残薬の 確認は 記録に 残す——2026年度改定で 運営基準に 明記された 服薬状況の 把握|薬局に 伝えると いう 新しい 道

Summary
薬カレンダーを開けて、火曜日のポケットに薬が残っている。訪問看護師なら何度も見てきた光景です。2026年度改定で、服薬状況と残薬の確認が運営基準に明記され、把握した内容を訪問看護記録書に記入して保存することが求められるようになりました。主治医だけでなく薬局にも伝えることが望ましいとされています。残薬から何が読み取れるのか、どう聞き、どう書き、誰に渡すのかを整理します。
薬カレンダーを開けると、火曜日のポケットに薬が残っていることがあります。
月曜と水曜は空なのに、火曜だけ手つかず。「飲み忘れちゃったのね」で終わらせていた時期が私にもありました。でも火曜日はデイサービスの日で、帰宅が夕方になり、そのまま横になって夕食を抜いた日だったと後から分かりました。残った薬は、飲み忘れではなく生活の変化のサインでした。
2026年度の診療報酬改定で、この残薬の確認が運営基準に書き込まれました。
何が変わったのか
改定では、指定訪問看護の提供にあたって、服薬状況の確認も含めた利用状況等の把握を行う必要があることが明確化されました。服薬状況には残薬の状況が含まれます。
基準省令では、利用者の心身の状況や病歴などとあわせて服薬状況の把握に努めることが定められ、把握した内容を訪問看護記録書に記入して保存することが求められています。
もう一つ大きいのが情報提供の相手です。主治医への情報提供に加えて、利用者の同意を得たうえで保険薬局へ情報提供を行うことが望ましいと規定されました。
これまでも残薬に気づけば主治医に伝えていました。ただ、薬局に直接伝える道は制度の上ではっきりしていませんでした。訪問看護師が見つけた飲みにくさを、薬剤師に直接返せる。一包化や剤形の変更につながる可能性が、制度の側から開かれたことになります。
同じ改定では、在宅時医学総合管理料と施設入居時等医学総合管理料にも残薬を確認したうえで適切な服薬管理を行うことが要件に加わり、処方箋の新しい様式には残薬確認時の指示欄が追加されました。外来、在宅医療、訪問看護の三つの領域で、同じ方向の見直しが同時に進んでいます。
残薬は、何のサインか
残薬を「飲み忘れ」の一言でまとめてしまうと、その先が見えなくなります。私が訪問先で出会ってきた残り方には、いくつかの型があります。
特定の曜日だけ残る。 その日に何があるかを確認します。デイサービス、通院、家族が来る日。生活のリズムが崩れる日に飲めていないことがあります。
朝だけ、あるいは夕だけ残る。 朝の残薬は起床時間の変化や食欲の低下と重なることが多く、夕の残薬は夕食を食べていない可能性を示します。食事量の変化を先に疑います。
特定の薬だけ残る。 大きい錠剤が飲み込みにくい。粉薬でむせる。苦い。副作用がつらくて自分で止めた。この場合は本人に理由があります。聞かなければ分かりません。


