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訪問看護の企業ランキング2026——売上を公表している上場企業と、全国20,051ステーションの構図|最大手でも市場シェアは数%、業界の主役は今も中小事業所

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訪問看護の企業ランキング2026——売上を公表している上場企業と、全国20,051ステーションの構図|最大手でも市場シェアは数%、業界の主役は今も中小事業所

Summary

訪問看護の業界に、どんな企業がいて、どれくらいの規模なのか。意外と知られていません。売上を公表している上場企業を並べると、首位のアンビスホールディングスが売上491億円(2025年9月期)、ソフィアメディが98事業所(2025年3月末)、リカバリーインターナショナルが38拠点。一方で全国の訪問看護ステーションは20,051か所(2026年4月1日現在)あり、その大半を中小事業所が占めます。公表データで業界の構図を整理し、大手でも市場シェアが数%にとどまる理由を解説します。

目次8項目
  1. 01まず、業界全体の数字から
  2. 02売上を公表している主要企業
  3. 03首位のアンビスHD ── ただし「純粋な訪問看護」ではない
  4. 04訪問看護専業の最大手級 ── ソフィアメディ
  5. 05上場する訪問看護専業 ── リカバリーインターナショナル
  6. 06介護大手の「一部門」としての訪問看護
  7. 07最大の発見 ── 大手を全部足しても、市場の数%
  8. 08この構図は、変わっていくのか

訪問看護の業界に、どんな企業がいて、それぞれどれくらいの規模なのか。働く看護師にとっても、経営者にとっても、意外と知られていません。

売上を公表している企業の数字を並べ、業界全体のステーション数と重ねてみると、この業界の独特な構図が見えてきます。巨大な最大手が市場を握っているようでいて、実は業界の主役は今も中小事業所です。

公表されているデータをもとに、訪問看護業界の企業と規模の全体像を整理してお届けします。

まず、業界全体の数字から

企業の話に入る前に、市場全体の規模を押さえます。

全国訪問看護事業協会の令和8年度調査によれば、2026年4月1日現在で稼働している訪問看護ステーションは全国に20,051か所あります。指定数では20,568か所。前年から1,297か所の純増で、1年間に2,428か所が新規開設され、960か所が廃止、328か所が休止しました。

都道府県別では大阪の2,456か所が最も多く、東京1,865、愛知1,374、神奈川1,280、福岡1,133と続きます。1993年にわずか277か所だったステーションは、30年あまりで72倍に増えました。

従事者の規模も確認しておきます。全国の就業看護師は約136万人(2024年末)。このうち訪問看護ステーションで働くのは6.7%、約9万1千人です。

売上を公表している主要企業

そのうえで、売上を公表している上場企業と主要企業を見ていきます。訪問看護を中核事業とする公表企業の数字を並べました。

企業名売上(公表値)拠点数特徴
アンビスHD(医心館)491億円(2025年9月期)全国135施設(2026年3月末)医療施設型ホスピス
ソフィアメディ(CUCグループ)非上場・CUC傘下98事業所(2025年3月末)訪問看護専業の最大手級
リカバリーインターナショナル26.9億円(2025年12月期)38拠点訪問看護専業で上場
セントケアHD(ミレニア等)※2026年3月に上場廃止グループで介護全般訪問看護は一部門介護大手の一部門型
SOMPOケアグループで介護全般訪問看護は一部門同上

※売上の決算期・範囲は企業により異なります。訪問看護事業単体の売上を開示していない企業も多く、単純比較はできません。

順に見ていきます。

首位のアンビスHD ── ただし「純粋な訪問看護」ではない

公表売上で群を抜くのがアンビスホールディングスです。2025年9月期の売上高は491億円で、前期比15.8%の増収でした。

ただし注意が必要です。同社の中核は「医心館」という医療施設型ホスピスで、末期がんや神経難病など医療依存度の高い方を施設に受け入れ、そこに訪問看護を提供するモデルです。収益は訪問看護による医療保険売上、訪問介護などの介護保険売上、入居者からの家賃・管理費という三階建て構造になっています。地域の家々を回る従来型の訪問看護とは、事業の性格が異なります。

以前の記事でお伝えしたとおり、このホスピス型のモデルは現在、全国一斉調査の対象にもなっており、同社は急拡大路線から持続可能な成長へと方針を転換しています。さらに2026年9月には、西日本を中心とする医心館47施設の事業を譲渡すると発表しました(2026年11月予定)。

訪問看護専業の最大手級 ── ソフィアメディ

従来型の訪問看護で最大手級といえるのがソフィアメディです。2002年創業で、北海道・関東・東海・北陸・関西・九州に98事業所を展開しています(2025年3月末時点)。24時間365日体制を基盤とした「医療インフラとしての訪問看護」を掲げています。

同社は医療系企業グループCUCの傘下にあり、単体の売上は公表されていません。それでも事業所数では、訪問看護専業として国内最大級の存在です。

上場する訪問看護専業 ── リカバリーインターナショナル

訪問看護専業の上場企業として注目されるのがリカバリーインターナショナルです。2022年2月に株式を上場し、現在は東証グロース市場に上場しています。

2025年12月期の売上高は26億8,900万円(連結)で、2026年12月期は売上高34億3,000万円を計画しており、上場以来ほぼ一貫して二桁の増収を続けています。拠点数は38か所で、都内を中心に新規出店を掲げています。首都圏を中心とした集中出店の戦略で、以前の記事で述べた都心型の高密度モデルを体現する企業といえます。

介護大手の「一部門」としての訪問看護

セントケア・ホールディングやSOMPOケア、ソラストといった介護大手も訪問看護を手がけています(セントケア・ホールディングは2026年3月にMBOで上場を廃止)。いずれも、訪問看護をグループの一部門として展開する形です(セントケアは子会社ミレニアなどを通じて運営)。

これらの企業は訪問介護や有料老人ホームが主力で、訪問看護単体の売上は開示されていません。介護大手が手がける訪問看護は、この「一部門型」が中心です。

最大の発見 ── 大手を全部足しても、市場の数%

ここまでの数字を重ねると、この業界の最も重要な構図が見えてきます。

事業所数で最大手級のソフィアメディが98事業所。全国のステーションは20,051か所(2026年4月1日現在)。つまり最大手でもシェアは0.5%程度にすぎません。上場企業の事業所をすべて足しても、市場全体から見ればごく一部です。

売上で見ても同じです。訪問看護の市場規模は療養費と介護給付費を合わせて1兆円を超える水準まで成長していますが、公表売上首位のアンビスでも数%にとどまります。

コンビニや調剤薬局のように大手チェーンが市場を握る業界とは、構造がまったく違うのです。訪問看護の主役は、今も一つひとつの地域に根ざした中小のステーションです。以前の記事で述べたとおり、平均的なステーションは看護師5人前後の小規模事業所であり、その集合体がこの1兆円市場を支えています。

この構図は、変わっていくのか

では、この「中小の海」はこのまま続くのでしょうか。変化の兆しは確かにあります。

国は経営の協働化・大規模化を促し、2026年度改定では機能強化型の評価を引き上げました。倒産と廃業は過去最多を更新し、M&Aは活発化しています。以前の記事で述べたサテライト展開のように、規模を求める動きは強まっています。上場企業の出店ペースも衰えていません。

一方で、訪問看護は地域密着の事業です。利用者との関係、地域の医師やケアマネジャーとの連携は、資本の論理だけでは築けません。大手が全国を覆い尽くす未来は、少なくとも当面は考えにくいでしょう。

むしろ現実的なのは、二層構造の進行です。都市部では企業型の大規模事業者が拠点を増やし、地方や地域密着の領域では中小が残る。その中間で、体力のない事業所が淘汰されていく。企業ランキングの数字は、その入口を映しています。

売上を公表している企業を並べて見えたのは、意外にも「大手がいない業界」の姿でした。491億円のアンビスも、98事業所のソフィアメディも、20,051か所という市場全体の前では一角にすぎません。この業界の強さも、もろさも、中小事業所の集合体であるという構造から生まれています。だからこそ、一つひとつのステーションの経営の質が、業界全体の未来を左右します。企業の動向は今後も定期的に追い、数字の変化をお伝えしていきます。

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執筆者

HokanPress編集部

医療・看護・介護の多職種チーム

訪問看護・在宅医療の現場に携わる多職種チーム

HokanPress編集部は、訪問看護・在宅医療の現場に実際に携わる多職種チームで構成されています。看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、医療ソーシャルワーカー、管理栄養士、介護支援専門員(ケアマネジャー)が所属。それぞれの専門分野で培った臨床経験と専門知識をもとに、医療・看護・介護従事者の実務に役立つ情報を発信しています。記事は必ず該当分野の有資格者が執筆または監修し、公的統計データや学会発表・厚生労働省の公表資料など、信頼性の高い情報源に基づいて作成しています。

保有資格: 看護師 / 理学療法士 / 作業療法士 / 言語聴覚士 / 医療ソーシャルワーカー / 管理栄養士 / 介護支援専門員

※本記事は公的統計データをもとに看護師資格保有者が執筆しています

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