有料老人ホームの 「登録制」は、 併設訪問看護の 事業モデルを 三方 向から 囲む——難病・医療ニーズ対応の ホームは 大半が 対象、 施行は 2028年6月まで |包括型療養費・紹介禁止の 次に 来た 住宅側の 規制

Summary
2026年6月に成立した改正社会福祉法等で、中重度の要介護者や医療ニーズを持つ人を受け入れる有料老人ホームは届出制から登録制へ移る。7月29日の厚労省検討会は、難病や複合的ニーズを持つ人を対象とするホームも登録の対象とし、既存ホームの大半が該当するとの考えを示した。ホスピス型住宅に訪問看護を併設する事業モデルは、2026年度改定の包括型療養費、有料紹介の禁止に続き、住宅側からも規制を受けることになる。経営者が確認すべき点を整理する。
有料老人ホームは、これまで都道府県への届出だけで開設できた。2026年6月19日に成立した改正社会福祉法等は、その前提を変える。中重度の要介護者らを入居させるホームには、基準を満たして登録しなければ運営を認めない仕組みが導入される。
住宅型有料老人ホームに訪問看護を併設し、末期がんや難病の入居者に医療保険で訪問を重ねる。いわゆるホスピス型住宅の事業モデルは、この数年で急速に広がった。当メディアはその構造と問題を追ってきたが、2026年に入って規制の側が動きを速めている。
6月の診療報酬改定で包括型訪問看護療養費が新設され、同時に有料紹介が禁止された。そして今回の登録制は、住宅そのものの側から入ってくる。三方向から囲まれた事業モデルが、どこまで立つのか。7月29日の厚生労働省検討会で示された内容をもとに確認する。
「医療ニーズのある人を受け入れるホーム」も対象
登録制の対象範囲について、検討会で厚労省が示した案は三つの類型からなる。
中重度の要介護者が入居するホーム。現に中重度の入居者がいなくても、中重度になっても住み続けられるホーム。そして、中重度ではない要介護者であっても、一定の認知症や医療ニーズを持ち、中重度に類すると考えられる人、具体的には複合的ニーズを持つ人や難病の人を入居対象とするホーム。
三つ目が、ホスピス型住宅に該当する。末期がんや神経難病の入居者は、要介護度の判定上は必ずしも中重度に分類されない。しかし医療ニーズは高い。厚労省はそこを見越して、要介護度ではなく「医療ニーズ」を基準に対象へ取り込んだ。
この考え方で線を引けば、既存のホームの大半が登録制の対象になる。厚労省自身がそう説明している。ホスピス型住宅を運営する事業者に、対象外という選択肢はほぼない。
登録できなければ、中重度者を受け入れられない
登録制の意味を、経営の言葉で言い換える。
基準を満たさないホームは登録されず、中重度の高齢者等を受け入れて運営することができなくなる。これが厚労省の整理だ。届出制のもとでは、基準を満たさなくても行政指導にとどまった。登録制では、運営そのものが認められない。
施行は改正法の公布日である2026年6月25日から2年以内の政令で定める日、つまり遅くとも2028年6月までとされている。既存のホームには施行後1年6か月の経過措置がある。時間はあるように見えるが、基準が決まってから体制を整えるには十分とは言えない。


