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訪問看護のリハ職訪問、2027年度改定で評価見直しへ。訪問の53.2%がPT・OT・ST、減算強化を求める声も

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訪問看護のリハ職訪問、2027年度改定で評価見直しへ。訪問の53.2%がPT・OT・ST、減算強化を求める声も

Summary

厚労省は10月19日の介護給付費分科会で、訪問看護ステーションのリハ職による訪問について「提供体制や実績等を踏まえた評価の見直し」を論点に挙げました。2026年4月審査分では訪問看護の訪問回数の53.2%、介護予防では63.2%をリハ職が担っています。委員からは、いまの8単位減算をさらに厳しくすべきだという意見も出ました。

目次6項目
  1. 01訪問の半分以上をリハ職が担う
  2. 02収支差率はリハ職の多い事業所ほど高い
  3. 03いまのルールは「8単位の減算」
  4. 04委員の意見は「減算強化」から「役割の整理」まで
  5. 05「提供体制」と「実績」は何を指すのか
  6. 06これからの流れ

厚生労働省は10月19日の社会保障審議会・介護給付費分科会で、2027年度の介護報酬改定に向けて、訪問看護ステーションの理学療法士・作業療法士・言語聴覚士(リハ職)による訪問の評価を見直す方向を示しました。論点として挙げたのは「サービスの提供体制や実績等を踏まえた評価の見直し」です。

減算の幅や新しい算定要件はまだ示されていません。それでもリハ職の訪問が多い事業所ほど影響を受けやすい論点であることは確かです。委員からはいまの減算をさらに厳しくすべきだという意見も出ました。

訪問の半分以上をリハ職が担う

厚労省の資料では2026年4月審査分の訪問回数のうち、リハ職による訪問が介護予防訪問看護で63.2%、訪問看護で53.2%を占めていました。要介護の利用者への訪問でも半分を超えています。

伸び方にも差があります。年間の算定回数を2018年度と2024年度で比べると、訪問看護ステーションのリハ職による訪問は約1.7倍に増えました。訪問リハビリテーション事業所による訪問リハは同じ期間で約1.3倍です。在宅でリハビリを受ける場として、訪問看護ステーションの比重が高まってきたことがうかがえます。

収支差率はリハ職の多い事業所ほど高い

資料は事業所の収支差率も比べています。2024年度の数字で、看護職員だけが訪問する事業所は5.7%、リハ職による訪問も行う事業所は11.1%、リハ職の職員割合が50%を超える事業所は14.1%でした。

ただしこの差を、そのままリハ職の訪問の「もうけやすさ」と読むのは早計です。3つの区分では介護料収入にも大きな開きがあり、事業規模による経営効率の違いが影響している可能性も指摘されています。

いまのルールは「8単位の減算」

これまでの改定でもリハ職の訪問の評価は見直されてきました。

2021年度の改定では看護体制強化加算の要件に、看護職員の割合を6割以上とすることが加わりました。経過措置を経て、2023年4月から適用されています。

2024年度の改定で設けられたのが、いまの減算です。前年度のリハ職による訪問回数が看護職員による訪問回数を上回っている事業所か、緊急時訪問看護加算・特別管理加算・看護体制強化加算をどれも算定していない事業所では、リハ職の訪問1回につき8単位が減算されます。介護予防訪問看護には利用を始めて12か月を超えた場合の減算もあり、8単位の減算を受ける事業所ではさらに15単位、受けない事業所では5単位が引かれます。

つまりいまの物差しは2つです。誰がどれだけ訪問したか。そして24時間の対応や重い医療ニーズに応える加算を取っているか。

委員の意見は「減算強化」から「役割の整理」まで

日本医師会の江澤和彦委員はいまの減算をさらに厳しくすべきだと述べました。リハ職による訪問は件数で5割を超え、請求単位数でも約3分の1を占めると指摘し、報酬による誘導で訪問看護を本来の姿に戻すべきだとしています。一方でリハ職は利用者のために懸命に働いており、経営や運営をする側の理解も必要だとも付け加えました。

健康保険組合連合会の伊藤悦郎委員は、訪問看護と訪問リハビリテーションの役割分担をはっきりさせ、提供体制や実績に応じたメリハリのある評価を進めるべきだと求めました。全国老人保健施設協会の東憲太郎委員も両者はそれぞれ固有の役割を担っているとして、訪問看護本来の機能と価値を踏まえた見直しを求めています。

これまでの分科会でも、訪問看護ステーションからのリハ職の訪問と、訪問リハビリテーション事業所からの訪問を分けて評価すべきだという意見が出ていました。

「提供体制」と「実績」は何を指すのか

今回の論点にある「提供体制」と「実績」が具体的に何を指すのかは、まだ分かりません。

手がかりになるのはいまの減算の仕組みです。前年度の訪問回数の比率と3つの加算の算定状況は、まさに提供体制と実績を見る物差しでした。この物差しの基準を厳しくするのか、新しい指標を加えるのか。あるいは江澤委員の意見のように、減算の幅そのものを大きくするのか。これからの議論はそのあたりが焦点になりそうです。

リハ職の訪問が多い事業所では、いまのうちに自分たちの数字を確かめておくと、案が出たときに影響を見積もりやすくなります。

  • 前年度のリハ職と看護職員の訪問回数の比率
  • 緊急時訪問看護加算・特別管理加算・看護体制強化加算の算定状況
  • 看護職員とリハ職の人数の比率
  • 介護予防の利用者のうち、利用が12か月を超えている人の数

見直しの影響を受けるのは事業所だけではありません。訪問看護ステーションからのリハビリを頼りにしている利用者や家族がいます。評価の線引きが変われば、ケアマネジャーがサービスを組み立て直す場面も出てくるでしょう。

看護師とリハ職が同じ事業所にいれば、利用者の状態の変化をその日のうちに共有できます。そうした強みを生かしている事業所まで、数字の線引きだけで一律に扱われてしまわないか。議論を見ていくうえでの視点の一つです。

これからの流れ

厚労省は年内に施策の大枠を固める予定です。12月に基本的な考え方がまとまり、改定率が決まったあと、2027年1月ごろの答申で単位数や要件が固まる見込みです。

同じ日の分科会で示された夜間の加算や残薬確認などの対応案は、10月19日の記事で紹介しています。


※本稿は、第271回社会保障審議会介護給付費分科会(2026年10月19日)の資料3「訪問看護」と、PT-OT-ST.NETの報道(2026年10月20日)をもとにまとめました。訪問回数の割合、算定回数の伸び、収支差率、委員の発言は、同報道が伝えた内容です。

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執筆者

HokanPress編集部

医療・看護・介護の多職種チーム

訪問看護・在宅医療の現場に携わる多職種チーム

HokanPress編集部は、訪問看護・在宅医療の現場に実際に携わる多職種チームで構成されています。看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、医療ソーシャルワーカー、管理栄養士、介護支援専門員(ケアマネジャー)が所属。それぞれの専門分野で培った臨床経験と専門知識をもとに、医療・看護・介護従事者の実務に役立つ情報を発信しています。記事は必ず該当分野の有資格者が執筆または監修し、公的統計データや学会発表・厚生労働省の公表資料など、信頼性の高い情報源に基づいて作成しています。

保有資格: 看護師 / 理学療法士 / 作業療法士 / 言語聴覚士 / 医療ソーシャルワーカー / 管理栄養士 / 介護支援専門員

※本記事は公的統計データをもとに看護師資格保有者が執筆しています

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