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介護情報基盤、運用開始が決まったのは1,545市町村で88.7%——残る196市町村は調整中、全国運用は2028年4月

HokanPress編集部 · 2026年9月28日
厚生労働省が9月18日の社会保障審議会介護保険部会で、介護情報基盤の準備状況を報告しました。2028年4月の全国本格運用までに運用開始時期が確定しているのは1,545市町村、全体の88.7%です。令和8年度中に416市町村、令和9年度中に1,129市町村が始まります。残る196市町村は調整中です。複数の市町村にまたがって訪問する事業所にとって、開始時期の差は実務に直結します。

介護情報基盤の運用開始時期が、全国の市町村でどこまで決まったか。その数字が出ました。

厚生労働省は2026年9月18日の社会保障審議会介護保険部会で、準備の進捗状況を報告しています。2026年7月10日時点で、2028年4月の全国本格運用までに利用開始時期が確定しているのは1,545市町村。全体の88.7%です。

内訳は、令和8年度中が416市町村、令和9年度中が1,129市町村。残る196市町村は調整中とされています。

当メディアでは、ケアプランデータ連携システムが2027年1月に介護情報基盤へ統合されることを扱いました。今回はその基盤側の話になります。

介護情報基盤とは何か

介護保険証、要介護認定の情報、主治医意見書、ケアプラン、LIFEのデータ。こうした現場で必要な情報を、利用者、事業所、医療機関、市町村がオンラインで閲覧・共有できるようにする仕組みです。国民健康保険中央会が開発するシステムを中心に構築されています。

いまは、これらの情報が各事業所と自治体に分散しています。確認は郵送、紙、電話です。それを電子的に共有できるようにする、というのが基盤の趣旨です。

改正介護保険法の施行日である2026年4月から、準備が整った自治体と事業所から順次運用が始まっています。全国一斉ではなく、段階的に広げる方式です。

2025年8月には介護情報基盤ポータルサイトが開設されました。各市町村の対応状況が公開されており、助成金のオンライン申請もできます。電話とチャットでのサポートも用意されています。

88.7%をどう読むか

1,545市町村という数字は、運用を開始した市町村の数ではありません。2028年4月までに開始する時期が決まっている市町村の数です。

多くは令和9年度中、つまり2027年度に集中しています。1,129市町村ですから、確定している分の7割以上がこの1年に入ります。

令和8年度中に始まるのは416市町村です。今年度のうちに動き出す自治体は、全体の2割強にとどまります。

そして196市町村が調整中です。1割強が、いつ始めるかを決めていません。厚労省は2028年4月に間に合うよう対応を呼びかけています。

訪問看護にとっての問題は、混在期間

ここからが実務の話です。

訪問看護ステーションは、複数の市町村の利用者を担当していることが珍しくありません。市をまたいで訪問している事業所も多いはずです。

市町村ごとに運用開始の時期が違うということは、同じ事業所が、基盤を使える市町村と使えない市町村の両方を抱える期間が生じるということです。

A市の利用者については基盤で主治医意見書やケアプランを確認でき、隣のB市の利用者については従来どおり紙とファクスでやり取りする。その状態が、早い自治体と遅い自治体の差の分だけ続きます。今年度に始まる自治体と、令和9年度末に始まる自治体では、2年近い開きがあります。

新しい仕組みが入るときの負担は、切り替えそのものより、二つのやり方を同時に回す期間に出ます。

まず確認すべきは、自事業所が担当している市町村それぞれの開始時期です。介護情報基盤ポータルで各市町村の対応状況が公開されており、日程が固まり次第、順次更新されるとされています。

ケアプランデータ連携システムとの関係

当メディアで扱ったとおり、ケアプランデータ連携システムは2027年1月に介護情報基盤へ統合される予定です。統合後は年額21,000円の利用料が不要になり、専用ソフトも要らなくなるとされています。

つまり、ケアマネジャーとの提供票のやり取りを電子化する話と、市町村が持つ情報を閲覧する話が、同じ基盤の上に乗ります。

すでにケアプランデータ連携システムを使っている事業所は、統合の時点で移行します。使っていない事業所にとっては、導入の障壁が下がる局面です。ただし、相手となるケアマネジャーの事業所が使っているかどうかが前提になります。片方だけが対応していても、やり取りは電子化できません。

28.3%がまだ紙とファクスだけ

日本看護協会の実態調査では、他の医療機関や事業所と情報を共有する際にICTを使っていない訪問看護事業所が28.3%ありました。郵送、メール、ファクスだけ、という事業所です。

看護職員が3人未満の事業所では、45.1%が使っていないと回答しています。規模が小さいほど、電子化が進んでいません。

一方で、多職種連携ツールを使っている事業所は、平均1.8種類を併用していました。3種類以上を使う事業所も約2割あります。連携先ごとに違うツールを使い分けているということです。

介護情報基盤は、この状況をどこまで変えるか。基盤が扱うのは介護保険の情報であり、訪問看護が日常的に使っている多職種連携ツールをそのまま置き換えるものではありません。主治医との連絡や、日々の情報共有は別の手段が必要です。

基盤ができても、ツールの併用がなくなるわけではないという前提で見ておくほうが現実的でしょう。

何が変わる可能性があるか

それでも、訪問看護にとって意味のある変化はあります。

要介護認定の情報や主治医意見書を、必要なときに確認できるようになります。いまは、これらを見るためにケアマネジャーを経由することが多いはずです。認定の有効期間や区分変更の状況も、基盤上で把握できるようになります。

利用者本人も自分の情報を閲覧できる仕組みです。家族が状況を把握しやすくなれば、説明の負担が減る場面も出てきます。

ただし、情報が共有されるということは、自事業所が入力した情報も他の関係者から見えるということでもあります。記録の書き方が、これまで以上に他者の目を意識したものになる可能性があります。当メディアで記録の書き方を扱った記事が最も読まれていますが、その意味は今後も変わらないでしょう。

同じ日に報告された内容

9月18日の介護保険部会では、第1号保険料のあり方と、給付と負担を含む持続可能性の確保が議論されました。あわせて、介護情報基盤のほか、介護サービス事業者の経営情報、介護給付適正化、介護事業者の連携強化について報告が行われています。

2割負担となる一定以上所得の判断基準については、引き続き検討するとされました。金融所得を保険料や利用者負担に反映することや、金融資産の保有状況を負担に反映することについても、制度面と運用面の課題を踏まえて検討が続きます。

利用者の負担が変われば、サービスの使い方が変わります。当メディアで限度額を超えた訪問を扱った際に書いたとおり、費用は利用者がサービスを選ぶ際の判断材料です。

確認しておくこと

事業所としてできることを整理します。

担当している市町村が、それぞれいつ運用を開始するか。ポータルで確認できます。複数の市町村にまたがっているなら、一覧にしておくと準備の時期がわかります。

使っている介護ソフトが基盤に対応する予定か。ソフト会社に確認する話です。

ケアプランデータ連携システムを使っているか。使っていないなら、統合を待つのか、いま導入するのか。連携先のケアマネジャー事業所の状況も含めて判断することになります。

2028年4月は1年半先です。ただ、担当する市町村の一つが今年度中に始まるなら、準備の時間はそれほど残っていません。介護情報基盤の運用開始時期が、全国の市町村でどこまで決まったか。その数字が出ました。

厚生労働省は2026年9月18日の社会保障審議会介護保険部会で、準備の進捗状況を報告しています。2026年7月10日時点で、2028年4月の全国本格運用までに利用開始時期が確定しているのは1,545市町村。全体の88.7%です。

内訳は、令和8年度中が416市町村、令和9年度中が1,129市町村。残る196市町村は調整中とされています。

当メディアでは、ケアプランデータ連携システムが2027年1月に介護情報基盤へ統合されることを扱いました。今回はその基盤側の話になります。

介護情報基盤とは何か

介護保険証、要介護認定の情報、主治医意見書、ケアプラン、LIFEのデータ。こうした現場で必要な情報を、利用者、事業所、医療機関、市町村がオンラインで閲覧・共有できるようにする仕組みです。国民健康保険中央会が開発するシステムを中心に構築されています。

いまは、これらの情報が各事業所と自治体に分散しています。確認は郵送、紙、電話です。それを電子的に共有できるようにする、というのが基盤の趣旨です。

改正介護保険法の施行日である2026年4月から、準備が整った自治体と事業所から順次運用が始まっています。全国一斉ではなく、段階的に広げる方式です。

2025年8月には介護情報基盤ポータルサイトが開設されました。各市町村の対応状況が公開されており、助成金のオンライン申請もできます。電話とチャットでのサポートも用意されています。

88.7%をどう読むか

1,545市町村という数字は、運用を開始した市町村の数ではありません。2028年4月までに開始する時期が決まっている市町村の数です。

多くは令和9年度中、つまり2027年度に集中しています。1,129市町村ですから、確定している分の7割以上がこの1年に入ります。

令和8年度中に始まるのは416市町村です。今年度のうちに動き出す自治体は、全体の2割強にとどまります。

そして196市町村が調整中です。1割強が、いつ始めるかを決めていません。厚労省は2028年4月に間に合うよう対応を呼びかけています。

訪問看護にとっての問題は、混在期間

ここからが実務の話です。

訪問看護ステーションは、複数の市町村の利用者を担当していることが珍しくありません。市をまたいで訪問している事業所も多いはずです。

市町村ごとに運用開始の時期が違うということは、同じ事業所が、基盤を使える市町村と使えない市町村の両方を抱える期間が生じるということです。

A市の利用者については基盤で主治医意見書やケアプランを確認でき、隣のB市の利用者については従来どおり紙とファクスでやり取りする。その状態が、早い自治体と遅い自治体の差の分だけ続きます。今年度に始まる自治体と、令和9年度末に始まる自治体では、2年近い開きがあります。

新しい仕組みが入るときの負担は、切り替えそのものより、二つのやり方を同時に回す期間に出ます。

まず確認すべきは、自事業所が担当している市町村それぞれの開始時期です。介護情報基盤ポータルで各市町村の対応状況が公開されており、日程が固まり次第、順次更新されるとされています。

ケアプランデータ連携システムとの関係

当メディアで扱ったとおり、ケアプランデータ連携システムは2027年1月に介護情報基盤へ統合される予定です。統合後は年額21,000円の利用料が不要になり、専用ソフトも要らなくなるとされています。

つまり、ケアマネジャーとの提供票のやり取りを電子化する話と、市町村が持つ情報を閲覧する話が、同じ基盤の上に乗ります。

すでにケアプランデータ連携システムを使っている事業所は、統合の時点で移行します。使っていない事業所にとっては、導入の障壁が下がる局面です。ただし、相手となるケアマネジャーの事業所が使っているかどうかが前提になります。片方だけが対応していても、やり取りは電子化できません。

28.3%がまだ紙とファクスだけ

日本看護協会の実態調査では、他の医療機関や事業所と情報を共有する際にICTを使っていない訪問看護事業所が28.3%ありました。郵送、メール、ファクスだけ、という事業所です。

看護職員が3人未満の事業所では、45.1%が使っていないと回答しています。規模が小さいほど、電子化が進んでいません。

一方で、多職種連携ツールを使っている事業所は、平均1.8種類を併用していました。3種類以上を使う事業所も約2割あります。連携先ごとに違うツールを使い分けているということです。

介護情報基盤は、この状況をどこまで変えるか。基盤が扱うのは介護保険の情報であり、訪問看護が日常的に使っている多職種連携ツールをそのまま置き換えるものではありません。主治医との連絡や、日々の情報共有は別の手段が必要です。

基盤ができても、ツールの併用がなくなるわけではないという前提で見ておくほうが現実的でしょう。

何が変わる可能性があるか

それでも、訪問看護にとって意味のある変化はあります。

要介護認定の情報や主治医意見書を、必要なときに確認できるようになります。いまは、これらを見るためにケアマネジャーを経由することが多いはずです。認定の有効期間や区分変更の状況も、基盤上で把握できるようになります。

利用者本人も自分の情報を閲覧できる仕組みです。家族が状況を把握しやすくなれば、説明の負担が減る場面も出てきます。

ただし、情報が共有されるということは、自事業所が入力した情報も他の関係者から見えるということでもあります。記録の書き方が、これまで以上に他者の目を意識したものになる可能性があります。当メディアで記録の書き方を扱った記事が最も読まれていますが、その意味は今後も変わらないでしょう。

同じ日に報告された内容

9月18日の介護保険部会では、第1号保険料のあり方と、給付と負担を含む持続可能性の確保が議論されました。あわせて、介護情報基盤のほか、介護サービス事業者の経営情報、介護給付適正化、介護事業者の連携強化について報告が行われています。

2割負担となる一定以上所得の判断基準については、引き続き検討するとされました。金融所得を保険料や利用者負担に反映することや、金融資産の保有状況を負担に反映することについても、制度面と運用面の課題を踏まえて検討が続きます。

利用者の負担が変われば、サービスの使い方が変わります。当メディアで限度額を超えた訪問を扱った際に書いたとおり、費用は利用者がサービスを選ぶ際の判断材料です。

確認しておくこと

事業所としてできることを整理します。

担当している市町村が、それぞれいつ運用を開始するか。ポータルで確認できます。複数の市町村にまたがっているなら、一覧にしておくと準備の時期がわかります。

使っている介護ソフトが基盤に対応する予定か。ソフト会社に確認する話です。

ケアプランデータ連携システムを使っているか。使っていないなら、統合を待つのか、いま導入するのか。連携先のケアマネジャー事業所の状況も含めて判断することになります。

2028年4月は1年半先です。ただ、担当する市町村の一つが今年度中に始まるなら、準備の時間はそれほど残っていません。

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