訪問看護師の月収・年収はいくら?|2026年最新の業界相場と病棟看護師との給与の違い | HokanPress訪問看護
訪問看護師の月収・年収はいくら?|2026年最新の業界相場と病棟看護師との給与の違い
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Summary
「訪問看護師の月収・年収はどのくらいなのか」「病棟看護師より高いのか低いのか」——転職を考える看護師、訪問看護のキャリアを検討する方からよく聞かれる質問です。マイナビ看護師白書2026年版のデータと業界の一般的相場をもとに、経験年数別・地域別・職位別の給与の実態を、現役看護師の視点で率直に整理しました。
「訪問看護師の月収・年収って、実際のところいくらなのでしょうか」
転職を考えている病棟看護師の方、訪問看護のキャリアを検討中の方から、こんな質問をよく受けます。看護師として手術看護認定看護師として大学病院で長年勤務し、訪問看護にも関わってきた立場から、この質問に率直にお答えしたいと思います。
マイナビが2026年6月1日に公表した「看護師白書2026年版」によれば、看護師全体の66.8%が「給与は仕事に見合わない」と回答、仕事満足度はわずか37.0%、適正水準として「今より30%以上の引き上げ」を求める看護師が最多——この衝撃の数字は、業界全体の給与構造を改めて考える機会を与えてくれます。
訪問看護師の給与は、病棟看護師と比べて高いのか低いのか。経験年数や地域、職位によってどう変わるのか。オンコール手当はどのくらい付くのか。資格手当の相場は——こうした疑問に、業界の一般的な相場をもとに整理させてください。
なお、本記事に記載する数値は「業界の一般的目安」であり、個別の事業所・地域・経験により大きく異なります。具体的な転職判断の際は、必ず個別事業所の条件を確認してくださいね。
訪問看護師の月収の業界相場
まず、訪問看護師の月収の業界相場を、経験年数別に整理します。
新人看護師(1〜3年目)
訪問看護経験が浅い新人看護師の月収は、以下のような相場です。
新人看護師の月収目安:
- 基本給: 23万円〜27万円程度
- 諸手当合計: 3万円〜7万円程度
- 月収合計: 26万円〜34万円程度
ただし、訪問看護では「新卒からの訪問看護師」は多くありません。一般的には病棟経験を持つ看護師が訪問看護に転職するケースが多く、その場合は経験年数によって基本給が決まることが多いです。
中堅看護師(4〜10年目)
中堅看護師の月収は、以下のような相場です。
中堅看護師の月収目安:
- 基本給: 26万円〜32万円程度
- 諸手当合計: 4万円〜10万円程度
- 月収合計: 30万円〜42万円程度
中堅看護師は、訪問看護の実務をしっかり担える層として、ステーションの中核となる存在です。
ベテラン看護師(11年目以上)
ベテラン看護師の月収は、以下のような相場です。
ベテラン看護師の月収目安:
- 基本給: 30万円〜38万円程度
- 諸手当合計: 5万円〜13万円程度
- 月収合計: 35万円〜51万円程度
認定看護師、専門看護師、特定行為研修修了者などの資格を持つベテランは、上限値に近い水準となるケースが多いです。
管理者クラス
管理者(所長、主任等)の月収は、以下のような相場です。
- 基本給: 35万円〜45万円程度
- 諸手当合計: 7万円〜15万円程度
- 月収合計: 42万円〜60万円程度
管理者の責任は重く、その分の処遇が反映される構造です。
月収を構成する諸手当の中身
月収に含まれる諸手当は、複数の要素で構成されています。
- 資格手当(認定看護師、専門看護師等)
- 職務手当(役職等による)
- オンコール手当
- 訪問手当(出来高制の場合)
- 住宅手当
- 通勤手当
- 家族手当
これらの組み合わせと水準は、事業所により大きく異なります。
訪問看護師の年収の業界相場
年収の業界相場(経験年数別)
年収には、月収12か月分に加えて賞与が含まれます。
- 新人看護師(1〜3年目): 350万円〜420万円程度
- 中堅看護師(4〜10年目): 420万円〜520万円程度
- ベテラン看護師(11年目以上): 490万円〜640万円程度
- 管理者クラス: 580万円〜780万円程度
賞与の業界相場
- 年間2か月分〜4か月分が中心
- 機能強化型ステーションでは4か月分以上のケースも
- 中小ステーションでは2か月分以下のケースも
- 開業初期は支給が限定的
- 経営状況により変動
退職金・年金
- 自社規程による退職金
- 中小企業退職金共済(中退共)
- 確定拠出年金(企業型DC)
- 退職金なしのステーションも存在
「目先の月収」だけでなく、「生涯収入」の視点も重要です。
福利厚生の価値
数字に表れない福利厚生も、収入の一部として考えられます。
- 健康診断・人間ドック
- 予防接種補助
- 研修参加費補助
- 資格取得支援
- 慶弔見舞金
- リフレッシュ休暇
これらが充実しているかどうかも、就業先選択の重要な判断材料です。
病棟看護師との給与比較
月収の比較
- 訪問看護師: 病棟看護師よりやや低い〜同等
- 大病院の病棟看護師の方が、月収は高い傾向
- 中小病院の病棟看護師は、訪問看護師と同等程度
- オンコール手当を含めると、訪問看護師が逆転するケースも
「訪問看護=高給」という単純な構図ではありません。
年収の比較
- 大病院: 賞与4〜5か月分で年収高め
- 中小病院: 賞与2〜3か月分で訪問看護と同等
- 訪問看護: 賞与2〜4か月分が一般的
- 機能強化型ステーション: 賞与4か月分以上のケースも
月収・年収以外の比較ポイント
数字だけでなく、働き方の質も比較すべきポイントです。
- 夜勤: 病棟ありvs訪問看護なし(原則)
- オンコール: 病棟少なめvs訪問看護多め
- 残業: 個別事業所により異なる
- 休暇取得: 個別事業所により異なる
- 業務の自律性: 訪問看護の方が高い傾向
ライフステージとの相性
ライフステージにより、訪問看護と病棟看護師の相性も変わります。
- 独身・若手: 病棟看護師でキャリア構築
- 結婚・出産期: 訪問看護で柔軟な働き方
- 育児・介護期: 訪問看護の短時間勤務
- 復職期: 病棟・訪問看護どちらも選択肢
- ベテラン期: 訪問看護でキャリア継続
自分のライフステージに合った選択が、長期的な充実につながります。
オンコール手当の実態
訪問看護師独特の手当として、オンコール手当の実態を整理します。
オンコール手当の業界相場
オンコール手当の業界相場は、以下のような構造です。
- 待機手当(1回1日): 3,000円〜6,000円が中心
- 夜間出動時: 5,000円〜15,000円追加
- 深夜・休日割増
- 月の上限設定がある場合も
月収への影響
オンコール手当が月収に与える影響は、無視できない規模です。
- 月4回担当、出動2回: 月+1.8万円〜3.4万円程度
- 月8回担当、出動4回: 月+4.4万円〜7.8万円程度
- 月12回担当、出動6回: 月+6.6万円〜11.4万円程度
オンコール体制の選択が、月収にも反映される構造です。
「割に合うか」の判断
オンコール手当について、「割に合うか」の判断は個人により異なります。
- 待機時間の精神的拘束
- 出動時の心身負担
- 翌日の業務への影響
- 家族との時間
- プライベートの制約
「手当の金額」だけでなく「実質的な負担」を踏まえた判断が必要です。
オンコール免除の選択肢
- 育児中・介護中の免除
- 健康上の理由による免除
- 日勤専従の働き方
- 連携型オンコールへの参加
- 短時間勤務
「オンコールが負担」と感じる方は、こうした選択肢も検討できます。
オンコール体制の比較
転職や就職先の選択時は、オンコール体制の比較も重要です。
- 月の担当回数
- 1回あたりの手当
- 出動頻度
- 翌日の業務調整
- 連携型かどうか
- 免除の柔軟性
「手当の高さ」だけでなく「運用の実態」を確認することが大切です。
資格手当の相場
専門資格を持つ看護師の手当も、給与の重要な要素です。
認定看護師の資格手当
- 月1万円〜3万円程度
- 専門領域による差
- 機能強化型ステーションでは高めの傾向
- 大手法人グループでは充実
認定看護師資格は、年収を底上げする重要な要素です。
専門看護師の資格手当
- 月2万円〜5万円程度
- 専門領域による差
- 教育機関での経験への評価
- 修士号取得への評価
専門看護師は、訪問看護業界でも希少な存在として、高く評価されます。
特定行為研修修了者の資格手当
特定行為研修修了者の手当も、近年充実してきています。
- 月1万円〜3万円程度
- 修了区分による差
- 在宅医療領域での評価
- 業界内で評価が高まる傾向
特定行為研修修了者は、これからの訪問看護で評価が高まる存在です。
その他の資格・スキル
その他の資格・スキルも、給与に反映される可能性があります。
- 認知症ケア専門士
- 緩和ケア認定看護師
- 訪問看護認定看護師
- ICT関連スキル
- 多職種連携スキル
「資格を持つ」だけでなく「現場で活かす」ことが評価につながります。
資格取得への投資
- 認定看護師: 受講料50万円〜80万円程度
- 専門看護師: 修士課程の学費
- 特定行為研修: 50万円〜150万円程度
- 自己負担と事業所支援の組み合わせ
「目先のコスト」より「長期的なリターン」を見る視点が重要です。
地域による給与差
都市部の給与傾向
都市部(東京・大阪・名古屋等)の給与傾向は、以下のような特徴があります。
- 全体的に給与水準が高い
- 競争が激しく、給与競争も
- 大手法人グループが多い
- 機能強化型ステーションが多い
- 専門特化型ステーションも多い
ただし、生活費(家賃等)も高いため、手取り感覚は数字ほど高くないケースも多いです。
地方都市の給与傾向
地方都市の給与傾向は、以下のような特徴があります。
- 都市部よりやや低めの水準
- 生活費が安いため実質収入は高い
- 中小ステーションが中心
- 地域に根ざした運営
- 安定的な経営
地方都市は、ワークライフバランスを重視する看護師に向いています。
過疎地・離島の給与傾向
- 看護師不足のため給与が高めのケースも
- 特別地域訪問看護加算の収益反映
- 移住支援制度の活用可能性
- 生活費の安さ
- 独自のやりがい
「地域に貢献する看護師」というキャリアを求める方には、魅力的な選択肢です。
地域選択の視点
- 生活費(家賃、物価)
- 通勤距離
- 家族の生活基盤
- 子どもの教育環境
- 自然環境・文化
「給与の数字」だけでなく「総合的な暮らしの質」を考えることが大切です。
地域移住の選択肢
近年は、地域移住しながら看護師として働く選択肢も広がっています。
- 自治体の移住支援制度
- 訪問看護の人材確保策
- リモートでの一部業務
- 副業・兼業
- 段階的な移住
「働き方と暮らし方」の両方を見直す機会として、地域移住を検討する看護師も増えています。
給与アップを実現する具体的な方法
最後に、看護師個人として給与アップを実現する具体的な方法を整理します。
方法1: 自分の市場価値を知る
- 経験年数
- 専門資格の有無
- 訪問看護経験の長さ
- 専門領域
- マネジメント経験
- ICTリテラシー
これらに基づいた市場価値を、転職市場で確認することができます。
方法2: 専門資格の取得
- 訪問看護認定看護師
- 緩和ケア認定看護師
- 認知症看護認定看護師
- 専門看護師(在宅看護等)
- 特定行為研修修了
長期的なキャリア投資として、検討する価値があります。
方法3: 機能強化型ステーションへの移籍
機能強化型ステーションへの移籍も、給与アップの選択肢です。
- 給与水準が一般に高い
- 福利厚生の充実
- 教育研修機会
- キャリア成長の機会
- 業界での評価
機能強化型の取得状況は、ステーション選択の重要な指標です。
方法4: 地域の比較
- 生活コストとのバランス
- 家族の生活基盤
- 子どもの教育環境
- 老後の生活
- やりがい
「給与が高い地域」と「自分に合う地域」のバランスを取ります。
方法5: 現職での交渉
- 業界相場の客観的データ
- 自身の貢献の明示
- 担当業務の拡大提案
- 資格取得計画の提示
- 長期就業意向の表明
「黙って我慢」ではなく、「率直に対話」する姿勢が、結果として給与アップにつながることもあります。
方法6: 副業・兼業の活用
- 訪問看護のスポット勤務
- 看護師としての講師業
- 執筆活動
- ICTスキルを活かした業務
- コンサルティング
「メイン+サブ」の収入構造が、看護師の生涯収入を支える選択肢となります。
方法7: キャリア戦略の長期化
最終的には、キャリア戦略の長期化が、給与アップの本質です。
- 5年後・10年後の目標
- 段階的な資格取得
- 経験の積み上げ
- 業界でのポジション確立
- 起業・独立の選択肢
「短期的な給与アップ」より「長期的な生涯収入」を見る視点が、看護師人生を豊かにします。
給与に関する正しい認識
最後に、給与に関する正しい認識についてお伝えしたいことがあります。
「給与は権利」という認識
まず、看護師の給与は、専門職としての正当な権利です。
- 専門性への対価
- 業務負担への対価
- 責任への対価
- 健康リスクへの対価
- 長期的な貢献への対価
「もらえるだけありがたい」ではなく、「正当な対価」という認識を持っていただきたいです。
「給与だけが全てではない」という認識
- やりがい
- 人間関係
- 成長機会
- ライフバランス
- 社会貢献感
「給与と価値の両方」を見るバランスが、長期的な充実につながります。
比較と納得感
他者との比較ではなく、自分なりの納得感が重要です。
- 自分の貢献度との関係
- 自分の生活設計との関係
- 自分の価値観との関係
- 自分のキャリア目標との関係
- 自分の心と体への対価
「他人と比べて」ではなく「自分にとって」が、本質的な判断軸です。
業界全体への影響
最後に、個々の看護師の給与判断が、業界全体に影響することも認識したいです。
- 適正処遇の実践
- 業界水準の維持
- 看護師の社会的地位
- 業界の持続可能性
- 後進への影響
「自分の給与」を考えることは、「業界全体の処遇」を考えることでもあります。
まとめ
訪問看護師の月収・年収は、業界の一般的相場として、月収26万円〜60万円、年収350万円〜780万円という幅広い構造です。経験年数、地域、職位、資格、ステーションの特性により大きく異なります。
病棟看護師との比較では、月収・年収ともに同等または訪問看護師がやや低い傾向ですが、夜勤の有無、業務の自律性、ライフステージとの相性を含めた総合的な判断が必要です。
オンコール手当(1回3,000円〜6,000円が中心、夜間出動時5,000円〜15,000円追加)、資格手当(認定看護師月1万円〜3万円、専門看護師月2万円〜5万円、特定行為研修修了者月1万円〜3万円)、地域差、福利厚生の価値など、月収・年収を構成する要素は多岐にわたります。
給与アップを実現する方法として、市場価値の把握、専門資格の取得、機能強化型への移籍、地域の比較、現職での交渉、副業・兼業の活用、長期的なキャリア戦略——7つの方向性を、自分のライフステージに合わせて選択することが重要です。
マイナビ看護師白書2026年版が示した「66.8%の給与不満」「37.0%の仕事満足度」「30%以上の引き上げ希望」という業界全体の構造問題は、看護師一人ひとりが正当な権利として処遇改善を求めていくことの重要性を示しています。
「給与は権利」という認識を持ちながら、「給与だけが全てではない」というバランスも保ち、他者との比較ではなく自分なりの納得感を大切にし、業界全体への影響も意識する——これらの視点が、看護師としての長期的な充実につながります。
なお、本記事に記載した数値は、すべて「業界の一般的目安」です。個別の事業所・地域・経験により大きく異なります。具体的な転職判断の際は、必ず個別事業所の条件を確認していただきたいと思います。
訪問看護師として働く全ての方々が、自分らしい働き方と適正な処遇を実現できる業界になっていくことを、心から願っています。HokanPressでは、訪問看護師の皆さんに役立つ実践的な情報を、これからも発信していきます。
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執筆者
未希
看護師・編集長
大学病院 手術室 10年(麻酔科・外科 幅広い手術を担当)
大学病院の手術室で10年、多岐にわたる外科手術に携わる。手術看護認定看護師として後進指導にもあたった後、現在は訪問看護の現場でキャリアチェンジ中。急性期と在宅の両視点から、看護師に寄り添う情報発信を行っています。
保有資格: 看護師免許 / 手術看護認定看護師 / 医療安全管理者 / BLSプロバイダー
※本記事は公的統計データをもとに看護師資格保有者が執筆しています