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機能強化型4は月初日9,030円、常勤4名から取れる——精神科に特化した新区分の要件と、1〜3との決定的な違い|2026年6月施行

HokanPress編集部 · 2026年9月6日
2026年度診療報酬改定で、機能強化型訪問看護管理療養費に4が新設されました。月初日9,030円。精神科訪問看護で支援ニーズの高い利用者を受け入れ、24時間対応と地域連携の体制を整えたステーションを評価する区分です。1〜3と比べて何が違うのか。最大の違いは、常勤看護師等4名以上という規模の低さと、ターミナルケアの実績を問わない点にあります。要件を一覧で比較し、どの事業所が取りに行けるのかを整理します。

機能強化型訪問看護管理療養費は、これまで1・2・3の三区分でした。2026年度改定で、そこに4が加わりました。

月初日の額は9,030円。2026年6月1日から算定できます。精神科訪問看護における支援ニーズの高い利用者を受け入れ、24時間の対応を行い、地域の関係機関と連携する体制が整備されているステーションを評価する区分です。

機能強化型は、規模の大きなステーションのための加算だと理解されてきました。1は常勤換算7名以上、2は5名以上。看護師5人前後の事業所には縁のない話でした。4はその前提を変えます。常勤の看護師等4名以上から取りに行ける設計になっています。

新区分の要件を、既存の1〜3と並べて確認します。

機能強化型4の要件

まず4の内容です。

月初日の訪問看護管理療養費として9,030円を算定します。施設基準に含まれるのは、常勤の看護師等の数が4名以上であること、24時間対応体制加算の届出を行っていること、重症者や精神障害者への訪問看護の実績があること、退院時共同指導の実績があることです。

対象として想定されているのは、精神科訪問看護で支援ニーズの高い利用者を受け入れているステーションです。厚生労働省の説明では、難病等の重症度の高い利用者を受け入れることに加え、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築に資する精神科訪問看護に求められる機能を踏まえた評価だとされています。

当メディアで精神科訪問看護の構造を扱った際、精神科に特化したステーションが増えている一方で、制度上の評価が身体的なケアを前提に設計されてきたことを指摘しました。4の新設は、その評価の空白を埋めるものです。

1〜3との違いは、規模とターミナル実績

既存の区分と比べます。

機能強化型1は、2026年改定後の月初日が13,760円です。改定前は13,230円でした。要件は常勤換算で看護職員7名以上、うち常勤6名以上。前年度のターミナルケア件数が20件以上であること。専門の研修を受けた看護師の配置も2024年改定から必須になっています。

機能強化型2は月初日10,460円。改定前は10,030円でした。常勤換算で看護職員5名以上、うち常勤4名以上。ターミナルケア15件以上、または超重症児・準重症児の継続的な受け入れ実績が要件の一つです。

機能強化型3は、地域連携に重点を置いた区分です。別表第七の疾病等の利用者や別表第八に掲げる者、精神科重症患者支援管理連携加算を算定する利用者が月に10人以上いること、複数のステーションで共同して訪問看護を提供する利用者が月に10人以上いること、他の医療機関と共同した退院時共同指導の実績があることなどが求められます。

ここに4を並べると、二つの違いがはっきりします。

一つ目は規模です。1が7名、2が5名(常勤4名)に対し、4は常勤の看護師等4名以上。機能強化型のなかで最も小さい規模から届出が可能です。

二つ目はターミナルケアです。1は20件、2は15件という実績が必要ですが、4はターミナルケアの件数を要件にしていません。代わりに、重症者や精神障害者への訪問看護の実績が問われます。

看取りを多く担っていないが、精神科の利用者を継続的に受け入れている。そうしたステーションは、これまで機能強化型のどの区分にも届きませんでした。4は、そこに初めて道を作った区分です。

24時間対応と退院時共同指導が、実質的な関門になる

要件のうち、規模とターミナル実績に目が行きがちですが、実際に届出を検討する際の関門は別のところにあります。

一つが24時間対応体制加算の届出です。当メディアで24時間対応の構造を論じた際、加算を届け出ることと、実際に夜間の電話と訪問を回せる体制があることは別だと書きました。常勤4名の事業所で24時間の当番を組めば、単純計算で一人あたり週2回前後の待機になります。当メディアで訪問看護師の年収を扱った記事で紹介したとおり、オンコール待機の手当は1回平均2,233円です。加算の収入と待機の負担が見合うかは、事業所ごとに計算する必要があります。

もう一つが退院時共同指導の実績です。これは自事業所だけでは作れません。精神科病院や一般病院との連携があり、退院前カンファレンスに呼ばれる関係ができていなければ、実績は積み上がりません。

精神科の利用者を多く抱えるステーションほど、入退院の場面に立ち会う機会は多いはずです。ただ、その場面で退院時共同指導加算を算定してきたかどうかは別問題です。算定していなかった事業所は、まず記録と算定の運用から整える必要があります。

月2日目以降の管理療養費も変わった

機能強化型4だけを見ていると、改定の全体像を見誤ります。同じ改定で、訪問看護管理療養費の構造そのものが変わりました。

月の初日の評価が充実した一方、月2日目以降については、従来の訪問看護管理療養費1と2が統合されました。届出は不要になり、代わりに訪問日数と単一建物居住者数に応じた評価へ細分化されています。

つまり、同一建物の割合と月あたりの訪問日数によって、2日目以降の単価が変動します。当メディアで同一建物の逓減を扱った際に書いたとおり、高齢者住宅を中心に訪問しているステーションほど、この細分化の影響を受けます。機能強化型4を取って月初日の収入が増えても、2日目以降で目減りすれば、月全体では想定どおりにならない可能性があります。

届出を検討する事業所は、月初日の9,030円だけでなく、自事業所の利用者構成で2日目以降がどう変わるかを合わせて試算してください。

どの事業所が取りに行けるか

要件を整理すると、機能強化型4の届出を現実的に検討できるのは、次の条件に当てはまる事業所です。

常勤の看護師等が4名以上いること。精神科訪問看護基本療養費を算定する利用者を継続的に受け入れていること。24時間対応体制加算を届け出ているか、届け出られる体制を作れること。精神科病院または一般病院との連携があり、退院時共同指導の実績を積めること。

このうち最も時間がかかるのは、退院時共同指導の実績です。当メディアで機能強化型1・2の要件を扱った際にも書きましたが、実績要件は届出を決めてから積み上げるものであり、決めた月にすぐ取れるものではありません。逆算して準備を始める必要があります。

規模の要件が4名と低いことは、小規模ステーションにとって朗報です。ただし、常勤4名で24時間対応を回し、退院時共同指導に出向き、精神科の重症利用者を受け持つ。その負担が職員に集中しないかは、届出の前に検討すべき点です。当メディアで離職の構造を論じたとおり、小規模事業所ほど一人の退職が事業の継続に直結します。

精神科訪問看護への評価が、区分として立った意味

機能強化型4の新設は、金額の話にとどまりません。

これまで機能強化型は、ターミナルケアと重症児の受け入れを軸に設計されてきました。看取りと医療的ケアを担うステーションを評価する仕組みです。精神科訪問看護は、その軸から外れていました。

4は、精神科訪問看護に固有の機能を、独立した区分として評価します。支援ニーズの高い利用者を受け入れ、24時間対応し、地域の関係機関と連携する。この三つを満たすことが、看取り20件と並ぶ評価に値するという判断が示されたことになります。

2027年度介護報酬改定の議論では、リハビリ主体の事業所のあり方が論点になっています。当メディアで分科会資料を分析した際、厚生労働省が「医療処置を含めた24時間の看護サービス」を訪問看護のあるべき姿として示していることを書きました。機能強化型4は、その「あるべき姿」に精神科訪問看護を含める、という制度側の意思表示でもあります。

届出の可否を判断する前に、自事業所が精神科の利用者に対して何をしているかを整理してみてください。要件を満たしていなくても、そこが次の改定に向けた出発点になります。

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