【2026年4月】訪問看護ニュースまとめ|改定届出開始・厚労省通知3つ・業 界動向

Summary
HokanPress編集部による月次ニュースまとめ第1弾。2026年4月、訪問看護業界では令和8年度診療報酬改定の届出受付開始、厚生労働省からの重要通知3件、業界団体の動きなど、注目すべき出来事が相次ぎました。経営者・現場看護師・関係者が押さえておきたい今月のニュースを一挙にお届けします。
目次13項目
2026年4月、訪問看護業界はかつてない準備期と動向の月となりました。6月1日施行の令和8年度診療報酬改定に向けて、各厚生局による届出受付が始まり、現場では新規届出・要再届出への対応に追われた1か月でした。
HokanPress編集部では、2026年4月に発生した訪問看護関連の動きを月次でまとめてお届けします。経営者の方、管理者の方、現場の看護師の方それぞれが押さえておくべきニュースを、業界団体・厚生労働省・各厚生局の発表をもとに整理しました。
1. 令和8年度診療報酬改定、各厚生局で届出受付開始
2026年4月、各地方厚生局で令和8年度診療報酬改定に伴う訪問看護ステーションの新規届出・要再届出が本格的に始まりました。
九州厚生局は4月27日に最新の届出案内を更新し、新設された訪問看護療養費および基準が改正された訪問看護療養費について、6月1日以降の算定にあたり新規届出または届出の出し直しが必要であることを改めて周知しています。
主な要再届出項目
各厚生局の発表をもとに整理すると、特に対応が必要なのは以下の項目です。
- 訪問看護ベースアップ評価料(I)(II)
- 機能強化型訪問看護管理療養費(1〜4型)
- 包括型訪問看護療養費(新設)
- 訪問看護遠隔診療補助料(新設、D to P with N)
- 24時間対応体制加算
- 訪問看護医療DX情報活用加算
スケジュール感
各事業所が押さえておくべきポイントは以下の通りです。
- 4月: 届出様式の確認、書類準備
- 5月15日まで: 6月1日算定開始のためのギリギリのライン(5月31日受付分まで間に合う厚生局もあり)
- 5月31日: 6月1日施行までの最終ライン
- 6月1日: 改定施行、新点数での算定開始
各厚生局は4月時点で施設基準届出チェックリストを公開しており、ステーション側はこれをもとに自身の届出状況を点検することが推奨されています。
2. 訪問看護ベースアップ評価料の届出が拡張
5月の対応で混乱が予想される項目の代表が、訪問看護ベースアップ評価料です。
ケアネットの報道によれば、ベースアップ評価料の対象が4月20日付で拡大され、5月中の再届出が必須となりました。
評価料の主な変更点
- 訪問看護ベースアップ評価料(I): 1,050円(引き上げ)
- 訪問看護ベースアップ評価料(II): 18区分から36区分へ拡大、算定額30円〜1,080円(最大1,580円)
- 2027年6月以降、段階的引き上げが予定
各ステーションでは、賃上げ実績の記録、賃金引上げ計画の策定、評価料(II)申請のための詳細書類準備が必要となります。事務作業の負担は決して小さくないため、5月の早い段階で着手することが望まれます。
3. 訪問看護遠隔診療補助料(D to P with N)、本格稼働へ
2026年改定の最大の目玉とされる訪問看護遠隔診療補助料(D to P with N)について、4月中に詳細な運用ガイドラインが各種媒体で解説されました。
制度の概要
- 算定額: 1日あたり2,650円(265点)
- 算定主体: 訪問看護ステーション
- 算定要件: 医師がオンライン診療を行う際に、訪問看護師が利用者宅で診療補助を実施した場合
- 在宅患者訪問看護・指導料との併算定が可能
4月の主な動き
4月には、複数の医療機関と訪問看護ステーションが連携協定を結び、6月施行に向けたパイロット運用を開始しました。在宅医療を行う診療所、地域の総合病院の在宅医療部門が、ステーションとの連携窓口を設置する動きが各地で報告されています。
各ステーションでは以下の準備が進められています。
- ICT環境の整備(タブレット、安定通信)
- 連携先医療機関の選定
- 利用者・家族への説明と同意取得
- スタッフ研修の実施
4. 在宅難治性皮膚疾患、別表第8に追加
地味ながら重要な変更として、訪問看護における「特別な管理を要する状態等」を規定する別表第8に、新たに「在宅難治性皮膚疾患処置指導管理を受けている状態にある者」が追加されました。
影響
- 該当患者は週4回以上の訪問看護が可能となる
- 訪問看護基本療養費等の週4日以上の算定対象に追加
- 慢性皮膚疾患を抱える在宅患者へのケア充実化
訪問看護ステーションのびしろ太田の解説によれば、これにより褥瘡管理を超えた「皮膚疾患全般」への訪問看護関与が広がる構造となっており、皮膚・排泄ケア認定看護師の活躍領域が拡大する見込みです。
5. 特別地域訪問看護加算、要件拡張
過疎地域での訪問看護を支える特別地域訪問看護加算について、要件が見直されました。
旧来の要件
- ステーションから利用者宅までの「移動時間」のみが評価対象
改定後の要件
- 「移動時間」と「訪問看護の提供時間」の合計が極めて長い場合も評価対象に
- 移動時間が30分以上
- 往復時間と訪問実施時間の合計が2時間30分以上
- 該当する場合、所定額の100分の50を加算
過疎地・離島での訪問看護を続ける小規模ステーションには大きな朗報となりました。地域医療を支えるステーションの収益基盤が一定程度強化される形です。
6. 全国訪問看護事業協会、改定まとめページを4月22日に更新
業界団体である一般社団法人全国訪問看護事業協会は、4月22日付で「令和8年度診療報酬改定まとめ」のページを更新しました。
ページの主な内容
- 厚生労働省の改定資料へのリンク集
- 改定の概要と解説動画
- 訪問看護ステーション向けの個別改定項目資料(2.8MB相当の詳細資料)
- 賃上げ・物価対応の解説資料
- 動画解説(YouTube)
各事業所の管理者・経営者は、このページを定期的に確認し、最新情報をキャッチアップすることが推奨されます。特に解説動画は、改定内容を視覚的に理解できるため、スタッフ研修にも活用できます。
7. 介護保険最新情報、続々と発信
訪問看護は医療保険・介護保険の両面で運営されているため、介護保険関連の通知も重要です。4月中、社会保険診療報酬支払基金および日本訪問看護財団経由で複数の介護保険最新情報が発信されました。
主な情報発信
- 介護サービス事業者経営情報データベースシステムの運用一時停止に関する通知
- 介護人材確保・職場環境等改善事業に関するQ&A(第2版)の送付
- 福祉施設や在宅の要配慮者に対する資格確認書の交付に関する周知
- 物価高騰の影響を受けた医療施設等に対する優遇融資の拡充
これらは経営判断に直結する情報を含むため、管理者・経営者層は見落としなくチェックすることが重要です。
8. 業界の動き: 採用市場の動向
4月は新年度の開始月であり、訪問看護師の採用市場も活発な動きを見せました。
主な傾向
- 機能強化型訪問看護ステーションの積極採用
- 認定看護師資格保持者への高待遇求人
- D to P with N対応スタッフの中途採用増加
- 看護師資格に加えてICTスキルを評価する求人の増加
特に注目すべきは、ICTスキルを採用基準に明記する求人が増えていることです。タブレット操作、ビデオ通話、電子カルテ操作のスキルが、これまで以上に重視される傾向が見えます。
9. メディアの動向: 訪問看護の取り上げ拡大
4月中、複数のメディアが訪問看護を特集として取り上げました。
注目された記事・番組
- ケアネット「訪問看護に激震?28億円不正請求問題で厚生労働省が全国一斉調査開始」シリーズの継続報道
- 各地方紙での新規ステーション開設の報道
- ビジネス系メディアでの訪問看護経営特集
- 専門誌での2026年改定対応特集
訪問看護に関する社会的関心の高まりが、4月の大きな特徴の一つでした。
10. 看護師業界全体の動き
訪問看護に直接関わるニュースではありませんが、看護師業界全体の動きとして以下が注目されました。
日本看護協会の発表
- 2026年2月開催の日本看護サミット2025の総括
- 看護職員のベースアップ実績調査の中間報告
- 訪問看護師の処遇改善要求の継続発信
看護師求人倍率
10年ぶりの高水準を維持しており、特に訪問看護分野では看護師確保が依然として困難な状況が続いています。
5月以降に向けて押さえるべきポイント
4月の動きを踏まえて、5月以降に向けて押さえるべきポイントを整理します。
経営者・管理者向け
- 5月15日までに各種届出の準備完了
- ベースアップ評価料(II)の申請書類整備
- D to P with N連携先医療機関との協定締結
- ICT環境の最終整備
- スタッフ研修の総仕上げ
現場看護師向け
- D to P with N実施に必要なICT操作スキルの習得
- 改定後の新算定要件の理解
- 利用者・家族への変更点の説明準備
- 訪問記録様式の変更点確認
業界全体の関心ポイント
- 6月1日の改定施行直後の運用課題
- 不正請求への厚労省一斉調査の続報
- 包括型訪問看護療養費の算定実態
- D to P with N活用の地域格差
関連記事
HokanPressでは、2026年改定の主要変更点について以下の記事で詳しく解説しています。
- 【2026年改定】D to P with N本格評価始動、訪問看護遠隔診療補助料2,650円の経営インパクト
- 【2026年改定】訪問看護の包括型療養費新設、算定要件と経営判断
- 【2026年診療報酬改定】訪問看護に関わる主要変更点まとめ
- 訪問看護ステーション経営、黒字化までに必要な3つの数字
- 訪問看護ステーションの離職率を半減させた、3つの組織改革
まとめ
2026年4月は、訪問看護業界にとって6月の改定施行に向けた重要な準備月となりました。届出受付の本格化、ベースアップ評価料の拡充、D to P with Nの運用準備、別表第8への難治性皮膚疾患の追加など、現場と経営の両面で対応が必要な動きが多数発生しました。
5月は改定施行の直前月として、さらに動きが加速します。HokanPress編集部では、引き続き訪問看護に関わる重要ニュースを月次でまとめてお届けしていきます。
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執筆者
医療・看護・介護の多職種チーム
訪問看護・在宅医療の現場に携わる多職種チーム
HokanPress編集部は、訪問看護・在宅医療の現場に実際に携わる多職種チームで構成されています。看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、医療ソーシャルワーカー、管理栄養士、介護支援専門員(ケアマネジャー)が所属。それぞれの専門分野で培った臨床経験と専門知識をもとに、医療・看護・介護従事者の実務に役立つ情報を発信しています。記事は必ず該当分野の有資格者が執筆または監修し、公的統計データや学会発表・厚生労働省の公表資料など、信頼性の高い情報源に基づいて作成しています。
保有資格: 看護師 / 理学療法士 / 作業療法士 / 言語聴覚士 / 医療ソーシャルワーカー / 管理栄養士 / 介護支援専門員
※本記事は公的統計データをもとに看護師資格保有者が執筆しています


