【5月15日〆切】訪問看護に介護職員等処遇改善加算が初新設|加算率1.8%、経営者が今すぐやるべき4つの実務

Summary
2026年6月、訪問看護に「介護職員等処遇改善加算」が初めて新設される。加算率1.8%、対象は看護師・事務職を含む全スタッフ。算定するには5月15日までの体制届提出が必須となる。経営者として今すぐ着手すべき4つの実務と、賃金改善計画策定のポイントを整理する。
2026年(令和8年)6月サービス提供分から、訪問看護ステーションが「介護職員等処遇改善加算」を算定できるようになる。これまで訪問看護は同加算の対象外とされてきたが、2026年度の臨時介護報酬改定により、訪問リハビリテーション・居宅介護支援とともに新たに対象事業所として組み込まれることが決定した。
加算率は1.8%。一見すると控えめな数字に見えるかもしれないが、訪問看護ステーション経営にとっては看過できない転換点である。なぜなら、これまで処遇改善の枠外に置かれていた「看護師の賃金引き上げ財源」が、初めて公定価格として認められたからだ。
しかも算定するには、5月15日までの体制届提出が原則として必須となる。本日の時点で既に2週間余りしか猶予がない。経営者として今すぐ取るべき実務を整理した。
介護職員等処遇改善加算とは
まず制度の概要を整理する。
制度の位置づけ
介護職員等処遇改善加算は、介護現場で働く職員の賃金改善を目的として、介護報酬上に設けられている加算である。これまで主に介護施設・訪問介護事業所等の介護職員を対象としてきたが、2024年度の介護報酬改定で「介護職員『等』」と名称が変更され、対象職種の段階的拡大が始まっていた。
2026年6月施行の臨時改定では、訪問看護がこの加算の対象事業所として正式に追加される。これは訪問看護にとって歴史的な変更となる。
訪問看護に適用される加算率
訪問看護に設定された加算率は1.8%である。これは介護給付費分科会の答申に明記されている数字で、基本報酬に各種加算を加えた総単位数に乗じて算定する形となる。
参考までに、他の事業類型の加算率と比較すると以下の通りだ。
訪問介護: 最大28.7%(加算I「ロ」) 訪問リハビリテーション: 1.5% 居宅介護支援・介護予防支援: 2.1% 訪問看護: 1.8%
訪問介護との大きな差は、これまでの処遇改善積み上げの違いである。訪問看護は「初めての処遇改善加算」となるため、まずは1.8%という水準で開始される構造だ。
対象職員の範囲
ここが訪問看護にとって特に重要なポイントである。
加算対象となる職員は、介護職員に限定されない。看護師、保健師、助産師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、事務職員、管理者など、ステーションで働く全スタッフが対象となる。
特に看護師の賃金が公定価格の処遇改善として認められたのは、訪問看護の歴史において初めてのことだ。
算定額のシミュレーション
加算率1.8%という数字が、実際の収益にどの程度影響するか試算する。
ケースA: 利用者30名の中規模ステーション
月間レセプト請求総額: 約1,200万円 加算額: 1,200万円 × 1.8% = 約21.6万円/月 年間加算額: 約260万円/年
ケースB: 利用者60名の大規模ステーション
月間レセプト請求総額: 約2,400万円 加算額: 2,400万円 × 1.8% = 約43.2万円/月 年間加算額: 約520万円/年


