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2027年度改定の意見交換会が始まった——訪問看護の番は第2回か第3回、12月には方向性が固まる|訪問介護が先に出した論点が、そのまま返ってくる

HokanPress編集部 · 2026年9月12日
9月10日、介護給付費分科会で2027年度改定に向けた関係団体等意見交換会の1回目が開かれた。3回に分けて行われ、1回目は居住系・施設系・医療系を除く介護系居宅サービス。訪問看護は第2回か第3回になる。1回目で訪問介護の団体が示した論点は、地域を面的に支える事業所と集合住宅中心の事業所では事業構造が違う、というものだった。訪問看護が同じ問いを受けるのは確実だ。10月から12月が具体論の期間で、12月には方向性が固まる。改定の地図を整理する。

2027年度の介護報酬改定に向けた議論が、意見表明の段階に入りました。

9月10日に開かれた第265回社会保障審議会介護給付費分科会は、関係団体等意見交換会の1回目でした。3回に分けて行われる予定で、この日のテーマは訪問介護、通所介護、居宅介護支援、小規模多機能型居宅介護などの介護系居宅サービス等。居住系、施設系、そして医療系サービスは対象から外れています。

訪問看護は医療系サービスに含まれます。つまり、第2回か第3回に登場します。開催日は今後の告知を待つことになりますが、この1回目の内容を読んでおくと、訪問看護の回に何が問われるかがかなり見えてきます。

当メディアでは6月29日の第259回で示された訪問看護の資料を分析し、リハビリテーション主体の事業所が論点として名指しされたことを取り上げました。今回は、そこから年末までの道筋を整理します。

訪問介護が出した論点は、訪問看護にそのまま返る

1回目で最初に発言したのは、全国ホームヘルパー協議会と日本ホームヘルパー協会の松下みゆき氏でした。最重要の要望として挙げたのは、訪問介護の基本報酬の引き上げです。

両団体のアンケートでは、令和7年度の収支について約6割の事業所が赤字と回答し、75%が今後のサービス継続に不安を感じ、80%が人材不足を訴えたと紹介されました。2024年度改定で訪問介護系サービスの基本報酬が引き下げられた後も、物価高騰や賃金上昇、人材不足が続いているという指摘です。

そして、もう一つ重要な発言がありました。地域を面的に支える事業所と、集合住宅を中心にサービスを提供する事業所では、移動時間や経費などの事業構造が大きく異なる。だからサービス提供形態に応じた実態を踏まえた評価が必要である、という趣旨の主張です。

この論点は、訪問看護にそのまま当てはまります。

当メディアで2026年度改定の同一建物の扱いを扱った際、精神科訪問看護の同一建物区分が5段階に細分化され、10人以上の建物では日数の数え方が週から月に変わったことを書きました。短時間訪問のルールでも、同一敷地内の建物が同一建物として扱われるようになっています。高齢者向け住まいを回るステーションと、地域に散らばる利用者を訪問するステーションでは、1件あたりのコストがまったく違う。

訪問介護の団体は、この違いを「だから一律に評価しないでほしい」という要望として出しました。訪問看護の回でも、同じ主張が出るでしょう。ただし訪問看護の場合、この違いはすでに逓減という形で報酬に反映されています。要望の方向が、緩和を求めるのか、さらなる区別を求めるのかは、団体によって分かれる可能性があります。

8月28日と9月3日に、何が話されたか

意見交換会の前に、分科会は分野横断のテーマを扱ってきました。直近の2回を押さえておきます。

8月28日の第263回では、処遇改善、生産性向上、人員配置が議論されました。2026年7月に閣議決定された骨太方針2026が「他職種と遜色のない処遇改善」を掲げており、その実現方法が問われています。DXに加えて、AIトランスフォーメーションという言葉も論点に入りました。

当メディアで訪問看護師の年収を扱った際、2026年度の臨時改定で訪問看護に設定された処遇改善等加算は1.8%で、1事業所あたりの月商から試算すると看護職員一人あたり月1万円程度が上限だと書きました。訪問介護の最大28.7%と比べた差は大きく、日本看護協会と日本訪問看護財団、全国訪問看護事業協会の三団体は7月に、在宅領域の看護職員のさらなる処遇改善を求める要望を老健局長に手交しています。意見交換会で訪問看護の番が来れば、この要望が改めて示されるはずです。

9月3日の第264回では、5つのテーマの資料が示されました。科学的介護情報システム、いわゆるLIFEもその一つです。注目すべきは資料の構成で、データを提出することそのものよりも、提出したデータをケアに反映させる流れが論じられる形になっていた点です。

訪問看護は現時点でLIFEの対象外です。ただ、第259回の資料が「より質の高い訪問看護サービスを効果的・効率的に提供する事業所を適切に評価するための方策」を論点に掲げている以上、質を測るためのデータをどこから取るかという問いは避けられません。LIFEの訪問系への拡大は、2027年度に一気に来るか、その次に持ち越されるか。意見交換会での団体の姿勢が手がかりになります。

同じ回では、認知症への対応力強化、医療・介護連携、人生の最終段階における医療・介護も扱われています。いずれも訪問看護が関わるテーマです。

12月に何が決まり、何が決まらないか

ここで、今後の日程を確認します。

分科会が4月に示したスケジュールでは、2026年4月から9月頃までがサービスごとの総論の議論と事業者団体からの意見聴取、いわゆる第1ラウンドです。今回の意見交換会は、その締めくくりにあたります。

10月から12月にかけてが第2ラウンド、個別のサービスの単位数、要件、基準についての具体的な議論です。12月中に報酬と基準に関する基本的な考え方が整理され、とりまとめられます。基準については、地方自治体が条例を制定・改正する期間を確保するため、先行してとりまとめが行われます。

12月下旬に政府の予算編成で改定率が決まり、2027年1月頃に改定案の諮問と答申が行われます。

つまり、12月のとりまとめで方向性は固まります。人員基準や算定要件の骨格は、この段階で見えてくる。一方で、何単位になるかという数字は、改定率が決まった後の1月まで確定しません。

事業所として押さえるべきは12月です。単位数を待っていると、要件を満たすための準備期間がなくなります。当メディアで機能強化型の届出を扱った際にも書いたとおり、実績要件は届出を決めてから積み上げるものであり、前年度の実績が問われる要件は、その前の年から動いていなければ間に合いません。

訪問看護の回で、何が論点になるか

第259回の資料と、これまでの議論から、訪問看護の回で扱われる論点を整理します。

第一に、リハビリテーション主体の事業所の扱いです。資料は「医療処置を含めた24時間の看護サービスの提供ではなく、リハビリテーションの提供が主体の事業所も一定数あると推察される」と記し、委員からは現状が本来のあるべき姿から乖離しているという発言が出ました。2024年度改定で入った8単位の減算では流れが変わらなかったという評価も示されています。

第二に、人材の確保です。資料は廃止・休止の増加とその理由として、従業員の確保難、管理者の退職、利用者の減少を挙げています。当メディアで求人倍率4.54倍を扱った際、採用できないことが廃止理由の一位であることを書きました。処遇改善の議論は、この文脈で訪問看護に返ってきます。

第三に、24時間対応です。2024年度改定で緊急時訪問看護加算に夜間対応する看護師の勤務環境に配慮した区分が設けられました。その効果と、体制をどう評価するかが問われます。

第四に、算定率が低い加算の扱いです。第259回の論点には、算定率の低い加算についてどう考えるかが含まれています。利用者にとっての分かりやすさと事業者の事務負担軽減という観点から、加算の整理統合が検討される可能性があります。

事業所が今できること

分科会の議論は、事業所が直接動かせるものではありません。ただ、方向が見えている以上、準備はできます。

自事業所のリハビリ職と看護職員の訪問回数の比率を確認する。緊急時訪問看護加算、特別管理加算、看護体制強化加算の算定状況を確認する。利用者の要介護度の分布を把握する。この三つは、第259回の資料が示した論点にそのまま対応します。

加えて、意見交換会の資料は厚生労働省のサイトで公開されます。第265回では12団体の資料が掲載されました。訪問看護の回でも、関係団体が何を求め、どんなデータを示すかが資料として残ります。自事業所の実感と、団体が示すデータが一致しているか。ずれているなら、そのずれ自体が現場の情報として意味を持ちます。

改定の内容は決まっていません。決まっていない段階の議論を追うことは遠回りに見えますが、12月のとりまとめが出てから動くのでは、間に合わない要件があります。訪問看護の番がいつ来るか、分科会の開催告知を待つ価値はあります。

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