【2026年診療報酬改定】訪問看護に関わる主要変更点まとめ

Summary
2026年6月施行の診療報酬改定で、訪問看護に関わる主要な変更点を整理する。本体改定率2.41パーセントの上昇、ベースアップ評価料の継続、包括型訪問看護療養費の新設、ICT・DX推進加算など、現場と経営に直接影響する変更を訪問看護ステーション経営者の視点で解説する。
2026年6月、2年ぶりとなる診療報酬改定が施行される。本体改定率はプラス2.41パーセントで、医療職員の処遇改善とDX推進を主軸とした改定だ。訪問看護分野においても多くの変更が含まれており、現場の運用と経営判断に直接影響する。本記事では、訪問看護に関わる主要変更点を整理し、現場が押さえるべきポイントを解説する。
改定の全体像
2026年改定の基本方針は以下の3点に集約される。
1. 医療従事者の処遇改善 ベースアップ評価料の継続と拡充により、看護師を含む医療従事者の賃金水準を底上げする。
2. 医療DXの推進 電子処方箋、オンライン資格確認、医療情報共有の標準化を加速させる。
3. 持続可能な医療提供体制の構築 不適切な医療提供への規制を強化し、適正な医療資源配分を実現する。
訪問看護はこの3つの方針すべてに関わる分野であり、改定の影響を強く受ける。
変更点1: ベースアップ評価料の継続と拡充
医療従事者の賃上げを目的とする「看護職員処遇改善評価料」が、訪問看護ステーションでも継続される。
訪問看護ベースアップ評価料
訪問看護ベースアップ評価料(I)
- 算定対象: 通常の訪問看護ステーション
- 評価額: 月額利用者数に応じて加算
- 看護職員1人あたりの賃上げ目標: 月額1万2,000円以上
訪問看護ベースアップ評価料(II)
- 算定対象: ベースアップ(I)では不十分なステーション
- 評価額: 個別申請に基づく加算
- 申請には実際の賃金引上げ計画と実績の提出が必要
経営への影響
評価料を算定するには、看護職員の基本給または毎月支払われる手当の引上げが必要となる。一時金やボーナスの引上げでは要件を満たさない点に注意が必要だ。
実際の運用では、評価料収入のうち看護職員賃金引上げに充当する割合の記録、毎年度の賃金水準報告が義務付けられる。事務負担は増えるが、経営者として避けて通れない対応となる。
変更点2: 包括型訪問看護療養費の新設
最大の構造改革と言えるのが、包括型訪問看護療養費の新設だ。
制度の概要
有料老人ホームやホスピス型施設に併設・隣接する訪問看護ステーションを対象に、1日単位の包括評価が導入される。従来の1回ごとの算定方式から大きく変わる。
算定要件:
- 24時間対応体制が整備されていること
- 計画的・随時の頻回訪問が必要な利用者であること


