訪問看護は 医療保険か、 介護保険か ——別表7・別表8と 特別指示書で 決まる 判断の 順序|週4日以上は いつ可能か、 事業所は 何か 所まで 使えるか

Summary
訪問看護には、医療保険と介護保険という二つの入り口があります。どちらが適用されるかは、年齢や要介護認定だけでは決まりません。別表第7に該当する疾病か、別表第8の状態か、特別訪問看護指示書が出ているか。その組み合わせで判断されます。そして保険が変われば、訪問できる回数も、利用できる事業所の数も変わります。実務者にも家族にも分かりにくいこの仕組みを、判断の順序に沿って整理します。
訪問看護には、医療保険と介護保険という、二つの入り口があります。
どちらが適用されるかは、年齢や要介護認定の有無だけでは決まりません。別表第7に該当する疾病があるか、別表第8の状態か、そして特別訪問看護指示書が交付されているか。それらの組み合わせによって、判断されます。
保険が変われば、週に何回訪問できるかも、いくつの事業所を使えるかも変わります。実務者にとっても、ご家族にとっても分かりにくい仕組みを、判断の順序に沿って整理してお届けします。
原則 ── 介護保険が優先される
出発点となる原則から確認します。要介護または要支援の認定を受けている人が訪問看護を利用する場合、原則として介護保険が優先されます。
要介護認定を受けていない人、たとえば40歳未満の人や、認定を受けていない高齢者は、医療保険で訪問看護を利用します。
ここまでは、比較的分かりやすいでしょう。問題は、この原則に対する例外です。
例外① 別表第7に該当する疾病
一つ目の例外が、別表第7です。正式には「厚生労働大臣が定める疾病等」といい、末期の悪性腫瘍、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、パーキンソン病関連疾患、脊髄小脳変性症、後天性免疫不全症候群など、20の疾病等が定められています。人工呼吸器を使用している状態も含まれます。
別表第7に該当する場合、要介護の認定を受けていても、医療保険での訪問看護が適用されます。介護保険優先の原則を、疾病が上書きするわけです。
たとえば、介護保険で訪問看護を利用していた人に、新たに筋萎縮性側索硬化症の診断がついた場合。その時点から、医療保険での対応に切り替わります。
例外② 特別訪問看護指示書
二つ目の例外が、特別訪問看護指示書です。
病状が急に変わったり、悪化したりして、頻回の訪問看護が必要だと主治医が判断したときに交付されます。交付を受けると、有効期間中は医療保険が適用され、週4日以上の訪問看護を受けられます。有効期間は、最長で14日間です。
交付は、原則として月に1回。ただし、気管カニューレを使用している場合や、真皮を超える褥瘡がある場合には、月に2回まで交付されることがあります。
重要なのは、この指示書に疾患の要件がないことです。医師が「週4日以上の訪問看護が必要な状態だ」と判断すれば、交付できます。介護保険を使っていた人でも、指示書が出れば、その期間は医療保険に切り替わります。


