次に 測られるのは 「質」だ——厚労省が 訪問看護の 質評価の 検討に 着手、 2027年度改定の 基礎データへ |回数から 機能へ、 そして 質へ。 2万件時代の 必然

Summary
厚生労働省が、訪問看護の質を評価する仕組みの検討に向けて実態調査を開始しました。2026年度の老人保健健康増進等事業として実施され、2027年度の介護報酬改定の基礎データにもなります。当メディアでは報酬の評価軸が回数から機能へ移りつつあることをお伝えしてきました。次に来るのは質です。稼働ステーションが2万件を超えたいま、何が起きようとしているのかを分析します。
厚生労働省が、訪問看護の質を評価する仕組みの検討に着手した。2026年度の老人保健健康増進等事業として実態調査を開始しており、その結果は2027年度の介護報酬改定の基礎データにもなるとされる。
小さな記事として報じられただけかもしれない。だが私は、この動きを訪問看護の報酬体系にとって最大級の転換点になりうるものだと見ている。
当メディアでは加算の推移を分析し、評価の軸が回数から機能へ移りつつあることをお伝えしてきた。その次に来るのが質だ。今回は、この検討が何を意味するのかを先読みして論じたい。
なぜ、いま「質」なのか
背景から確認する。全国訪問看護事業協会の調査によれば、稼働している訪問看護ステーション数は20,051件に達した。令和8年4月1日現在の数字で、ついに2万の大台を超えたことになる。
1992年の制度創設から30年余り。国は報酬のプラス改定などで訪問看護を後押しし、事業所数は順調に増えてきた。量の拡大という政策目標は、一定の達成を見たといえる。
量が満たされれば、次に問われるのは中身だ。同じ「訪問看護」という名で提供されるサービスの質に、どれほどのばらつきがあるのか。国が実態調査に乗り出したのは、この段階に入ったからだと考えるのが自然だろう。
加えて、当メディアでお伝えしてきた不正請求や過剰な訪問をめぐる問題がある。制度の信頼が問われる局面で、単に回数を減らす適正化だけでなく、良いケアを積極的に評価する方向へ舵を切ろうとしている可能性もある。
評価軸の変遷 ── 回数から、機能へ、そして質へ
ここで、報酬の評価軸がどう変わってきたかを整理する。
第一段階は、回数による評価だ。訪問1回いくらという出来高払いが基本で、訪問を積み重ねるほど収益が増える構造だった。
第二段階が、機能による評価である。機能強化型の管理療養費、重症者の受け入れ実績、24時間対応体制、看取りの実績。事業所がどんな機能を担っているかを評価する仕組みが、改定のたびに厚みを増してきた。2026年度改定で新設された包括型訪問看護療養費は、1日単位の包括評価へ踏み込んだ点で象徴的だった。
そして第三段階として浮上したのが、質による評価だ。何をどれだけやったかでも、どんな体制を持っているかでもなく、提供したケアがどんな結果をもたらしたか。それを測ろうとする発想である。
質は、どう測られうるのか
では、訪問看護の質はどう測られるのか。ここが最も難しく、そして最も注目すべき点だ。


