20分未満の 訪問は 算定できない、 2時間未満の 再訪問は 合算——記録書への 実施時間記載が 算定を 左右する |2026年度改定の 短時間訪問ルール

Summary
2026年度診療報酬改定で、訪問看護記録書に実際の訪問開始時刻と終了時刻を記録することが求められるようになりました。同時に、適切な訪問時間は30分以上を標準とし、20分を下回る場合は算定できない取扱いが示されています。前回訪問から2時間未満で20分以上30分未満の訪問を行う場合は、原則として所要時間を合算して1回。記録した時間が、そのまま算定の可否を決めます。3つの数字の意味と、現場の運用で確認すべき点を整理します。
訪問看護記録書に、実際の訪問開始時刻と終了時刻を書く。2026年度診療報酬改定で明確化された運用です。
当メディアでは、この記録ルールの変更を改定直後に取り上げました。多くの方に読んでいただいた記事ですが、あのときは「何を書くか」までしか触れていません。書いた時刻が何に使われるのかが、今回の主題です。
同じ改定で、短時間の訪問についての取扱いが示されました。適切な訪問看護の時間は30分以上を標準とし、20分を下回る場合は算定できない。前回の訪問から2時間未満で20分以上30分未満の訪問を行う場合は、原則として所要時間を合算して1回として扱う。
20分、30分、2時間。この3つの数字が、記録した時刻と結びついて算定の可否を決めます。
なぜ時刻を書かせるのか
背景から確認します。
2024年から2025年にかけて、ホスピス型住宅における不適切な訪問看護が相次いで報じられました。共同通信の報道では、大手事業者による不正な報酬請求が問題となり、実際のケアというより見守りに近い短時間の訪問を繰り返す事例、報酬が高くなる時間帯を狙って訪問を設定する事例が指摘されています。
厚生労働省は2025年10月、訪問看護の過剰な提供に対する規制強化の方針を打ち出しました。当メディアで包括型訪問看護療養費と有料紹介の禁止を扱った記事は、その方針が2026年度改定でどう実装されたかを追ったものです。
今回の実施時間の記載は、同じ流れのなかにあります。訪問したという記録だけでは、5分の訪問も60分の訪問も同じに見える。時刻を書かせれば、その差が請求の裏付けとして残ります。
改定では、算定要件として「利用者の心身の状況に応じた妥当で適切な訪問看護を行うこと」が明確化されました。看護目標と訪問看護計画に沿った訪問を行うこと。漫然とした画一的な訪問にならないようにすること。訪問看護の内容に対する評価を記録すること。そして、実際の訪問開始時刻と終了時刻を記録すること。この4点が並んでいます。
時刻の記録は、単独のルールではありません。「その訪問に中身があったか」を問う一連の要件の一部です。
20分未満は、算定できない
3つの数字を順に見ます。
まず20分。訪問看護の時間が20分を下回る場合、算定できない取扱いとされています。
これは、実務に直接影響します。服薬の確認だけで帰る訪問、安否確認に近い訪問、利用者が不在で短時間で切り上げた訪問。こうした訪問を、これまで通常どおり算定していた事業所は、運用を変える必要があります。


