在宅患者緊急時等カンファレンス加算は、利用者の状態が急に変わったときなどに、主治医の求めでカンファレンスに参加し、関係する職種と一緒に療養上の指導を行ったことを評価する、医療保険の加算です。訪問看護管理療養費に加算し、金額は1回2,000円、算定できるのは月2回までです。届出は要りません。
主治医と訪問看護ステーションの2者だけのカンファレンスでも算定できます。一方で、カンファレンスのためだけに訪問した日は訪問看護基本療養費を算定できないなど、算定する日に決まりがあります。要件の原文の位置は加算辞典の在宅患者緊急時等カンファレンス加算で確かめられます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 金額 | 1回につき2,000円(訪問看護管理療養費に加算) |
| 回数 | 月2回まで |
| 届出 | 不要 |
| 2026年6月の改定 | 変更なし |
告示は、次のすべてを満たした場合に算定するとしています。
| 項目 | 要件 |
|---|---|
| 対象の利用者 | 在宅で療養していて、通院が困難な利用者 |
| きっかけ | 利用者の状態の急変などに伴い、その利用者の在宅療養を担う保険医療機関の保険医から求めがあること |
| 参加する職員 | ステーションの看護師等(准看護師は除く) |
| 一緒に参加する人 | 在宅療養を担う保険医療機関の保険医等、歯科訪問診療を行う保険医療機関の歯科医師等、訪問薬剤管理指導を行う保険薬局の保険薬剤師、介護支援専門員、相談支援専門員 |
| 行うこと | 共同でカンファレンスに参加し、それらの人と共同で療養上必要な指導を行う |
留意事項通知は、この加算の趣旨を「状態の急変や診療方針の変更等の際」に関係する職種が一堂に会して、より適切な診療方針を立て、方針の変更などを参加者の間で的確に共有することの評価だと説明しています。カンファレンスで共有した診療情報などを踏まえて、それぞれの職種が利用者や家族に療養上必要な指導を行ったときに算定します。
カンファレンスは、原則として利用者が住んでいる場所で行います。ただし、利用者や家族が別の場所を希望する場合は、この限りではありません。
1者以上が利用者の家に赴いてカンファレンスを行う場合は、ほかの関係者はビデオ通話で参加できます。その場合は次の2点が条件です。
カンファレンスの目的だけで利用者の家を訪問し、カンファレンスの結果を受けた指導のほかに特段の指導をしなかった場合は、その日の訪問看護基本療養費(精神科訪問看護基本療養費)は算定できません。
この場合、加算は、カンファレンスの後に行った訪問看護の日に算定します。
| その日に行ったこと | 算定 |
|---|---|
| カンファレンスに参加し、通常の訪問看護も行った | 基本療養費などに加えて、この加算を算定 |
| カンファレンスのためだけに訪問し、結果を受けた指導だけを行った | 基本療養費は算定しない。加算は次に訪問看護を行った日に算定 |
留意事項通知は、次の4つを訪問看護記録書に記載するよう求めています。
記録書の書き方全体は、訪問看護記録の書き方の記事で整理しています。
診療報酬の医科点数表には、医療機関の側の「在宅患者緊急時等カンファレンス料」(C011・200点・月2回まで)があります。訪問診療を行う医療機関の保険医が、通院が困難な患者の状態の急変などに伴って、訪問看護ステーションの看護師等やケアマネジャーなどと共同でカンファレンスを行い、共同で療養上必要な指導を行った場合の評価です。
同じカンファレンスについて、医療機関とステーションがそれぞれの報酬で評価される仕組みになっています。
同じ訪問看護管理療養費の加算に、在宅患者連携指導加算があります。どちらも多職種の連携を評価しますが、中身は違います。
| 在宅患者緊急時等カンファレンス加算 | 在宅患者連携指導加算 | |
|---|---|---|
| 金額・回数 | 1回2,000円・月2回まで | 3,000円・月1回 |
| 何を評価するか | 状態の急変などの際に、カンファレンスに参加して共同で指導すること | 月2回以上、文書等(メール・ファクシミリ可)で共有した診療情報をもとに指導すること |
| 主治医とだけ | 2者のカンファレンスでも算定できる | 主治医との間だけの共有では算定できない |
| ほかの加算との関係 | ― | 同じ月に訪問看護医療情報連携加算を算定した場合は算定できない |
在宅患者連携指導加算の要件は加算辞典の在宅患者連携指導加算、医療情報連携加算との関係は医療情報連携加算の記事にまとめています。
この加算は、医療保険の訪問看護療養費の加算です。要介護・要支援の利用者は、原則として訪問看護療養費を算定しません。ただし、特別訪問看護指示書に係る訪問看護、別表第7の疾病等の利用者への訪問看護、精神科訪問看護基本療養費を算定する訪問看護は、要介護・要支援の利用者でも訪問看護療養費で算定します。この場合は、この加算も算定の対象になります。
包括型訪問看護療養費を算定する利用者については、告示と留意事項通知の書き方が分かれています。
令和8年度改定の疑義解釈(その1〜その13)にも、包括型の利用者にこの加算を算定できるかを扱った問は見当たりません。包括型を算定している事業所は、算定する前に地方厚生(支)局に確かめてください。包括型の仕組みは加算辞典の包括型訪問看護療養費にまとめています。
状態が急に変わったときの訪問の評価は、緊急訪問看護加算、退院の前の話し合いは退院時共同指導加算(医療保険)を加算辞典にまとめています。加算全体の解説は特集「訪問看護の加算ガイド」へ。
算定できます。利用者の診療を担う保険医療機関の保険医と、ステーションの看護師等の2者でカンファレンスを行った場合も対象です。
算定できません。複数の訪問看護ステーションだけが参加したカンファレンスは対象外です。
1者以上が利用者の家に赴いてカンファレンスを行う場合は、ほかの関係者はビデオ通話で参加できます。個人情報を画面で共有するときは利用者の同意が必要です。
算定できません。参加するのは、ステーションの看護師等(准看護師を除く)です。
カンファレンスの結果を受けた指導のほかに特段の指導をしなかった場合、その日の訪問看護基本療養費は算定できません。加算は、カンファレンスの後に行った訪問看護の日に算定します。
※本稿は、告示と留意事項通知の本文をもとにまとめました。「現場での段取り」は編集部の見立てです。