HokanPress

訪問看護専門メディア

ログイン無料登録
TOP看護訪問看護医療制度医療一般編集部
キャリア診断給与診断求人
ニュースレター

最新情報をお届けします

医療・看護の最新ニュースをお届け。登録は無料です。

登録すると確認メールが届きます。いつでも配信解除できます。

HokanPress

訪問看護師・経営者のための専門情報メディア。経営・現場・制度の実践情報を発信します。

カテゴリ

  • 看護
  • 訪問看護
  • 医療制度
  • 医療一般
  • 編集部
  • キャリア診断
  • 給与診断

サイト情報

  • サイトについて
  • お問い合わせ
  • 広告掲載

法的情報

  • 利用規約
  • プライバシーポリシー

© 2026 HokanPress. All rights reserved.

TwitterFacebookRSS
  1. ホーム
  2. /医療制度
  3. /訪問看護の過剰提供規制、2026年から何が変わるか
医療制度

訪問看護の過剰提供規制、2026年から何が変わるか

2026年4月24日(更新: 2026年4月24日)·約4分で読めます
訪問看護の過剰提供規制、2026年から何が変わるか

Summary

2026年6月施行の診療報酬改定で、訪問看護に対する過剰提供規制が大幅に強化される。早朝・深夜の意図的な訪問、頻回訪問による高額請求、精神科特化型ステーションの運用など、問題視されてきた事例と新たな規制内容を、現場経営者として解説する。

訪問看護の給付費は、2012年度の約6,500億円から2023年度には約2兆5,000億円へと、約10年で4倍近くに膨張した。高齢化と在宅医療推進という背景がある一方、一部事業所による不適切な運用が問題視されてきた。2026年6月施行の診療報酬改定では、訪問看護の過剰提供に対する規制が大幅に強化される。現場で起きていた実態と、新たな規制内容を整理したい。

問題視されてきた4つの運用

厚生労働省の社会保障審議会では、訪問看護の不適切運用として以下の事例が繰り返し指摘されてきた。

1. 早朝・深夜帯の意図的な訪問

訪問看護では、早朝(6時〜8時)や深夜(22時〜6時)の訪問に加算が付く。日中の訪問でも十分な利用者に対して、わざわざ早朝に訪問して加算を算定する事例が確認されていた。利用者の必要性よりも事業所の収益を優先した運用である。

2. 短時間訪問の頻回実施

1回の訪問時間を20分未満に抑え、1日に何度も訪問することで訪問回数を水増しする事例。特に有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅では、同じ建物内の複数利用者に対して連続的な短時間訪問が行われ、1日あたりの請求額が突出するケースがあった。

3. 精神科訪問看護の長期化・高頻度化

精神疾患を持つ利用者への訪問看護は、1日に複数回、週に3回以上の訪問も可能となっている。しかし、医学的必要性に乏しいにもかかわらず長期間にわたって高頻度の訪問を継続し、高額な請求を続ける事業所が問題視されてきた。2024年には大手訪問看護ステーションチェーンで総額数十億円規模の不正請求が発覚している。

4. 医師の指示書に基づかない訪問

訪問看護指示書の内容を超えた訪問や、形骸化した指示書に基づく訪問の継続。医師と事業所の連携不足が背景にある。

2026年改定の具体的な規制内容

包括型訪問看護療養費の新設

最大の変更は、有料老人ホームやホスピス型施設に併設・隣接するステーションを対象とした「包括型訪問看護療養費」の導入だ。1回ごとの算定ではなく、1日単位の包括評価となる。単なる短時間訪問の繰り返しでは収益が上がらない仕組みに変更される。

精神科訪問看護の算定要件厳格化

精神科訪問看護基本療養費について、複数回訪問の要件が厳格化される。医学的必要性を客観的に示す記録が求められ、単に「利用者の希望」や「家族の安心」では複数回算定ができなくなる。

届出義務の強化

訪問回数が一定基準を超える事業所に対して、地方厚生局への詳細な届出が義務付けられる。自治体による実地指導の対象となりやすくなる。

早朝・深夜加算の見直し

早朝・深夜の訪問について、医師の具体的な指示と利用者の状態変化が記録されていることが算定要件となる。「早朝のルーチン訪問」が事実上不可能になる方向だ。

現場への影響

適正に運用してきたステーションへの影響は限定的である。むしろ、記録の徹底や指示書との整合性確認といった日常業務を丁寧に行ってきた事業所ほど、改定後も安定して運営できる。

一方、不適切な運用で収益を上げてきた事業所は、2026年6月以降に経営が立ち行かなくなる可能性が高い。現時点で運用を見直し、適正な訪問計画と記録体制に移行することが求められている。

関連記事

【施行3日目】2026年6月診療報酬改定後、訪問看護経営者が今週中に確認すべき算定漏れチェックリストのサムネイル画像
医療制度

【施行3日目】2026年6月診療報酬改定後、訪問看護経営者が今週中に確認すべき算定漏れチェックリスト

2026年6月3日
【2026年6月施行】特別地域訪問看護加算が拡充|過疎地・離島の訪問看護に新たな評価軸、対象事業所が広がる可能性のサムネイル画像
医療制度

【2026年6月施行】特別地域訪問看護加算が拡充|過疎地・離島の訪問看護に新たな評価軸、対象事業所が広がる可能性

2026年6月2日
複数名訪問看護加算・難病等複数回訪問加算が大幅見直し|2026年6月から「同一建物・人数別評価」で算定はこう変わるのサムネイル画像
医療制度

複数名訪問看護加算・難病等複数回訪問加算が大幅見直し|2026年6月から「同一建物・人数別評価」で算定はこう変わる

コメント

読み込み中...

コメントを投稿

利用者への配慮

規制強化によって本当に必要な訪問が減ることがあってはならない。医療依存度の高い利用者、終末期の方、精神疾患により頻回の関わりが必要な方への訪問は、これまで通り確保されるべきだ。

事業所としては、利用者ごとの訪問計画を医学的根拠に基づいて見直し、必要な方には必要な頻度の訪問を継続する。不要な訪問を削る。この当たり前の運営を、改定を機に再確認する必要がある。

まとめ

2026年改定は、訪問看護業界の膿を出す改定といえる。適正な事業所にとっては追い風であり、不適正な事業所にとっては退出を促す圧力となる。制度の持続可能性と利用者の利益を両立させるために、避けて通れない改革である。現場で働く看護師一人ひとりが、自分の事業所の運用を客観的に見直す機会にしたい。

#診療報酬改定#2026年#訪問看護#過剰提供#規制強化#不正請求
Share
印刷

執筆者

宮木

訪問看護ステーション経営者・救急看護認定看護師

大学病院 救命救急センター 5年 / 手術室 2年 / 大手訪問看護ステーション 5年 / 訪問看護ステーション設立・代表

小学生の頃から訪問看護師を志し、大学病院の救命救急センター・手術室で急性期医療の現場経験を積む。救急看護認定看護師の資格を取得後、大手訪問看護ステーションでの勤務を経て独立。現場と経営の両視点から、医療従事者に実践的な情報を届けます。

保有資格: 看護師免許 / 救急看護認定看護師 / BLSプロバイダー / ICLSプロバイダー

※本記事は公的統計データをもとに看護師資格保有者が執筆しています

2026年5月31日