を防ぎます。数字には表れにくい、けれど訪問看護の核心にある「観察」と「気づき」、そしてそれを支える多職種のチームについて、現場の視点でお伝えします。
2026年7月28日の熊本地震を受けて、厚生労働省などが一連の「災害時の特例」を通知しました。被災した事業所は、人員基準を満たせなくても報酬を減額されず、被災者は保険証がなくてもサービスを利用できます。要介護認定の弾力化や、概算による報酬請求も認められています。被災地の事業所への実務情報であると同時に、全国のどの事業所にとっても「災害時に制度がどう動くか」を知る意味のある内容を、整理してお届けします。
2026年7月28日、熊本県で最大震度7の地震が発生しました。避難所や病院に目が向きがちですが、自宅で療養する在宅療養者もまた、静かに命の危険にさらされます。停電で人工呼吸器が止まり、薬が途切れる。こうした事態から在宅療養者を守るのが、災害時の訪問看護の役割です。2016年の熊本の教訓、訪問看護師が果たすこと、そして平時の備えとBCPまで、HokanPress編集部が整理してお届けします。
訪問看護ベースアップ評価料が、段階的に引き上げられています。利用者1人あたり月1回の単価は、780円から2026年6月に最大1,830円へ、そして2027年6月には最大2,880円へ。年間で見れば数百万円規模の賃上げ原資になります。さらに、この8月には令和7年度分の実績報告も控えています。制度の中身、金額の推移、8月の対応、そして原資の設計まで、経営者・管理者がいま確認すべきことを、宮木が整理します。
2026年6月の診療報酬改定で、高齢者向け住まいに併設・隣接する訪問看護への評価が大きく変わりました。同一敷地内も「同一建物」とみなし、人数と日数に応じて単価は逓減。さらに包括型訪問看護療養費が新設され、評価は「訪問1回」から「1日の合計時間」へと軸を移しました。医心館やサンウェルズの不正請求問題を背景にした適正化の全容を、独立系メディアの立場から整理してお届けします。
2025年12月の医療法改正で、2030年末までに電子カルテの普及率をほぼ100%にすることが法律に明記されました。国は標準型電子カルテを2026年度中に完成させ、全国の医療情報を一つの基盤でつなごうとしています。これは病院・診療所の話であり、訪問看護ステーションは「医療機関」ではありません。しかし、訪問看護はこの流れの外にはいられない——最大の受益者にも、取り残される側にもなりうるのです。その理由と、経営者が備えるべきことを論じます。
「良い看護をしていれば、利用者は自然に集まる」。訪問看護の経営で、これほど危険な誤解はない。訪問看護の利用者は、自分で事業所を探して申し込むことはほとんどなく、ケアマネジャーや病院を経由して利用が始まる。つまり、営業=挨拶回りをしなければ、利用者は来ない。廃止理由の上位が「利用者が少ない」であるというデータを踏まえ、なぜ営業が不可欠なのか、誰に何を伝えるべきかを、経営の視点から論じる。
かつて訪問看護は「病院で経験を積んでから」が常識でした。けれど、担い手が足りない今、新卒から訪問看護師を育てる動きが広がっています。問題は、その育て方です。「数回同行したら、あとは独り立ち」では、新人は不安を抱え、早期離職にもつながります。見学から単独訪問まで、段階を踏んで育てるにはどうすればよいか。県のプログラムや専門誌の知見を手がかりに、現場の視点でお伝えします。
最低賃金が毎年大きく上がる中、「賃上げの原資が出ない」という声は、訪問看護の現場でも切実です。そんな事業所を支える制度が、業務改善助成金です。賃金を引き上げ、あわせて生産性向上の設備を導入すると、その費用の一部(最大600万円)が助成されます。令和8年度は9月1日申請開始で、コースの再編や一般車両の対象外化など大きな変更がありました。制度の中身と、申請で失敗しないための要点を、HokanPress編集部が整理してお届けします。
訪問看護ステーションの廃止は過去最高の水準にある。だが、事業を「畳む」以外の道もある。「渡す」——M&Aによる事業承継だ。後継者不在の解決、人材確保力のある大手への傘下入り、譲渡益の獲得。廃業とは異なる出口である。訪問看護を含む譲渡で2億6,000万円という事例も動く一方、買い手が最初に見るのは「その事業所が属人化していないか」だ。承継という選択肢を、経営の視点から整理する。
2026年7月23日の介護給付費分科会で、人口減少地域向けの新枠組み「特定地域サービス」の線引き案が示された。基準は75歳以上人口密度5人/㎢未満など、該当は356市町村・全体の20.5%。2027年4月施行だ。だが訪問看護の経営者が直視すべきは別のところにある。配置基準の弾力化も、月額定額の包括評価も、対象として念頭に置かれたサービスに訪問看護は入っていない。この構造を、数字で読む。
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