2026年度の診療報酬改定が4月1日に施行されました。今回の改定は「医療従事者の働き方改革」と「地域医療構想の推進」を2本柱とし、看護職に直接関わる変更点が多く含まれています。本稿では、看護師が日々の業務で特に意識すべき5つのポイントを解説します。
【ポイント1】看護職員処遇改善評価料の新設
看護職員の賃上げを目的として、新たに「看護職員処遇改善評価料」が新設されました。対象は一般病棟に勤務する看護職員で、月額平均で約12,000円の賃金改善が見込まれます。算定にあたっては、賃金改善計画の策定と届出が必要となるため、各医療機関の看護管理者は早急な対応が求められます。
【ポイント2】夜間看護体制の評価見直し
夜間における看護体制の充実を図るため、「夜間看護体制加算」の要件が見直されました。従来の「月平均夜勤時間72時間以内」に加え、夜勤後の連続勤務制限に関する新たな基準が設けられています。具体的には、夜勤明けの翌日に日勤を組まないことが望ましいとするガイドラインが示されました。
【ポイント3】特定行為研修修了者の活用促進
特定行為研修を修了した看護師(NP的役割)の活動範囲が拡大されました。新設された「特定行為実施管理料」により、手順書に基づく特定行為の実施に対して診療報酬上の評価が行われます。これにより、特定行為研修修了者の配置が医療機関にとっても経営上のメリットとなることが期待されます。
【ポイント4】訪問看護の報酬体系の見直し
訪問看護療養費については、複数回訪問の評価が見直され、1日に3回以上の訪問を行った場合の加算が引き上げられました。また、ターミナルケアに関する加算も増額され、在宅での看取りを支援する訪問看護ステーションの経営基盤強化が図られています。精神科訪問看護についても、長時間訪問の評価が新設されました。
【ポイント5】医療DX推進に伴う看護記録の電子化要件
電子カルテの標準化推進に伴い、看護記録の電子化に関する新たな施設基準が設けられました。2027年度末までに看護記録の完全電子化を完了することが、一部の加算算定の要件に追加されています。紙カルテを併用している医療機関は、移行計画の策定が必要です。
今回の改定は看護職にとって追い風となる内容が多く含まれていますが、算定要件の確認と院内体制の整備が不可欠です。各医療機関の看護部門は、事務部門と連携して早期に対応を進めることをお勧めします。