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複数名訪問看護加算・難病等複数回訪問加算が大幅見直し|2026年6月から「同一建物・人数別評価」で算定はこう変わる

HokanPress編集部 · 2026年5月31日
2026年6月1日施行の診療報酬改定で、複数名訪問看護加算と難病等複数回訪問加算が大幅に見直されます。同一日・同一建物内で算定する人数に応じた区分が新設され、10人以上・20人以上・50人以上の階段的な評価へ変更されます。経営者・管理者が今すぐ押さえるべき変更内容と、レセプト請求実務への影響を整理します。

2026年6月1日施行の診療報酬改定で、訪問看護の複数名訪問看護加算と難病等複数回訪問加算が大幅に見直されます。これまで一律だった算定額が、同一日・同一建物内で算定する人数に応じて細分化される構造に変わります。

これは、ホスピス型住宅やサービス付き高齢者向け住宅のような集合住宅で、大人数への効率的な訪問を行ってきた事業者に対する適正化措置として位置づけられています。一方で、適正に訪問看護を提供している事業者にとっても、レセプト請求方法の根本的な変更となります。

施行まで残り1か月余り。経営者・管理者として、変更内容を正確に理解し、6月1日からの円滑な算定開始に向けて準備する必要があります。HokanPress編集部では、今回の見直しのポイントを整理しました。

改定の全体像

まず、今回の見直しの全体像を確認します。

見直しの対象となる加算

2026年6月1日施行で見直される主な加算は以下の通りです。

第一に、難病等複数回訪問加算。同一日に2回以上訪問する場合に算定可能な加算です。

第二に、夜間早朝加算。夜間(18時〜22時)、早朝(6時〜8時)の訪問時に算定可能な加算です。

第三に、深夜加算。深夜(22時〜翌6時)の訪問時に算定可能な加算です。

第四に、複数名訪問看護加算。看護師2名以上で訪問する必要がある場合の加算です。

第五に、複数名精神科訪問看護加算。精神科訪問看護で看護師2名以上での訪問が必要な場合の加算です。

これらすべてが、同一日・同一建物内の算定人数に応じた評価へ変更されます。

変更の基本構造

変更後の基本構造は、以下のような階段的な区分となります。

例えば、保健師・助産師・看護師の場合の区分:

  • 同一日に2〜9人: これまでと算定料は変わらない
  • 同一日に10〜19人: 新区分
  • 同一日に20〜49人: 新区分
  • 同一日に50人以上: 新区分

人数が増えるほど、1人あたりの算定額が段階的に下がる構造となります。

改定の背景

今回の見直しの背景には、複数の構造的問題があります。

第一に、集合住宅での大人数訪問の効率性。ホスピス型住宅やサ高住では、1日に10人、20人、時には50人を超える利用者への訪問が行われています。これらの大規模訪問では、移動コストや事務コストが少なくなるため、単価を細分化することで「効率性に応じた評価」を実現する設計です。

第二に、2025年に表面化した不正請求問題。サンウェルズによる約28億円の不正請求、医心館等での同様の疑惑など、集合住宅併設の訪問看護で問題が表面化しました。今回の見直しは、こうした問題への構造的な対応の一つです。

第三に、医療費の適正化。中央社会保険医療協議会の議論では、訪問看護療養費の急増(2008年648億円→2023年6,072億円、約9.4倍)に対する適正化が継続的に議論されてきました。

これらの背景から、適正な看護提供を維持しつつ、効率性に応じた評価を行う制度設計となりました。

各加算の変更内容

ここから、各加算の変更内容を整理します。

変更1: 難病等複数回訪問加算

難病等複数回訪問加算は、同一日に2回以上訪問する場合に算定可能な加算です。

主な変更点:

これまでは、訪問人数に関わらず一律の算定額でした。改定後は、同一日・同一建物内で算定する人数に応じた区分が新設されます。

区分の例:

  • 同一日に2〜9人: 従来通りの算定額
  • 同一日に10〜19人: 中間区分の算定額
  • 同一日に20〜49人: より低い算定額
  • 同一日に50人以上: 最も低い算定額

具体的な点数は、3月発表の告示で示されています。レセプトソフトのアップデートで対応が進められていますが、経営者として、自ステーションの算定見込みを再計算する必要があります。

変更2: 夜間早朝加算

夜間早朝加算は、夜間(18時〜22時)と早朝(6時〜8時)の訪問時に算定可能な加算です。

主な変更点:

難病等複数回訪問加算と同様に、同一日・同一建物内の算定人数に応じた区分が新設されます。

階段的評価の構造:

  • 少人数(2〜9人): 従来通り
  • 中人数(10〜19人): 中間
  • 大人数(20〜49人): 低額
  • 超大人数(50人以上): 最低額

夜間早朝訪問の必要性は変わりませんが、同一建物内で複数人に対応する場合の効率性が反映される設計です。

変更3: 深夜加算

深夜加算は、深夜(22時〜翌6時)の訪問時に算定可能な加算です。

主な変更点:

夜間早朝加算と同様の階段的評価が導入されます。

深夜訪問は看護師の負担が特に大きい時間帯ですが、同一建物内で複数人に対応する場合の効率性は反映される構造です。看護師の負担への配慮と、効率性への評価のバランスを取る制度設計と言えます。

変更4: 複数名訪問看護加算

複数名訪問看護加算は、看護師2名以上で訪問する必要がある場合の加算です。

主な変更点:

複数名訪問加算でも、同一日・同一建物内の算定人数に応じた評価が導入されます。

ただし、複数名訪問の医学的必要性は変わりません。利用者の状態、ご家族の状況、安全確保の必要性などから、複数名訪問が必要な場合の評価は維持されます。

変更5: 複数名精神科訪問看護加算

複数名精神科訪問看護加算は、精神科訪問看護で看護師2名以上での訪問が必要な場合の加算です。

主な変更点:

精神科訪問看護でも、複数名訪問の評価が同一日・同一建物内の人数に応じた区分となります。

精神疾患を持つ利用者への複数名訪問は、特に安全確保の観点から重要な体制です。医学的必要性に基づく算定は維持されつつ、効率性が反映される構造です。

経営インパクトの試算

今回の見直しが、ステーション経営に与えるインパクトを試算します。

ケースA: 一般的な訪問看護ステーション

利用者構成:

  • 通常の在宅利用者中心
  • 1日あたり同一建物内訪問は2〜5人程度

影響:

  • 大半の訪問は2〜9人区分に該当
  • 算定額の大幅変更はほぼなし
  • 微減または現状維持

このタイプのステーションでは、今回の改定の影響は限定的です。

ケースB: ホスピス型住宅併設ステーション

利用者構成:

  • ホスピス型住宅入居者中心
  • 1日あたり同一建物内訪問が10〜30人

影響:

  • 10〜19人区分、20〜49人区分の算定が中心に
  • 1利用者あたりの算定額が10〜25%程度減少する可能性
  • 全体収益への影響は無視できない

このタイプのステーションでは、収益構造の根本的な見直しが必要となります。

ケースC: 大規模サ高住併設ステーション

利用者構成:

  • サ高住入居者中心
  • 1日あたり同一建物内訪問が50人以上

影響:

  • 50人以上区分の算定が中心に
  • 1利用者あたりの算定額が大幅減少
  • 収益への影響が最も大きい

このタイプのステーションでは、ビジネスモデルそのものの転換を求められる可能性があります。

試算からの示唆

これらの試算から、今回の見直しが特定のビジネスモデルに集中的な影響を与える構造であることが分かります。

国の方針として、適正に訪問看護を提供する事業者は影響が少ない一方、効率性に過度に依存した運営をしてきた事業者には大きな影響が出る設計となっています。

経営者・管理者が今すぐやるべき5つのこと

施行まで残り1か月余り。経営者・管理者が今すぐやるべき5つのことを整理します。

アクション1: 自ステーションの算定実績の分析

まず、過去6か月の算定実績を分析します。

分析項目:

  • 難病等複数回訪問加算の月間算定数
  • 夜間早朝加算の月間算定数
  • 深夜加算の月間算定数
  • 複数名訪問看護加算の月間算定数
  • 複数名精神科訪問看護加算の月間算定数
  • 同一日・同一建物別の算定人数の分布

これらを把握することで、今回の改定が自ステーションに与える影響の規模が見えます。

アクション2: 6月以降の収益試算

過去の算定実績をもとに、6月以降の収益試算を行います。

試算方法:

  • 6月以降の改定後点数を使った再計算
  • 過去6か月分の算定を改定後で試算
  • 月間収益の差額算出
  • 年間収益への影響額算出

この試算により、今回の改定が自ステーションの収益に与える影響額が明確になります。

アクション3: レセプトソフトの対応確認

レセプトソフトベンダーが、6月施行に向けて対応を進めています。

確認項目:

  • 改定後点数への対応時期
  • 同一建物・人数別の自動カウント機能
  • 算定エラーチェック機能
  • アップデート費用

レセプトソフトの対応が遅れると、6月以降の算定で混乱が生じます。ベンダーに直接確認することが重要です。

アクション4: 訪問記録様式の見直し

新しい算定区分に対応するため、訪問記録様式の見直しが必要です。

追加すべき記録項目:

  • 同一日に訪問した同一建物内の人数
  • 訪問先建物の特定情報
  • 同一建物内訪問の医学的必要性
  • 効率性と質のバランスの根拠

訪問記録は算定の根拠となるため、新区分に対応した記録様式が必須となります。

アクション5: スタッフへの説明

改定内容を、現場スタッフに丁寧に説明します。

説明すべき内容:

  • 改定の全体像
  • 自ステーションへの影響見込み
  • 訪問記録の記載方法の変更
  • 利用者・ご家族への説明準備
  • 業務フローの変更点

スタッフが改定を理解していないと、現場での記録ミスや算定ミスが発生します。施行前の周知が、円滑な運用の前提となります。

レセプト請求実務への影響

今回の改定は、レセプト請求実務にも大きな変更をもたらします。

影響1: 算定区分の判定

同一日・同一建物内の訪問人数を、レセプトごとに正確に判定する必要があります。

判定のポイント:

  • 同一日の定義(日付ベース)
  • 同一建物の定義(物理的な同一建物)
  • 算定対象の利用者カウント
  • 区分の正確な選択

これらを誤ると、算定エラーや返還リスクにつながります。

影響2: 訪問記録の精度向上

新しい算定区分の根拠として、訪問記録の精度がさらに重要となります。

記録すべき項目:

  • 訪問日時の正確な記載
  • 訪問先建物の特定
  • 同一建物内の他の訪問利用者数
  • 個別の医学的必要性

形式的な記録では不十分で、客観的事実に基づく具体的な記録が求められます。

影響3: 実地指導への対応

新しい算定区分に基づく実地指導では、新区分の運用が確認対象となります。

実地指導での確認項目:

  • 算定区分の選択根拠
  • 訪問記録の整合性
  • 同一建物内の人数カウント
  • 算定漏れ・不適切算定の有無

実地指導対応のため、算定根拠資料の整理・保存が重要となります。

影響4: 月次レセプト前の確認体制

月次レセプト提出前に、新しい算定区分の確認体制を整える必要があります。

確認体制:

  • 同一日・同一建物別の集計
  • 区分選択の妥当性確認
  • 算定エラーのチェック
  • 訪問記録との照合

これらを月次フローに組み込むことで、適切な算定が継続できます。

ホスピス型住宅・サ高住併設事業者の対応

特に影響が大きいホスピス型住宅・サ高住併設の事業者は、より踏み込んだ対応が必要です。

対応1: ビジネスモデルの再検討

これまでの収益構造が、改定後も維持できるかを冷静に評価します。

検討項目:

  • 1利用者あたりの収益見込み
  • 看護師1人あたりの収益見込み
  • 固定費(賃料、人件費等)とのバランス
  • 経営の持続可能性

検討結果次第では、ビジネスモデルの転換が必要となる場合があります。

対応2: 訪問の質の見直し

「20分ルール」(精神科訪問看護で導入される最低訪問時間20分の基準)とともに、訪問の質の見直しが求められます。

質の見直し項目:

  • 各利用者への訪問時間
  • 訪問内容の実質性
  • 医学的必要性の根拠
  • 看護師の専門性発揮

質の高い訪問看護を提供することが、長期的な経営継続の前提となります。

対応3: 連携先・紹介関係の透明化

ホスピス型住宅・サ高住との連携関係を透明化することも、重要な対応です。

透明化すべき点:

  • 紹介関係の契約内容
  • 対価関係の有無
  • 利用者の事業所選択権の保障
  • 同一法人グループ内取引の整理

これらの透明化が、業界全体の信頼回復にもつながります。

対応4: 撤退・転換の検討

それでも経営継続が困難と判断される場合、撤退や事業転換の検討も必要です。

選択肢:

  • 一般の在宅利用者中心への転換
  • 機能強化型訪問看護管理療養費の取得
  • 特定領域への特化
  • M&Aによる事業継承
  • 段階的な事業縮小

早期の経営判断が、利用者・スタッフへの影響を最小化できます。

一般的な訪問看護ステーションの対応

集合住宅併設でない一般的な訪問看護ステーションへの影響は限定的ですが、対応すべき点はあります。

対応1: 算定区分の理解

たとえ大人数訪問が少なくても、新しい算定区分を理解しておく必要があります。

理解すべき点:

  • 同一日・同一建物の定義
  • 区分の判定方法
  • 該当する場合の算定額
  • レセプト記載方法

将来的に同一建物内利用者が増える可能性もあるため、制度の理解は必要です。

対応2: レセプトソフトの対応

レセプトソフトのアップデートを確実に行います。

確認項目:

  • 6月1日までのアップデート完了
  • 新区分の自動判定機能
  • エラーチェックの強化
  • スタッフへの操作研修

ソフトの対応が遅れると、6月以降のレセプト請求で混乱が生じます。

対応3: 訪問記録の継続的な質向上

新しい算定区分に対応するため、訪問記録の質を継続的に向上させます。

向上すべき点:

  • 訪問日時の正確性
  • 訪問先建物の特定
  • 訪問内容の具体性
  • 医学的必要性の根拠

これは新区分対応だけでなく、実地指導対応や算定リスク管理にも有効です。

対応4: 算定漏れの防止

新区分の導入で、算定の複雑性が増します。算定漏れを防ぐ仕組みが必要です。

仕組みの例:

  • 月次レセプト前のダブルチェック
  • 算定漏れチェックリストの活用
  • レセプトソフトの警告機能の活用
  • 顧問税理士・社労士との連携

算定漏れは、年間で数十万円から数百万円の収益機会の損失につながります。

看護師の視点からの影響

経営者だけでなく、現場で働く看護師にも影響があります。

影響1: 訪問記録の負担増

新しい算定区分に対応するため、訪問記録の記載項目が増えます。

新記録項目:

  • 同一建物内訪問人数
  • 訪問先建物の特定
  • 個別の医学的必要性
  • 訪問時間の正確な記録

これらの記録負担を効率化するため、ICT活用がより重要となります。

影響2: 業務フローの変更

新区分に対応するため、業務フローの変更が必要となります。

変更点:

  • 訪問スケジュールの最適化
  • 同一建物内訪問の事前確認
  • 記録方法の標準化
  • 算定根拠の明確化

スタッフ間での新しい業務フローの共有が、円滑な運用の前提となります。

影響3: ホスピス型住宅勤務看護師への影響

ホスピス型住宅併設ステーションで働く看護師には、より大きな影響があります。

影響の側面:

  • 経営状況変化に伴う待遇への影響可能性
  • 業務量・業務内容の変化
  • キャリア選択の見直し機会
  • 転職市場の動向

看護師個人として、自身のキャリアを冷静に見直す機会となります。

影響4: 質の高い看護への評価

長期的には、質の高い看護を提供する看護師への評価が高まる構造です。

評価される要素:

  • 専門的な看護スキル
  • 多職種連携能力
  • 利用者・ご家族との関係構築力
  • 記録の精度
  • 倫理的な業務遂行

「効率性」だけでなく「質」への評価が、看護師のキャリアにとってプラスとなります。

利用者・ご家族への影響

訪問看護を利用する方々への影響も整理します。

影響1: 訪問頻度の見直し可能性

集合住宅入居者では、過剰な訪問頻度の見直しが行われる可能性があります。

見直しの方向性:

  • 医学的必要性に基づく訪問頻度の適正化
  • 質の高い訪問への集約
  • ケアプランの見直し
  • 利用者・ご家族の意向確認

これは利用者にとって、より適切な看護が受けられる方向への変化です。

影響2: 事業所選択の自由

これまで「併設ステーションしか選べない」状況だった利用者にとって、事業所選択の自由が回復する可能性があります。

利用者の権利:

  • 訪問看護ステーションの自由な選択
  • 担当看護師との関係構築
  • ケアプランへの意向反映
  • 不適切なケアへの相談

これらは利用者の正当な権利として、改めて確認されるべき内容です。

影響3: 自己負担額への影響

加算の見直しにより、利用者の自己負担額にも変化があります。

自己負担への影響:

  • 同一建物内訪問の場合、1人あたりの単価が下がるため、自己負担も微減
  • 通常の在宅訪問では大きな変化なし
  • 詳細はレセプト確認時に把握可能

事業所として、自己負担額の変更については、利用者・ご家族への事前説明が必要です。

業界全体への影響と将来展望

今回の改定が、業界全体にどのような影響を与えるかを整理します。

短期的な影響(2026年6月〜2027年)

短期的には、以下のような変化が予想されます。

  • ホスピス型住宅・サ高住併設ステーションの収益減少
  • 不適切運営事業者の撤退・事業縮小
  • 一般の在宅訪問看護への参入シフト
  • レセプト請求実務の混乱と適応
  • 業界全体の自浄作用の進展

施行直後は混乱が予想されますが、徐々に新しい運営モデルが定着していきます。

中期的な影響(2027年〜2029年)

中期的には、業界の質的変化が進みます。

  • 適正運営事業者の評価向上
  • 質の高い訪問看護の標準化
  • 利用者・ご家族からの信頼回復
  • 看護師の専門性の評価
  • ビジネスモデルの多様化

「質」を軸にした業界再編が進む構造です。

長期的な展望(2029年以降)

長期的な展望としては、以下のような姿が見えてきます。

  • 適正な訪問看護の社会的地位確立
  • 看護師のキャリアパスの体系化
  • ICT・AI活用の標準化
  • 在宅医療の中核としての位置づけ強化
  • 国際的な訪問看護モデルの構築

2026年改定は、こうした長期的変化の出発点です。

経営者として持つべき視点

最後に、経営者として今回の改定にどう向き合うかの視点を整理します。

視点1: 「適正化」の本質を理解する

今回の改定は、単なる「収益削減」ではありません。「効率性」と「質」のバランスを取り直す構造的な見直しです。

経営者として、「適正な看護提供」が長期的に評価される構造であることを理解し、自ステーションの運営方針に反映させることが重要です。

視点2: 短期的な収益減と長期的な経営安定

特定のビジネスモデルでは、短期的に収益が減少する可能性があります。しかし、長期的には適正運営事業者にとってプラスとなる構造です。

短期的な数字に一喜一憂せず、長期的な経営安定を見据えた判断が求められます。

視点3: 制度を「正確に」理解する

訪問看護経営において、制度の正確な理解は、経営の差別化要因です。

今回の改定のような複雑な変更を、正確に理解し、適切に対応できる経営者と、曖昧にしか理解しない経営者では、3年後の経営状況に大きな差が生まれます。

視点4: スタッフ・利用者への誠実な対応

改定の影響を、スタッフと利用者・ご家族に対して誠実に説明することが、信頼関係の維持につながります。

「複雑だから」「経営の話だから」と隠すのではなく、関係者全員で共有することが、組織と地域の信頼を支えます。

視点5: 業界の未来への投資

今回の改定への対応は、目の前の問題対応だけでなく、業界の未来への投資でもあります。

質の高い訪問看護を提供する事業者が評価される業界へ。経営者として、その実現に向けて、地道な取り組みを続けていきたいと考えます。

まとめ

複数名訪問看護加算、難病等複数回訪問加算、夜間早朝加算、深夜加算、複数名精神科訪問看護加算——これらの加算が2026年6月1日施行で大幅に見直されます。同一日・同一建物内の算定人数に応じた階段的評価が導入され、レセプト請求実務に大きな変更が生じます。

施行まで残り1か月余り。経営者・管理者として、自ステーションの算定実績の分析、6月以降の収益試算、レセプトソフトの対応確認、訪問記録様式の見直し、スタッフへの説明を、確実に進めていただきたいと考えます。

ホスピス型住宅・サ高住併設の事業者にとっては、ビジネスモデルそのものの再検討が必要となる場合もあります。一般的な訪問看護ステーションへの影響は限定的ですが、制度の正確な理解と算定漏れの防止は、すべての事業者に共通する課題です。

2026年改定は、業界の質的変化の出発点です。質の高い訪問看護を提供する事業者が、適正に評価される構造への移行が始まります。経営者として、この転換点を自ステーションの成長機会として活かしていただきたいと願います。

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