退院支援室と 訪問看護——最も 早く、 最も 重い 依頼が 来る 第三の 入口|勝負は 入院3日目に 始まっている。 カンファレンスは 営業の 場ではない

Summary
訪問看護には三つの入口があります。医師の指示書、ケアマネジャーのケアプラン、そして病院の退院支援室です。前二回で扱った二つと比べ、退院支援には固有の特徴があります。動き出しが早く、依頼される利用者の医療依存度が高いことです。入退院支援加算の要件により、病院は入院後3日もしくは7日以内に動き始めます。第三の入口の構造を整理します。
訪問看護に利用者が届く経路は、大きく三つあります。医師が交付する指示書、ケアマネジャーが作成するケアプラン、そして病院の退院支援室からの依頼です。
前二回の記事では、医師会との関係とケアマネジャーとの関係を扱いました。今回は第三の入口である退院支援を取り上げます。この経路には、他の二つにはない特徴があります。動き出しが圧倒的に早く、そして依頼される利用者の医療依存度が高いことです。
構造を理解すれば、なぜ一部の事業所にだけ退院支援からの依頼が集まるのかが見えてきます。順に整理してお届けします。
勝負は、入院3日目に始まっている
まず時間軸から確認します。病院の退院支援は、患者が退院を意識するよりはるか前に始まっています。
入院早期、目安として入院直後から1週間以内に、病院の退院支援部門が入院時のスクリーニングを行います。医療処置の有無、家族の状況、住環境といった在宅移行の課題を洗い出す作業です。そして訪問看護の必要性が見込まれる場合には、この段階で候補となる訪問看護ステーションへ情報提供や打診が行われます。
背景には報酬上の要件があります。入退院支援加算は、退院が困難な事例に対して入院早期から介入し、退院支援計画の作成や転院調整、カンファレンスを行った場合に算定できるものです。実務資料によれば、算定要件を満たすには原則として入院後3日もしくは7日以内にアクションを起こす必要があります。病院側にはスピード感を持って動く制度上の理由があるのです。
つまり退院の話が地域に降りてくるころには、依頼先の候補はすでに絞られています。退院前カンファレンスに呼ばれた時点で、選定は終わっているのです。この入口で選ばれるかどうかは、平時に病院との関係が築けているかで決まります。
誰が窓口なのか ── 退院支援看護師とMSW
次に、相手を正しく理解します。退院支援の担い手は主に二職種です。
一つが退院支援看護師、あるいは退院調整看護師と呼ばれる職種です。入院時のスクリーニング、アセスメント、退院前カンファレンス、退院後のモニタリングを担います。大きな病院では、病棟で主任や師長を経験した看護師が務めているケースが多いとされます。
もう一つが医療ソーシャルワーカー、MSWです。ほとんどの場合、退院前カンファレンスを主催するのはMSWであり、院内の関係職種と在宅サービスの担当者へ連絡し、日程を調整します。
両者は視点が異なります。実務資料には、看護師は患者の予想される身体状態から全体を把握するのに対し、ソーシャルワーカーは患者と家族の関係性から全体を把握する傾向にあると記されています。医療面と生活面、二つの角度から在宅移行が検討されているわけです。


