【2026年10月 全面改稿】この記事は2026年6月に公開したものを、日本看護協会の賃金調査などの一次資料にもとづいて書き直しました。初版では、経験年数別・職位別の月収と年収、オンコール手当や資格手当の「業界相場」、賞与の月数などを示していましたが、出典を確認できない数字や、全国調査の平均と食い違う数字が含まれていました。お詫びして訂正します。
訪問看護師の給与は、病院で働く看護師と比べて高いのか、低いのか。公的な調査の数字で確かめます。
日本看護協会の「2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査」では、正規雇用でフルタイムの看護職員の年収は、次のとおりでした。
| 勤務先 | 年収(平均) |
|---|---|
| 病院 | 576万2,314円 |
| 訪問看護ステーション | 549万8,716円 |
訪問看護ステーションの勤務者では、年収500万〜600万円未満が24.8%で最も多くなっています。
月の給与(2025年1月分)で比べても、病院がやや上回ります。
| 勤務先 | 基本給月額 | 税込給与総額 |
|---|---|---|
| 病院 | 28万3,304円 | 40万9,436円 |
| 訪問看護ステーション | 28万46円 | 38万3,262円 |
基本給はほぼ同じですが、夜勤手当などを含む税込給与総額では、病院が2万6,000円あまり高い結果です。同じ調査は、訪問看護ステーション勤務者の賃金が、同年代の病院勤務者より低かったとしています。
同じ調査では、訪問看護ステーションに常勤スタッフの給与も尋ねています。事業所で最も給与が高いスタッフの平均は基本給27万1,336円・税込総額35万2,456円、最も低いスタッフの平均は基本給23万8,195円・税込総額29万9,210円でした。
訪問看護に特有なのがオンコールの手当です。同じ調査の訪問看護ステーション勤務者の平均は、次のとおりでした。
| 手当 | 1回あたり平均 | 月の平均回数 |
|---|---|---|
| オンコール待機(待機のみ) | 2,233円 | 7.7回 |
| オンコール対応(電話対応) | 609円 | 5.0回 |
| 緊急出動 | 1,791円 | 2.3回 |
平均額と平均回数で計算すると、月の手当は2万4千円あまりになります(編集部の試算。時間外手当は含みません)。手当の額や数え方は事業所によって大きく異なるため、求人票で確認が必要です。→ オンコール待機が労働時間と認められた判決
専門性の高い看護師への手当がある訪問看護ステーションは、半数に届きません。
| 資格 | 手当がある事業所 | 手当がある場合の平均 |
|---|---|---|
| 専門看護師 | 39.4% | 月1万9,615円 |
| 認定看護師 | 44.3% | 月1万3,574円 |
| 特定行為研修修了者 | 34.1% | 月1万148円 |
認定看護師教育課程や特定行為研修の受講料は、教育機関や区分によって異なります。各機関の募集要項で確認しましょう。
職種全体の水準は、厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査で確かめられます。看護師(平均42.1歳・勤続9.8年)の所定内給与額は月33万3,200円、年間賞与は85万6,400円でした。→ 看護師の平均給与
民間の調査では、給与への不満も示されています。マイナビの「看護師白書2026年版」(2026年6月1日公表)では、マイナビ看護師の登録会員406人のうち66.8%が、給与は仕事に見合わないと答えました。仕事に満足している人は37.0%、適正な給与として「今より30%以上多い金額」を挙げた人が36.5%で最多でした。
訪問看護の賃上げの財源は、報酬の仕組みで手当てされています。
給与を比べるときは、基本給、手当(オンコール・資格・車両など)、賞与、そして事業所がこうした加算を算定しているかを、求人票や面接で確かめることが大切です。
出典: 日本看護協会「2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査」報告書・ニュースリリース(2025年6月24日)、厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(職種)第1表、マイナビ「看護師白書2026年版」(2026年6月1日)、厚生労働省「令和8年度診療報酬改定の概要」