訪問看護ステーションの 売上が 伸びない 7つの 原因と 具体的な 対策|立て 直しの 実践プラン

Summary
訪問看護ステーションの売上が伸び悩んでいる経営者の方へ。売上停滞の7つの原因と、即実行可能な対策を整理しました。利用者獲得、訪問単価向上、加算取得、稼働率改善まで、立て直しの実践プランを具体的にお伝えします。
目次7項目
訪問看護ステーションでは、売上停滞の局面がたびたび起こります。「先月より利用者数が減った」「思ったように訪問件数が伸びない」「人件費率が上がってきている」——こうした不安を抱える経営者の方は、決して少なくないはずです。
訪問看護は需要拡大期にあると言われています。しかし、現実には2025年度だけで960カ所が廃止、328カ所が休止しています(全国訪問看護事業協会調査)。「需要があるから何とかなる」という発想は、最も危険な経営の落とし穴です。
本記事では、訪問看護ステーションの売上が伸びない7つの原因と、それぞれに対する具体的な対策を整理します。今まさに売上不振に悩む経営者の方が、明日から実行できる打ち手を持ち帰っていただける内容を目指します。
まず、自ステーションの「数字」を直視する
具体的な対策に入る前に、まず冷静に自ステーションの現状を把握する必要があります。
確認すべき5つの基本指標
売上不振の原因を特定するには、以下の5つの指標を直視することから始まります。
- 月間訪問件数(過去6か月の推移)
- 月間レセプト請求額(過去6か月の推移)
- 利用者数の純増減(月次)
- 看護師1人あたりの訪問件数
- 人件費率(売上に対する割合)
これらをエクセルでも紙でも構いませんので、過去6か月分を一覧にしてください。傾向が見えるようになります。
売上停滞の3つのパターン
数字を見ると、売上停滞には大きく3つのパターンがあることが分かります。
パターンA: 利用者数の減少型
- 月間利用者数が継続的に減少
- 訪問件数も連動して減少
- 連携先からの紹介が止まっている可能性
パターンB: 訪問件数の停滞型
- 利用者数は維持
- 訪問単価が低下している
- 加算取得や訪問頻度に問題がある可能性
パターンC: 稼働率の低下型
- 看護師1人あたりの訪問件数が減少
- 看護師は雇用しているが、訪問が回っていない
- スケジュール管理や業務効率に問題
自ステーションがどのパターンに該当するかで、打つべき対策が変わります。
売上が伸びない7つの原因
ここから、訪問看護ステーションの売上が伸びない典型的な7つの原因を整理します。
原因1: 連携先(ケアマネ・病院)との関係が弱い
最も多い原因が、連携先との関係構築の不足です。
訪問看護の利用者獲得経路は、おおむね以下の構成となります。
- ケアマネジャーからの紹介
- 連携病院・退院支援室からの紹介
- その他(地域包括支援センター、家族からの直接連絡等)
つまり、ケアマネジャーと連携病院との関係が、利用者獲得の生命線です。これが弱いと、新規利用者が安定的に入ってきません。
連携先との関係が弱い兆候:
- 月の新規紹介が3件以下
- 特定の連携先からの紹介に依存している
- 主要連携先に挨拶に行く頻度が3か月に1回以下
- 連携先の担当者の名前を覚えていない
- 連携先からの紹介を「待っている」状態
これらに心当たりがあれば、連携先関係の見直しが必要です。
原因2: 自ステーションの強み・差別化が不明確
地域に複数の訪問看護ステーションが存在する中で、自ステーションの強みが明確でないと、ケアマネジャーが紹介する理由がありません。
ありがちな問題:
- どのステーションも「丁寧な対応」「24時間対応」を謳っている
- 自ステーションだけの特色がない
- 連携先に「なぜあなたのステーションを選ぶべきか」を説明できない
- 特定の専門領域への強みが不明確
差別化要素の例:
「何の専門ステーションか」が一言で伝えられるかが、差別化の鍵となります。
原因3: 加算取得が漏れている
訪問看護の収益は、基本療養費に加えて各種加算で構成されます。加算の取りこぼしは、規模によっては大きな収益機会の損失につながります。
よくある加算の取りこぼし:
- 24時間対応体制加算
- 特別管理加算
- 緊急訪問看護加算
- 看護体制強化加算
- 退院時共同指導加算
- 訪問看護医療情報連携加算(2026年新設)
- 訪問看護物価対応料(2026年新設)
これらが「取れるはずなのに取れていない」状態だと、訪問件数を増やさなくても売上は伸びます。
加算取得状況の確認方法:
- 月次レセプトの加算項目チェック
- 算定要件と自ステーションの体制の照合
- 厚生労働省告示の最新確認
- レセプトソフトの加算自動算定設定の点検
原因4: 訪問記録の質が低く、算定単価が下がる
訪問記録の質が低いと、本来取れる加算が取れない、または実地指導で返還指導の対象となるリスクがあります。
訪問記録の質が低い兆候:
- 訪問時間が記録されていない
- 看護内容が「バイタル測定」など簡素すぎる
- 観察事項が客観的でない
- 加算算定の根拠が記録に書かれていない
- 経時的な変化が追えない記録
訪問記録は、看護の質を証明する文書であると同時に、算定の根拠でもあります。記録の質を上げることは、売上の質を上げることにもつながります。
原因5: 看護師の稼働率が低い
看護師は雇用しているのに、訪問件数が伸びない場合、稼働率に問題があります。
稼働率低下の主な要因:
- スケジュール管理の非効率
- 移動時間の最適化不足
- 記録業務に時間を取られすぎている
- 同行訪問期間が長すぎる
- ICT活用が不十分
令和7年度介護事業経営概況調査では、訪問看護の看護職員(常勤換算)1人あたりの訪問回数は月77.9回です。自ステーションの数字がこれを大きく下回る場合、稼働率改善の余地があります。
原因6: 利用者の終了が新規を上回っている
利用者は、いずれ訪問看護を終了します。終了の理由は、逝去、退院、施設入所、転居など様々です。
新規利用者の獲得が、終了利用者を下回ると、利用者数は減少します。
終了利用者の月平均例(編集部の目安):
- 利用者30名のステーション: 月2〜3名終了
- 利用者60名のステーション: 月4〜6名終了
- 利用者100名のステーション: 月6〜10名終了
これを上回る新規獲得ができていないと、利用者数は継続的に減少します。
原因7: 経営者自身が現場業務に追われすぎている
意外に多い原因が、経営者自身が現場業務に時間を取られすぎていることです。
経営者の現場業務過多の兆候:
- 経営者自身の訪問件数が週20件以上
- 月次経営会議が開催できていない
- 連携先への営業活動ができていない
- 財務状況の確認が月次でできていない
- スタッフとの1on1が取れていない
経営者が現場業務に追われると、利用者獲得・スタッフ管理・財務管理という経営の本質的業務が手薄になり、結果として売上が伸びない構造に陥ります。
各原因への具体的な対策
ここから、7つの原因それぞれに対する具体的な対策を整理します。
対策1: 連携先関係の再構築
連携先関係の再構築は、最も即効性のある対策です。
実行ステップ:
第一ステップ: 連携先リストの作成
自ステーションの主な紹介元を一覧化します。
- 居宅介護支援事業所(ケアマネジャー所属)
- 連携病院の退院支援室
- 地域包括支援センター
- クリニック(医師)
- 訪問介護事業所
- 福祉用具貸与事業所
最低でも30か所はリストアップします。
第二ステップ: 月次訪問計画の策定
リスト化した連携先に、月1回程度の挨拶訪問を計画します。30か所であれば、1日2か所訪問すれば月15日で全件回れます。
訪問時に持参するもの:
- ステーションの最新情報資料
- 専門領域・実績の紹介資料
- 季節の手土産(高価でなくて良い)
- 担当者の名刺
第三ステップ: 訪問記録の継続管理
連携先別の訪問記録、紹介実績を継続的に管理します。
- 訪問日時
- 担当者の状況・関心事項
- 紹介実績の推移
- 次回フォローのタイミング
これを継続することで、関係の濃淡が見え、優先的に強化すべき連携先が明確になります。
第四ステップ: 自ステーションの強みの一貫した発信
訪問のたびに、自ステーションの強みを一貫して伝えます。
「うちは認知症ケアに特に力を入れています」 「精神科訪問看護の経験が豊富なスタッフがいます」 「看取り実績が地域で最も多いです」
連携先のケアマネが、「あの利用者にはあのステーションだ」と即座に思い出せる印象を、繰り返し作ることが重要です。
対策2: 差別化要素の明確化と発信
連携先関係の再構築と並行して、自ステーションの差別化要素を明確にします。
明確化のステップ:
ステップ1: 強みの棚卸し
ステーションの内部資源を棚卸します。
- 看護師の専門資格(認定看護師、専門看護師等)
- 看護師の経験領域(緩和ケア、精神科等)
- 24時間対応体制の充実度
- 機能強化型の取得状況
- 連携病院との関係性
- ICT活用の水準
- 看取り実績
- 多職種連携の実績
ステップ2: 競合分析
地域の他のステーションの強み・弱みを把握します。
- 直接の競合となるステーション5〜10か所
- それぞれの専門領域
- 規模(看護師数)
- 機能強化型取得状況
- 評判・口コミ
ステップ3: 差別化ポジションの決定
自ステーションのユニークなポジションを決定します。
例:
- 「地域で最も精神科訪問看護に特化したステーション」
- 「小児訪問看護で24時間対応可能な唯一のステーション」
- 「認定看護師3名を擁する緩和ケア専門ステーション」
- 「ICT活用で記録の質が高いステーション」
ステップ4: 差別化を伝える資料の作成
連携先に配布する資料を、差別化要素が伝わるものに更新します。
- パンフレット
- 自己紹介資料
- 実績データ
- スタッフ紹介
- ウェブサイト
これらを一貫したメッセージで作り込むことが、ブランド構築につながります。
対策3: 加算取得の徹底見直し
加算取得は、訪問件数を増やさなくても売上を上げられる即効性のある対策です。
見直しのステップ:
ステップ1: 算定可能加算のリストアップ
訪問看護で算定可能な全加算をリストアップし、自ステーションの算定状況と照合します。
主な加算:
- 24時間対応体制加算
- 特別管理加算(I・II)
- 緊急訪問看護加算
- 長時間訪問看護加算
- 複数名訪問看護加算
- 退院時共同指導加算
- 看護体制強化加算(I・II)
- 専門管理加算
- 訪問看護情報提供療養費(I・II・III)
- 機能強化型訪問看護管理療養費
- 訪問看護医療情報連携加算(2026年新設)
- 訪問看護物価対応料(2026年新設)
ステップ2: 取りこぼしの特定
「取れるはずなのに取れていない」加算を特定します。
- 算定要件は満たすが、届出していない
- 届出はしているが、算定機会があったのに算定していない
- 算定要件の確認が漏れている
ステップ3: 即時是正
取りこぼしている加算について、即時是正の手順を踏みます。
- 必要な届出の提出
- レセプトソフトの自動算定設定
- 算定漏れチェックの月次フロー化
- スタッフへの算定要件の周知
加算取得の最適化だけで、大きな売上向上が見込めるケースは少なくありません。
対策4: 訪問記録の質的向上
訪問記録の質的向上は、加算取得と算定根拠の両面で重要です。
向上のステップ:
ステップ1: 記録の標準化
訪問記録の標準フォーマットを作成し、全スタッフが同じ品質で記録できる仕組みを作ります。
標準フォーマットの要素:
- 訪問開始・終了時刻
- バイタルサイン
- 観察事項(客観的事実)
- 実施した看護内容
- 利用者・ご家族の反応
- 次回までの計画
- 主治医・ケアマネへの報告事項
ステップ2: 記録研修の実施
スタッフ全員に対して、記録研修を実施します。
研修内容:
- 客観的事実と主観的解釈の区別
- 算定根拠としての記録
- 法的文書としての記録
- 個人情報保護の観点
- 連続性のある記録の書き方
ステップ3: 記録の月次サンプリングチェック
経営者・管理者が、月10件程度のランダムサンプリングで記録の質をチェックします。
チェック項目:
- 標準フォーマットへの準拠
- 算定要件の充足
- 客観性
- 経時的整合性
- 個人情報保護
問題があれば、個別指導につなげます。
対策5: 稼働率の改善
看護師の稼働率改善は、人件費を増やさずに訪問件数を増やす対策です。
改善のステップ:
ステップ1: 業務時間の可視化
看護師の1日の業務時間を、活動別に可視化します。
可視化項目:
- 訪問時間
- 移動時間
- 記録時間
- ステーション内業務時間
- 会議・カンファレンス時間
ステップ2: 移動時間の最適化
訪問順序の最適化、エリア別の担当割り当てなどで、移動時間を短縮します。
- 地理的に近い利用者をまとめて訪問
- 訪問順序の見直し
- 担当エリアの再編成
- ルートマップソフトの活用
ステップ3: 記録業務の効率化
訪問記録に時間を取られすぎている場合、ICT活用で効率化します。
- タブレットでの訪問先入力
- 音声入力の活用
- テンプレート機能の活用
- AI支援の活用
ステップ4: スケジュール管理の徹底
スケジュール管理ソフトを活用して、訪問の空き時間を最小化します。
- 月単位のスケジュール作成
- 週単位の調整
- 日単位の微調整
- リアルタイムでの変更対応
これらを徹底することで、看護師1人あたりの訪問件数を1〜2件増やすことが可能になります。
対策6: 新規獲得の継続的な取り組み
利用者の終了は避けられないため、新規獲得を継続的に行う仕組みが必要です。
獲得の仕組み:
仕組み1: 月次新規獲得目標の設定
毎月の新規獲得目標を、明確な数字で設定します。
例:
- 利用者30名のステーション: 月3〜5名の新規目標
- 利用者60名のステーション: 月6〜10名の新規目標
- 利用者100名のステーション: 月10〜15名の新規目標
目標達成状況を月次で確認し、未達の場合は原因分析と対策を行います。
仕組み2: 紹介ルート別の管理
新規利用者がどの連携先から紹介されたかを記録し、ルート別に管理します。
ルート別の傾向を把握することで、強化すべき連携先、改善すべき関係性が見えます。
仕組み3: 新規利用者の獲得時対応
新規利用者の獲得時には、丁寧な初回訪問が重要です。
初回訪問のポイント:
- 利用者・ご家族の不安への配慮
- 自ステーションの強みの自然な伝達
- 紹介してくれたケアマネ・主治医への感謝の表明
- 継続的な情報共有の体制構築
初回訪問の質が、利用者・ご家族の信頼獲得、ケアマネからの継続的な紹介につながります。
対策7: 経営者業務の再配分
経営者が現場業務に追われている場合、業務の再配分が必要です。
再配分のステップ:
ステップ1: 経営者業務の優先順位化
経営者として本来取り組むべき業務を優先順位化します。
最優先業務:
- 利用者獲得の営業活動
- 連携先関係の維持・強化
- スタッフ採用・面談
- 財務管理・経営会議
- 業界動向の把握
ステップ2: 現場業務の引き継ぎ
経営者が担っている現場業務を、他のスタッフに段階的に引き継ぎます。
- 副管理者の育成
- 主任クラスへの権限委譲
- 業務の標準化と委任
- 緊急時対応の体制構築
ステップ3: 経営者の訪問件数の制限
経営者自身の訪問件数を、週10件以下に制限する計画を立てます。
経営者の業務時間配分の目安:
- 訪問業務: 20%以下
- 営業・連携活動: 30%
- スタッフ管理: 20%
- 経営管理: 20%
- 業界動向把握・自己研鑽: 10%
この比率を維持できる体制構築が、経営の質を高めます。
30日で立て直す実行プラン
ここから、売上不振から30日で立て直しを始める実行プランを整理します。
1週目: 現状把握と原因特定
Day 1〜3:
- 過去6か月の数字を一覧化
- 5つの基本指標の推移確認
- 売上停滞のパターン特定
Day 4〜5:
- 連携先リストの作成
- 加算取得状況の点検
- 訪問記録のサンプリングチェック
Day 6〜7:
- 原因特定とプライオリティ付け
- 30日プランの策定
- スタッフへの方針説明
2週目: 即効性のある対策の実行
Day 8〜10:
- 加算取得の漏れを即時是正
- レセプトソフトの設定見直し
- 算定要件の確認・体制届の修正
Day 11〜12:
- 主要連携先5か所への挨拶訪問
- 自ステーションの強み資料の作成
- スタッフへの周知
Day 13〜14:
- 訪問記録の標準フォーマット導入
- 記録研修の実施
- 初週の振り返り
3週目: 連携先強化の本格実施
Day 15〜18:
- 主要連携先10か所の追加訪問
- 新規連携先候補のリストアップ
- 紹介ルート別の管理開始
Day 19〜21:
- スケジュール管理の最適化
- 訪問順序の見直し
- 看護師稼働率の確認
4週目: 仕組み化と継続化
Day 22〜25:
- 月次経営会議の開催
- 数字の確認と次月の目標設定
- 1on1ミーティングの実施
Day 26〜28:
- 新規獲得目標の月次設定
- 加算取得チェックの月次フロー化
- 連携先訪問の月次計画化
Day 29〜30:
- 30日の成果確認
- 次の30日の計画策定
- スタッフへのフィードバック
この30日プランを実行することで、売上停滞からの立て直しが始まります。
それでも改善しない場合の選択肢
30日プランを実行しても改善しない場合、より大きな経営判断が必要かもしれません。
選択肢1: 機能強化型への昇格
通常型から機能強化型訪問看護管理療養費の取得を目指します。
- 機能強化型3(常勤の看護職員4人以上)
- 機能強化型2(常勤の看護職員5人以上)
- 機能強化型1(常勤の看護職員7人以上)
- 機能強化型4(2026年新設。常勤の看護職員4人以上に加え、重点的な支援を要する精神科訪問看護の利用者と別表第7・第8の利用者の受け入れ)
いずれも人数のほか、看護職員の割合(6割以上)、24時間対応体制加算の届出、利用者の受け入れ実績などの要件があります。
機能強化型の取得で、月額の管理療養費が大幅に増額されます。
選択肢2: ニッチ特化への転換
総合的な訪問看護から、特定領域への特化を目指します。
- 精神科訪問看護への特化
- 小児訪問看護への特化
- 看取り・緩和ケアへの特化
- 認知症ケアへの特化
特化することで、競合との差別化と、専門領域での評価獲得が可能になります。
選択肢3: M&A・事業承継
単独運営の限界を感じた場合、M&Aや事業承継の選択肢があります。
- 大規模法人グループへの参画
- 地域内ステーションの統合
- 事業譲渡
これは「失敗」ではなく、経営の継続性を確保する正当な経営判断です。
選択肢4: 業務委託・提携
経営の一部を外部委託する選択肢もあります。
- レセプト業務の委託
- 経営コンサルタントの活用
- 顧問税理士・社労士の充実
- 業務提携先の確保
これらの活用で、経営者の負担軽減と経営の質向上を両立できる場合があります。
経営者として持つべき視点
最後に、売上不振の局面で経営者として持つべき視点を整理します。
視点1: 焦らず、数字で判断する
売上不振の局面では、焦りから感情的な判断をしがちです。しかし、感情的判断は失敗を呼びます。
数字を直視し、原因を冷静に分析し、対策を着実に実行する。この地道なプロセスが、立て直しの本質です。
視点2: スタッフを巻き込む
経営者一人で抱え込まず、スタッフを巻き込みます。
- 現状の数字の共有
- 課題認識の共有
- 対策の議論
- 役割分担
スタッフが「自分事」として経営に関わることで、組織全体の力が発揮されます。
視点3: 早期判断が選択肢を広げる
経営の悪化が深刻化してからの対応は、選択肢が限られます。早期に判断を下すことで、より多くの選択肢を持てます。
「もう少し様子を見よう」という先送りが、最大のリスクです。
視点4: 外部の力を借りる
経営者一人で解決できない課題は、外部の力を借ります。
- 顧問税理士・社労士
- 経営コンサルタント
- 業界団体
- 同業経営者
- 専門メディア
「相談する勇気」が、経営者の強さです。
視点5: 撤退も含めて検討する
それでも改善が見込めない場合、撤退も含めた経営判断が必要です。
撤退は失敗ではなく、利用者・スタッフへの責任を果たすための選択肢でもあります。早期の判断が、円滑な撤退と次への移行を可能にします。
まとめ
訪問看護ステーションの売上不振は、決して特別なことではありません。訪問看護ステーションでは、売上停滞の局面はたびたび起こります。
大切なのは、原因を特定し、具体的な対策を実行することです。連携先関係の再構築、差別化要素の明確化、加算取得の最適化、訪問記録の質的向上、稼働率の改善、新規獲得の継続、経営者業務の再配分——これらすべてが、立て直しの実践プランとなります。
30日プランを着実に実行することで、立て直しは始まります。それでも改善しない場合は、機能強化型への昇格、ニッチ特化、M&A、業務委託など、より大きな経営判断を検討する時期かもしれません。
経営者として、焦らず、数字で判断し、スタッフを巻き込み、外部の力を借りながら、自ステーションの未来を切り開いていく。地道な取り組みの積み重ねが、結果として安定した経営につながります。
訪問看護は、地域社会にとって不可欠な存在です。あなたのステーションが、これからも質の高い看護を提供し続けられますように。経営者として、心からエールを送ります。
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執筆者
訪問看護ステーション経営者・救急看護認定看護師
大学病院 救命救急センター 5年 / 手術室 2年 / 大手訪問看護ステーション 5年 / 訪問看護ステーション設立・代表
小学生の頃から訪問看護師を志し、大学病院の救命救急センター・手術室で急性期医療の現場経験を積む。救急看護認定看護師の資格を取得後、大手訪問看護ステーションでの勤務を経て独立。現場と経営の両視点から、医療従事者に実践的な情報を届けます。
保有資格: 看護師免許 / 救急看護認定看護師 / BLSプロバイダー / ICLSプロバイダー
※本記事は公的統計データをもとに看護師資格保有者が執筆しています


