あなたの 県は いま、 2040年の 医療の 設計図を 描いている —— 「新たな 地域医療構想」に 訪問看護が 初めて 正面から 組み込まれた |病床だけの 計画から 在宅・介護連携まで、 2026年度中に 全都道府県が 策定

Summary
2026年度のいま、全国の都道府県が「新たな地域医療構想」の策定を進めています。2040年を見据えた地域医療の設計図であり、2027年度から動き出します。訪問看護にとって画期的なのは、対象がこれまでの病床中心から外来・在宅医療・介護との連携まで広がり、在宅の担い手が初めて構想の正面に組み込まれたことです。何が変わるのか、訪問看護にどう関わるのか、事業者はいま何をすべきかを整理します。
全国の都道府県がいま、一枚の設計図を描いています。「新たな地域医療構想」です。2040年を見据えて、その地域の医療をどう組み立て直すかを定めるもので、2026年度中に各都道府県が策定し、2027年度から動き出します。
病院の再編の話だと思われるかもしれません。これまでの地域医療構想は、確かに病床が中心でした。しかし新しい構想は違います。対象が外来医療・在宅医療・介護との連携まで広がり、訪問看護を含む在宅の担い手が、初めて設計図の正面に組み込まれました。
自分たちの事業の前提となる地図が、いま描き替えられている。その中身と意味を整理してお届けします。
地域医療構想とは何だったか
まず前提から確認します。地域医療構想は2014年の医療法改正を機に始まった政策で、都道府県が地域ごとの将来の医療需要を推計し、必要な病床数を定め、医療機関の機能分化と連携を促すものです。団塊の世代が75歳以上となる2025年を見据えた、いわば病床の設計図でした。
その2025年が過ぎ、次の目標年が2040年に置き換わります。85歳以上の人口が増え続け、医療と介護の複合的なニーズを抱える人が急増する一方、支える現役世代は減っていく。骨太の方針にもこの課題が明記され、2024年末に「新たな地域医療構想に関するとりまとめ」が示されました。2025年度に国がガイドラインを発出し、2026年度に都道府県が策定、2027年度から実施という流れです。第8次医療計画の中間見直しの年に合わせて始まります。
何が変わるのか ── 三つの転換
新しい構想は、従来と三つの点で異なります。
第一に、対象範囲の拡大です。入院医療だけでなく、外来医療、在宅医療、そして介護との連携までが構想の対象になりました。厚生労働省のガイドラインには、病床の機能分化のみならず、外来・在宅医療の提供体制の確保、医療と介護の連携を進め、地域包括ケアシステムの構築にも資する体制を作ると明記されています。病床の設計図から、地域医療全体の設計図への転換です。
第二に、病床機能の区分の見直しです。従来の回復期機能が「包括期機能」へと改められる方向が示されました。高齢者の入退院を包括的に支える機能として捉え直すもので、退院後の在宅へのつなぎが、これまで以上に意識された区分といえます。


