【2026年10月 全面改稿】この記事は2026年4月に公開した速報を、告示・通知などの確定した資料にもとづいて書き直したものです。初版には、施行日を4月1日としたほか、新設項目や加算の増減について一次資料と合わない記述がありました。お詫びして訂正します。
2026年度の診療報酬改定は、2026年6月1日に施行されました(薬価は4月1日)。診療報酬本体の改定率は2026・2027年度の2年度平均で+3.09%(2026年度+2.41%、2027年度+3.77%)で、このうち賃上げ分が+1.70%、物価対応分が+0.76%です。
看護職の仕事と処遇に関わる変更点を、厚生労働省の資料から5つに整理します。
改定は、2026・2027年度にそれぞれ3.2%(看護補助者・事務職員は5.7%)のベースアップを実現するための措置を盛り込みました。ベースアップ評価料は、対象となる職員が広がり、2026年度と2027年度の2段階で評価される仕組みになっています。
夜勤職員の確保のため、看護職員処遇改善評価料とベースアップ評価料による収入を、夜勤手当の増額に使えるようになりました。看護職員処遇改善評価料は今回新設されたものではなく、従来からある評価料の使い道が広がった形です。
訪問看護では、訪問看護ベースアップ評価料(Ⅰ)が月1回780円から1,050円(継続的に賃上げをしているステーションは1,830円)に引き上げられ、2027年6月からはさらに2,100円・2,880円になります。→ 訪問看護ベースアップ評価料
2026・2027年度の物価上昇に段階的に対応するため、初診料・入院料などに併せて算定する「物価対応料」が新設されました。2027年6月以降は、2026年度の2倍の額になります。
訪問看護では「訪問看護物価対応料」が新設され、訪問看護管理療養費を算定する利用者について、月の初日の訪問は60円、2日目以降は20円です。→ 訪問看護物価対応料
病院の看護配置について、二つの柔軟化が行われました。
配置基準そのものを地方の病院に限って引き下げる、という内容ではありません。→ 看護師配置基準の取扱いの柔軟化
訪問看護では、同じ建物に住む利用者の人数などに応じた、きめ細かな評価に見直されました。
ステーションは、日々の訪問について実際の開始時刻と終了時刻を記録し、保管することとされています。→ 複数名・難病等複数回の見直し、同一建物居住者の20分・2時間ルール
高齢者向け住まい等に併設・隣接するステーションが、届け出た建物の利用者に24時間体制で頻回の訪問看護を行う場合の、1日あたりの包括評価「包括型訪問看護療養費」が新設されました。
また、精神障害を有する利用者への重点的な支援の実績を評価する「機能強化型訪問看護管理療養費4」(月の初日9,030円)が新設されました。常勤の看護職員4人以上に加え、別表第7・第8の利用者が月3人以上いることなどが要件です。→ 包括型訪問看護療養費、機能強化型4の要件
今回の改定で看護職に直接関わるのは、賃上げ(ベースアップ評価料と夜勤手当)、物価対応料、病院の看護配置の柔軟化、訪問看護の同一建物・人数別の評価の4つの流れです。訪問看護の加算の全体は「訪問看護の加算一覧【2026年版】」と加算辞典で、告示・通知の条文の位置とあわせて確認できます。
出典: 厚生労働省保険局医療課「令和8年度診療報酬改定について【全体概要版】」(令和8年3月10日版)、「訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法」(告示第67号)、「訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」(保発0305第19号)